思想_(雑誌)
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思想
ジャンル思想誌
刊行頻度月刊
発売国
日本
言語日本語
出版社岩波書店
刊行期間1921年 -
ウェブサイトwww.iwanami.co.jp/magazine/
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『思想』(しそう)は、岩波書店が発行する月刊誌。人文社会系を中心とした諸分野の論文を掲載している。
概要

同社から発行されていた『思潮』(1917年 - 1919年)の廃刊後、1921年10月1日に刊行を開始した[1][2]。岩波書店によると、本誌は伝統的に哲学歴史学社会諸科学の成果を提供してきており、同ウェブサイトでは「分野を超えて問題を根源的に考え抜こうとする人びとにとって、最良の知のフォーラム」[3]と紹介されている。

現在も月刊で刊行が継続されており、通常号のほか特集が組まれることもある[注釈 1]。また、特集によっては<討論>と題して、関係分野研究者などによる討論会の模様を収録することがある[注釈 2]ほか、<研究動向>や<名著再考>などの文章が含まれることもある[注釈 3]。外国人論者による文章の翻訳が掲載されることもあり、これは翻訳の上掲載される[注釈 4]
歴史編集に関与した和辻哲郎

社会学者の清水幾太郎は『思想』400号に掲載されたエッセイ「小さな歴史」において、『思想』の歴史を次のように独自に区分して論じている[8]

(第一期)大正10年10月号 - 昭和3年8月号

(第二期)昭和4年4月号 - 昭和21年3・4月合併号

(第三期)昭和22年1月号 - 現在

本節では、この区分を参考にし、倣いつつ、『思想』の歴史を大きく初期、戦前・戦間期、戦後の時期に区分してそれぞれ論じる。
『思潮』の廃刊と『思想』の創刊

前述のように、『思想』の前身にあたる雑誌として、岩波書店から『思潮』が刊行されていた。和辻哲郎によると、この雑誌は『思想』につながる側面があるものの「同人誌」的な色彩であったという[9]

この『思潮』が廃刊になった後、2年前後が経過した後に、岩波茂雄によって雑誌『思想』の刊行が計画される。和辻はこの問題に石原純東北帝国大学を退職したことが関係している可能性を指摘[9]しつつ、岩波が「岩波書店の雑誌」として『思想』を刊行するのに協力を求めてきたことを述懐している。このような経緯ののち、大正10年10月に創刊号が刊行された。創刊号に掲載された文章は次のような表題であった[10]

ラファエル・ケーベル「盛夏漫筆」[注釈 5]

桑木厳翼「流行の哲学思潮」

土居光知「国民的文学と世界的文学」

石原純「相対性原理の真髄」

和辻哲郎「原始基督教の文化史的意義」

M.M.「世界見聞録」

倉田百三「父の心配」[注釈 6]

創刊後しばらくの間の『思想』には、創作欄が設けられていた[注釈 7]。これが特色のひとつである。
昭和戦前期・戦間期の『思想』

『思想』は、昭和3年8月号に一度休刊したのち、和辻哲郎谷川徹三林達夫らを編集者に置く形で、昭和4年4月号に再刊する。再刊号の目次は次のようなものであった[14]

和辻哲郎・谷川徹三・林達夫「「思想」再刊の辞」

西田幾多郎「自覚的一般者に於てあるもの及それと背後にあるものとの関係」

和辻哲郎「風土」


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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