恍惚の7分間・ポルノ白書
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恍惚の7分間・ポルノ白書
The Seven Minutes
監督
ラス・メイヤー
脚本リチャード・ウォーレン・ルイス
原作アーヴィング・ウォーレス
製作ラス・メイヤー
出演者ウェイン・モウンダー(英語版)
マリアンヌ・マックアンドリュー(英語版)
音楽スチュー・フィリップス(英語版)
撮影フレッド・マンデル
編集ディック・ワーメル
配給20世紀フォックス
公開 1971年7月23日
1971年12月11日
上映時間115分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費2,415,000ドル[1]
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『恍惚の7分間・ポルノ白書』(こうこつのななふんかん・ポルノはくしょ、原題: The Seven Minutes)は、ラス・メイヤーが監督、製作した1971年のアメリカ合衆国の映画[2]

アーヴィング・ウォーレスによる1969年の同名小説(日本語訳書の題名は『七分間―ポルノグラフィー裁判』)に基づいている。
ストーリー

エロティック小説『七分間』を購入したティーンエイジャーレイプで起訴された後、ポルノ弾圧に熱心な(そして次の選挙の準備をしている)検察官はスキャンダルを利用して本を猥褻なものと決め付け、2人の刑事を書店に向わせおとり捜査を仕掛ける。同名の本を1冊購入すると、検察官は猥褻な図書を販売したとして書店を起訴する。その後の裁判は直ちにポルノと言論の自由に関する激しい議論を呼び起こした。若い弁護人は更に小説の真の作者を突き止めなければならない。

本の履歴を調べたところ、弁護人は本がヨーロッパに住むアメリカ人駐在員であるJ・J・ジャドウェイによって書かれ、当初はフランスの出版社から英語で出版され、最終的にアメリカのさまざまな出版社によって取り上げられたことを発見した。そのほとんどは、本の毒々しく風刺的な側面を強調しようとしていた。この本の内容は性的に露骨であると見なされ、30か国以上でわいせつとして禁止されていた。J・J・ジャドウェイは彼の著作の扱いに非常に落胆して自殺したと推察される。彼の友人の一人が発見して報告していた。

裁判が行われると、検察官は本がひどく不快であるとする一般市民に証言させた(その一人の女性は、本で女性主人公が恋人と一緒のベッドで発していた言葉の1つを大声で繰り返すことさえできないと弁護人による反対尋問で認めている)。一方、弁護側は本の価値を文学として証明する学界やメディアの専門家を連れて来た。検察はレイプを犯した青年に、本が彼を操ったと証言させるため証人台に立たせた。

本を弁護している弁護士は、地域良識協会のメンバーであるコンスタンス・カンバーランド(イヴォンヌ・デ・カーロ)から連絡を受け、レイプを犯した青年および本を取り巻く状況ついて法廷で証言してもらうことを決定する。彼女は青年と話した。レイプの動機は本にあるのではなく、彼自身のセクシュアリティに対する恐れであった。コンスタンスは更に本の著者であるJ・J・ジャドウェイを知っていることを認め、彼が実は1950年代にヨーロッパで亡くなってはいないこと、そして本の内容はポルノを意図したものではなく女性のセクシュアリティを描いたものだということも知っていた。

彼女がどうして知ることができたのか尋ねられ、コンスタンスは「私自身がJ・J・ジャドウェイであり、私が『七分間』を書いたのです。」という爆弾証言で応答した。20年以上前は彼女が著者であると露見する事は避けたかったので、本の著者への詮索を阻止するために「J・Jジャドウェイ」の偽の自殺を公表するように友人に依頼したのだが、もはや隠れるべきではない。小説の女性主人公がセックスをしている男性は、本に書かれているようにインポテンツに悩んでおり、彼女のお陰で性交を経験することができたのだ、と彼女は説明を続ける。この男性を彼女の中で再び目覚めさせたこと、彼に長年恋人がいないことから生じた感情が、彼と一緒にいたいという情動に気づかせる。これらのすべては、7分間の性交の間に彼女の頭の中で起こる。

陪審はその本が猥褻ではないと判断する。検察官は判決は州のこの地域でのみ適用され、カリフォルニア州の他の地域でなら再度、裁判にかけることができると言い張った。勝利を収めた弁護士は、害が証明されなかった本を大人が家で読む事を制限しようとするのは馬鹿げていると指摘して彼を戒めた(この場合は本が単に青年のレイプ事件を説明するためのスケープゴートとして利用された)。

ラストの注釈では、性行為中の女性が最初の性的刺激からオーガスムに至るまでの平均時間は約7分であると述べられている。
キャスト

ウェイン・モウンダー
(英語版):マイク・バレット

マリアンヌ・マックアンドリュー(英語版):マギー・ラッセル

フィリップ・キャリー:エルモ・ダンカン

ジェイ・C・フリッペン(英語版):ルーサー・ヤーキーズ

エディ・ウィリアムズ:フェイ・オズボーン

ライル・ベトガー(英語版):フランク・グリフィス

イヴォンヌ・デ・カーロ:コンスタンス・カンバーランド

ジャッキー・ゲイル(英語版):ノーマン・クヴァント

ロン・ランデル(英語版):マール・リード

チャールズ・ドレイク(英語版):ケロッグ軍曹

ジョン・キャラダイン:ショーン・オフラナガン

ハロルド・J・ストーン:アップショウ判事

ジェームズ・アイグルハート(英語版):クレイ・ラザフォード

トム・セレック:フィル・サンフォード

オラン・ソウル:ハーヴェイ・アンダーウッド

ジョン・サーノ:ジェリー・グリフィス

ジャン・シュータン(英語版):アナ・ルー・ホワイト

デヴィッド・ブライアン(英語版):カーディナル・マクマナス

チャールズ・ネイピア:アイバーソン

ウルフマン・ジャック:本人役

リン・ハミルトン(英語版):エイヴィス

製作
企画

1965年、20世紀フォックスはアーヴィング・ウォーレスの3つの小説の権利を150万ドルで買い取った。1作目は『The Plot』、二作目が『七分間―ポルノグラフィー裁判』であった。本は1968年に完成した[3]

1969年6月、フォックスは今後18か月でこの映画を制作、リチャード・フライシャーによって製作・監督されると発表した[4][5]


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