恋人の聖地(こいびとのせいち)は、特定非営利活動法人地域活性化支援センターが主催する「恋人の聖地プロジェクト[1]」により選定された観光スポットである。観光庁およびJTBが後援[1]する。2006年4月1日に選定を開始[2]。同年4月19日に最初の発表がなされた。 地域活性化支援センター(以下「センター」)は、恋人の聖地プロジェクトの目的を「少子化対策と地域活性化への貢献をテーマに、観光地域の広域連携を目的として展開する」としている[2]。 センターは問題意識として、少子化の背景に「非婚化・未婚化の進行」の進行があると捉えており、少子化対策として若者の恋愛と結婚を促すため、プロポーズにふさわしいロマンティックな観光スポットを「恋人の聖地」として選定することで、地域の新たな魅力づくりと情報発信を図るとしている[2]。 センターでは同時に、次代を担う若者に対し「結婚の素晴らしさ、家庭を築くことや人との繋がりの素晴らしさを感じていただく」ための活動も行い、「日本の未来につながる恋愛・プロポーズ・結婚のキーワードを世の中に復活させる」「若い人々が自然に恋愛・プロポーズ・結婚を語れる世の中にしていく」「そのための情報発信を通して少子化対策に貢献していく」と述べている[2]。 またセンターは、観光地への旅行においても「高齢化」が進んでいると指摘する[2]。1970年代から1980年代にかけては、旅行雑誌やファッション雑誌などで取り上げられた観光地へ若い女性が旅行することが流行し、当時若い女性の人気を二分した雑誌『an・an』『non-no』にちなみ「アンノン族」と呼ばれた。しかしバブル崩壊後は「若者の旅離れ」が進み、各地の観光地も中高年(特にかつて「アンノン族」と呼ばれた中高年女性)をターゲットとするようになっている、とセンターは指摘した上で、こうして観光地から若者がいなくなり、地域活性化の担い手となるべき地域の若者たちの活躍の場が失われる、と主張する[2]。「Category:離れ」も参照 プロジェクトの趣旨をまとめると、 を目的としている[2]。 センターが定める「恋人の聖地」の選定基準は以下のとおり[2]。 また、主旨に賛同する企業・団体が管理する場所から「恋人の聖地サテライト」も選定している[2]。サテライトには結婚式場やホテルなども多数登録されている[3]。 詳細は、公式サイト「親善大使 2015年には、今後の展開として「既存の観光スポットのリノベーションを図り、新たな観光スポットとして訴求力を高め、新たな来訪客層の開拓」をかかげ、また、「恋人の聖地」認定地同士の連携による情報発信力向上等も視野に入れている[4]。 2021年9月1日現在、恋人の聖地プロジェクトは、「恋人の聖地」日本国内137箇所・国外4箇所、「恋人の聖地サテライト」国内62箇所が選定されている[2]。 一度選定されたスポットが何らかの理由で解除されることもあり、青森県の五所川原市と弘前市(吉野町緑地公園[5])が選定されたが、その後に解除され公式サイトからも削除された。また島根県では江津市の有福温泉が選定されたが[6]、その後に解除され、サテライトも存在しない都道府県となった[7][3]
概要
趣旨
「若者の旅離れ」を克服し、観光地へ若者を呼び戻すこと
観光を担う地域の若者が活躍できる場を取り戻すこと
観光を通じて、次代を担う若者に恋愛・結婚・家庭の素晴らしさを訴え、少子化対策の一助とすること
基準
地域を代表する観光施設・地域であること。
「恋人の聖地」の銘板を設置可能なスペースがあること。
プロジェクトの趣旨に賛同し、運営・管理主体が明確であること。
選定委員・親善大使
選定委員
桂由美
假屋崎省吾
親善大使
田川博己(地域活性化支援センター顧問、JTB代表取締役会長)
菊川怜
早見優
石田純一
安めぐみ
森泉
IMALU
柴田理恵
板野友美
大石参月
過去
島田晴雄(経済学者、千葉商科大学学長)
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聖地一覧
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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