恋人_(1951年の映画)
[Wikipedia|▼Menu]

恋人
監督
市川崑
脚本和田夏十、市川崑
製作青柳信雄
製作総指揮青山碩
出演者久慈あさみ池部良
音楽服部正
撮影横山實
編集長田信
製作会社新東宝、昭映プロダクション
配給新東宝
公開 1951年3月10日
上映時間70分
製作国 日本
言語日本語
前作夜来香
テンプレートを表示

『恋人』(こいびと)は、劇作家梅田晴夫が書いたラジオドラマ『結婚の前夜』を原作として、1951年新東宝で製作された日本映画である。モノクローム作品で、監督は市川崑。本作以降、『和田夏十』は市川の妻である茂木由美子の個人名義となる[1]
あらすじ

小田切京子は25歳の独身女性。幼馴染の遠藤誠一という友人がいる。誠一はカメラマンで、小田切家とは家族ぐるみの付き合いがある。小田切家は、外交官の父恵介と母節子、そして京子の3人家族である。父は仕事でイギリスで暮していたことがあり、イギリス風の生活習慣に馴れ親しんでおり、パイプを愛用している。反対に、節子は着物が似合う女性である。

京子は銀行員と婚約中だったが、いよいよ明日、式を挙げることとなり、小田切家はその準備に忙しい。しかし、京子はそんな周囲の雰囲気をよそに、独身時代最後の自由を楽しむため、誠一を誘って銀座に繰り出すことにする。喫茶店や映画館、スケート、ダンスホールと2人は楽しむが、京子は、誠一との楽しい時間を過ごすうちに、結婚に迷いを感じるようになる。

誠一も京子を心から愛していたが、自分の気持ちをどうしても言い出せないまま、最後の夜は更けていく。京子もそんな誠一の気持ちを知り、帰りたがらない。結局、2人は終電にも乗り遅れてしまい。歩いて帰宅することとなる。翌日、周囲の心配をよそに、結婚式は無事に終了する。誠一は結婚式の翌日に小田切家を訪問する。恵介と節子は快く誠一を迎え、ご馳走を振舞う。恵介と節子は誠一と京子が相思相愛の仲であったことに気付き、愛し合っていても結ばれない男女交際を嘆きつつ、誠一の多幸を願い、この物語は結ばれる。
スタッフ

製作 :
青柳信雄

監督 : 市川崑

原作 : 梅田晴夫のラジオドラマ『結婚の前夜』

脚本 : 和田夏十、市川崑

編集 : 長田信

撮影 : 横山實

照明 : 藤林甲

録音 : 根岸壽夫

美術 : 藤田博

助監督 : 勝俣眞喜治

製作主任 : 青山碩

タイトル画 : 池部鈞

音楽 : 服部正

主題歌 : 『恋人』

作詞 : 佐伯孝夫、作曲 : 服部正、歌 : 灰田勝彦ビクターレコード)・久慈あさみ


特殊技術 : 新東宝特殊技術

記録 : 河辺キヨ

製作主任 : 青山碩

スチール : 泰大三

キャスト

池部良(遠藤誠一)

久慈あさみ(小田切京子)

千田是也(小田切恵介)

村瀬幸子(小田切節子)

北林谷栄(佐伯さん<仲人>)

森繁久彌(ダンスホールのマネージャー役、実名で出演。)

斎田愛子(ダンスホールの歌手役、実名で出演。)

伊藤雄之助(洗濯屋)

小高まさる(バスの中の男)

柳谷實(運ちゃん)

鈴木俊子(京子の友人)

武村新(てんぷら屋の主人)

横尾泥海男(誠一の先輩)

若月輝夫(自動車の客)

補足事項

原作は梅田晴夫のラジオドラマ『結婚の前夜』である。この作品は
1949年6月23日に、NHKラジオ小劇場で1話完結で放送されたもので、原作は京子と誠一のダンスホールでのやりとりが中心になっている。映画化にあたっては、新東宝から「10日ほどで何か撮ってくれ」との要請で企画されたもので[1]、さまざまな挿話が付け加えられたが、ほぼ原作に忠実な内容と言える。脚本は市川夫妻が手がけているが、具体的には、和田が話の流れを提示し、市川が10日間で撮影できるように場面を割り振りする作業を行い、脚本は2日間で書き上げられた。当時の新東宝には予算がなく、撮影はロケーションが中心で、終電間際の新宿駅の地下道などで行われている[2]。ダンスホールの場面では、原作ではシャンソンが歌われたが、映画版ではイギリス民謡のHome, Sweet Home(日本語名:埴生の宿)が英語で歌われた。

映画のタイトルバックの絵画を手がけた池部鈞は、池部良の父である。

劇中、主人公が銀座の映画館で観る映画は『哀愁』である。

千田是也演じるヒロインの父親は、脚本化に当たって白洲次郎をイメージとして描かれている[3]

市川崑は、後にテレビ演出を初めて行う際、本作品選んでいる[3]

DVD

『新東宝名画傑作選 恋人』(
バップ) 規格番号:VPBT?15265

参考文献

『ラジオ小劇場脚本選集 第2集』 宝文館 1950年

脚注[脚注の使い方]^ a b 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P60
^ 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P63
^ a b 『完本 市川崑の映画たち』、2015年11月発行、市川崑・森遊机、洋泉社、P64

外部リンク

恋人
- IMDb(英語)










市川崑
1947 - 1949年

東宝千一夜(1947年)

-「眞知子」より- 花ひらく(1948年)

三百六十五夜 東京篇・大阪篇(1948年)

人間模様(1949年)

果てしなき情熱(1949年)

1950年代

銀座三四郎(1950年)

熱泥地(1950年)

暁の追跡(1950年)

夜来香(1951年)

恋人(1951年)

無国籍者(1951年)

盗まれた恋(1951年)

ブンガワンソロ(1951年)

結婚行進曲(1951年)

ラッキーさん(1952年)

若い人(1952年)

足にさわった女(1952年)

あの手この手(1952年)

プーサン(1953年)

青色革命(1953年)

天晴れ一番手柄 青春銭形平次(1953年)

愛人(1953年)

わたしの凡てを(1954年)

億万長者(1954年)

女性に関する十二章(1954年)

青春怪談(1955年)

こころ(1955年)

ビルマの竪琴(第一部・第二部)(1956年)

処刑の部屋(1956年)

日本橋(1956年)

満員電車(1957年)

東北の神武たち(1957年)

穴(1957年)

炎上(1958年)

あなたと私の合言葉・さようなら、今日は(1959年)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:19 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef