恋はデジャ・ブ
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恋はデジャ・ブ
Groundhog Day
監督
ハロルド・ライミス
脚本ハロルド・ライミス
ダニー・ルビン
原案ダニー・ルビン
製作ハロルド・ライミス
トレーバー・アルバート
製作総指揮C.O.エリクソン
出演者ビル・マーレイ
アンディ・マクダウェル
音楽ジョージ・フェントン
撮影ジョン・ベイリー
編集ペンブローク・J・ヘリング
製作会社コロンビア ピクチャーズ
配給コロンビア映画
公開 1993年2月12日
1993年10月23日
上映時間101分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$14,600,000
興行収入 $70,906,973[1]
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『恋はデジャ・ブ』(こいはデジャ・ブ、原題:Groundhog Day)は、1993年に製作されたビル・マーレイ主演のアメリカ映画アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されている。

超常現象によって閉じた時間の中に取り残され、田舎町の退屈な祭事の日を際限なく繰り返すことになった男性が、己の高慢で自己中心的な性格を改めて恋を成就させるまで[2]を描く。

原題の「グラウンドホッグデー」とは、物語の舞台となるペンシルベニア州の町パンクスタウニーなど各地で行われているアメリカの伝統行事で、物語はこの行事が行われる2月2日の6時00分から、翌朝の5時59分にかけての24時間を反復しながら進行する。

邦題の中の「デジャ・ブ」は、実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象を意味するフランス語の「deja-vu(既視感)」から。

2016年にロンドンで、2017年にブロードウェイで、ミュージカル作品が上演された[3]
あらすじ

人気気象予報士フィル・コナーズは仕事仲間のリタ・ハンソンおよびラリーとともに、毎年2月2日の聖燭節に行われるグラウンドホッグデーを取材するため、田舎町であるペンシルベニア州パンクスタウニー[2]に滞在していた。グラウンドホッグデーとはウッドチャック(グラウンドホッグ)が自分の影を見て冬眠するかどうかを観察することによって、春の到来の時期を占う伝統的な祭事であるが、フィルにとってこの田舎行事の退屈さは耐え難く、当然身も入らない。嫌々ながら一日を終えた彼は、都会への帰途、天候の急変により前日の宿に泊まることになった。

ところが翌朝、フィルが目を覚ますと、その日はまたしても2月2日のグラウンドホッグデーであった。フィルは昨日と同じ振る舞いを繰り返す人々や仕事仲間に既視感を覚えつつ、2度目の取材を終えるが、翌朝もまた同じ2月2日が繰り返される。理由も分からず時間のループに留め置かれ、天候のためパンクスタウニーの町を出ることもできないフィルは、トラブルを起こし警察に逮捕されるが、やはり翌朝も同じ宿のベッドの上で2月2日を迎える。

フィルは、前日の失敗をなかったことにして何度でもやり直せるという自分だけの特権を活用し、町の人々のプロフィールや1日の行動を調べていく。そうして得た情報を用いて行きずりの異性を口説き落としてみたり、犯罪を成功させて大金を得たりしながら満足を得ようとする。

しかし仕事仲間のリタを口説き落とすことに何度も失敗するうち、やがてフィルは際限なく繰り返されるグラウンドホッグデーの1日に嫌気が差してしまう[2]。ベッドの横に置かれた目覚まし時計を壊しても、祭事に用いるウッドチャックをさらって町からの脱出を試みても、ループを抜け出すことは叶わない。フィルは自暴自棄になって自殺を試みるが、どのような手段で自殺しても結局は2月2日の朝に同じ宿のベッドで目覚めるのであった。

あるときリタに自分の事情とループで得た知識を明かしてみせたフィルは、彼女との交流を通して気を取り直す。その後、フィルは今までの態度を改め[2]、他人に気前良く大金を配って回ったり、無尽蔵の時間を生かしてピアノを習ってみたり、寿命でその日に死ぬ運命にある老人を救うことには失敗しつつも、その日に起こる些細な事故やトラブルから人々を守ってみたりという日々を送るようになる。

やがてフィルは1日にしてパンクスタウニーの人々から尊敬を集める存在となり、リタからの愛も勝ち取る。その夜リタと一夜を共に過ごしたフィルは[2]、なぜか翌朝になってもリタが共にいて、日付も2月3日に進んでいることに気がつく。フィルはループからの脱出に成功したことに狂喜しつつ、リタと共にパンクスタウニーに永住することを決意するのであった。
登場人物

「演」は演じた俳優を、「声」は日本語吹替版の声優を指す。
フィル・コナーズ (Phil Connors)
演 -
ビル・マーレイ、声 - 安原義人男性。本作の主人公。テレビ番組の取材でリタやラリーと共にパンクスタウニーを訪れ、ループし続ける時間に囚われる。登場人物の中で彼だけが、ループが起こっていることを観測しており、以前のループで得た経験を活用することができるが、そうなった理由は明かされない。実はリタに一目惚れしており、様々な手段を用いて彼女の心を射止めようとする。最初は嫌な人物として描かれ[4]、劇中でもリタから自己中心的な性格を指摘されるが、後に態度を改めるようになる。フィルという名前は、パンクスタウニーの祭事のために飼われているウッドチャックと同名で、作中ではそのことを町人に指摘されたり、自分自身をウッドチャックに例えたりする場面が登場する。
リタ・ハンソン (Rita Hanson)
演 -
アンディ・マクダウェル、声 - 高島雅羅女性。本作のヒロイン。テレビ番組のプロデューサーで、フィルやラリーと共に取材のためパンクスタウニーを訪れた。時間のループには気づいていないが、何度かそのことをフィルから打ち明けられる。男性の好みは、博愛精神があって強引ではなく、ロマンチックで、楽器演奏の得意な人物であるといい、フランス詩を愛読する。フィルは彼女の反応を総当たりで調べ尽くし、彼女を口説き落とそうとしたが上手くいかず、一度は篭絡を断念する。しかし映画の結末では、彼女の理想の男性像を体現するに至ったフィルと一夜を共にし、共にループを脱出する。
ラリー (Larry)
演 -
クリス・エリオット、声 - 牛山茂男性。フィルやリタと共に取材のためパンクスタウニーの町を訪れたカメラマン。町の住人同様、時間のループには気がついていない。
ネッド・ライアソン (Ned Ryerson)
演 - スティーヴン・トボロウスキー、声 - 増岡弘男性。フィルの高校時代の同級生を自称する保険のセールスマン。毎朝フィルが宿を出たところで遭遇し、再会を喜びつつ執拗に商談を持ちかけてくる。
バスター・グリーン (Buster Greene)
演 - ブライアン・ドイル=マーレイ、声 - 峰恵研男性。グラウンドホッグデーの祭事を執り行う人物で、占いの結果を皆に告げる役割を担う。フィルがウッドチャックのフィルを誘拐した際にも居合わせる。
ナンシー・テイラー (Nancy Taylor)
演 - マリス・ジェラティ、声 - 塩田朋子女性。フィルに名前や出身校を聞き出された後、「偶然再会した高校の同窓生」を装って言い寄られ、口説き落とされる。翌日には他の住人同様、フィルのことを忘れているが、その後も何度か登場し、食堂や映画終盤のパーティにも姿を見せる。
ランカスター夫人(Mrs. Lancaster)
演 - アンジェラ・ペイトン、声 - 斉藤昌女性。フィルが宿泊した宿の女主人。毎朝コーヒーを勧めてくる。
ガス (Gus)
演 - リック・ダコマン、声 - 稲葉実男性。もと海軍の水兵。時間のループに閉じ込められて途方に暮れるフィルと飲み明かし、もし明日が来ないなら何をしても自由だという発想を彼に与える。結果としてフィルが起こしたトラブルに付き合わされ、ラルフと共に逮捕される。その後も食堂などに登場する。
ラルフ (Ralph)
演 - リック・オヴァートン、声 - 梅津秀行男性。フィルやガスと飲み明かして酔い潰れてしまい、結果としてフィルが起こしたトラブルに付き合わされ、ラルフと共に逮捕される。その後も食堂でガスと一緒に食事をしている。
ウェイトレスのドリス (Doris, the Waitress)
演 - ロビン・デューク、声 - 火野カチコ女性。角にある食堂「ティップトップ・カフェ」のウェイトレスで、店主の義妹。現金輸送車の見張りをしていた銀行警備員のフィリックスに両替を頼んだ後、不注意で小銭を落とし、大金を置き引きする機会をフィルに与える。その他にも食堂をはじめ何度か登場し、映画終盤のパーティにも姿を見せる。
老人 (Old man)
演 - ル・ボドウェル男性。毎朝フィルが宿を出たところで遭遇し、金を無心しようとする老人。フィルは日によって大金を施したり、食事を振舞ったりするが、毎晩になると老衰により回避不可能な死を迎える。
ピアノ教師 (Piano teacher)
演 - ペギー・ローダー女性。フィルから大金を積まれてピアノの指導を乞われ、生徒を帰宅させて応じる。映画終盤のパーティにも姿を見せる。なお、劇中でフィルが彼女から習ったピアノ曲は、セルゲイ・ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」である。


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