快獣ブースカ
[Wikipedia|▼Menu]

快獣ブースカ
ジャンル
特撮コメディ
出演者高橋和枝
宮本智弘
オープニング「快獣ブースカ」
歌:高橋和枝、みすず児童合唱団
製作
制作日本テレビ

放送
音声形式モノラル放送
放送国・地域 日本
放送期間1966年11月9日 - 1967年9月27日
放送時間水曜19:00 - 19:30
放送分30分
回数47
テンプレートを表示

『快獣ブースカ』(かいじゅうブースカ)は、1966年11月9日から1967年9月27日まで、毎週水曜日19時 - 19時30分に日本テレビ系で全47話が放送された、円谷特技プロダクション東宝製作の特撮テレビドラマ、および作品内に登場する架空の怪獣モノクロ作品。
概要

円谷特技プロの作品『ウルトラQ』の1エピソード「カネゴンの繭」がベースになっており[1][2]、「もしも家庭に怪獣が住んでいたら?」というテーマで、かつ当時の子供たちの視点に立って作られたコメディである。従来は恐怖の対象として扱われることの多かった怪獣を子供たちの友達として位置づけ、ウルトラシリーズとは異なる新たな怪獣像を創出した[3]。それに伴い、肩書も「怪獣」ではなく親しみやすさを込めて「快獣」としている[1]

当時人気を博していた『おそ松くん』や『オバケのQ太郎』などのギャグ漫画を意識しており[4][5]、特撮手法を駆使して漫画やアニメのような空想ギャグドラマを作り出すことを企画意図に掲げている[6]。従来の円谷プロ作品のような怪獣やメカが登場する特撮らしいものや、ファンタジー性の強いストーリーなど、幅広い作風で作られていった[1]。「バラサ、バラサ」「シオシオのパー」などの「ブースカ語」が当時の子どもたちの間で流行した。

講談社の漫画雑誌ぼくら小学館学年誌にも様々な作家によって漫画絵物語が連載され、いわゆるメディアミックス展開の先駆となった。

当初は1966年10月5日放送開始予定を目指していたが[7][注釈 1]、1ヶ月延期され11月9日からの放送が開始された。

放送前より放送回数は全26回と広報されており[8]、円谷プロ側では制作日数などの問題から全26話で終了を予定していたが、視聴率も平均15%以上と好調であり、日本テレビ側の意見で47話に延長された[9][10]。その際、年少の視聴者から「ブースカの兄弟が欲しい」という要望が多かったため、第26話よりチャメゴンが登場することになった[11]

2002年日本映画専門チャンネルにて衛星初放送され、2006年から2007年にはチャンネルNECOでも放送された。

一部話数のスチール写真にはカラー写真もあり、第1話や掲載が多い「ブースカ対チャメゴン!」など多く現存する。
ストーリー

発明好きの少年、屯田大作がペットのイグアナであるブースカを「ゴジラ」のような怪獣に仕立てようと、自作の栄養剤「クロパラ」を与えた。ゴジラとまではいかなかったが、ブースカは元の30倍の大きさになり、ユーモラスな顔とずんぐりした体、人間並みの知能と様々な超能力を持った「快獣」となった。そんなブースカを取り巻く子供たちや、近所の住人たちの間で繰り広げられる珍騒動を描く。
登場キャラクター
快獣

諸元ブースカ
別名快獣
身長だいたい2 
m[12]
体重およそ100 kg[12]
出身地東京[12]

ブースカ
第1話「ブースカ誕生」で初登場。ユーモラスな顔とずんぐりした体が特徴的な怪獣ならぬ「快獣」。元々は大作のペットのイグアナだったが、大作が自作の栄養剤「クロパラ」を与えたことにより、突然変異をおこして元の30倍の大きさになった[注釈 2]。体毛は橙色だが、頭の上方他全身の模様は茶色。腕に茶色の丸い模様がついている。性格は争いを好まず、心優しくのんびり屋で、ナイーブな感性の持ち主。人間でいえば年齢は小学5年生ぐらいの子供快獣である。精神年齢も同じで、小学5年生の勉強ならスラスラとやってしまうほどの頭を持つ。自分の感情を「ブースカ語」で表現する[注釈 3]。人間並みの知能と百トン力(りき)の怪力、飛行能力や透明化、分身、光線発射など、様々な超能力を持つ。頭に生えているトサカのような「ブー冠」を温めると大学教授以上に頭が冴えるが、逆に冷やされると幼稚園児並に頭が悪くなってしまう。また、前述した超能力はここで作られるブースカニウムという物質をエネルギー源に使っているため、ブー冠が取れると全ての超能力が使えなくなる。また、激情した時はブー冠が光ったり煙を上げたりする。ラーメンが大好物で、一度に軽く30杯は平らげる。熊のような耳は精神を集中すれば10キロ先の会話も聞こえる。鼻は警察犬並みで、特にラーメンの匂いは10キロ先でも嗅ぐことが出来る。丸く愛嬌があり、邪念が感じられない目は夜間では車のライトのように光り、どんな暗闇でも見通すことが出来る。ブタのような尻尾は5mほど伸ばせて、物を掴むことができる。カメが大の苦手。また、デベソを触られると笑いが止まらなくなる。元々熱帯生まれのせいか暑いところが好きで、逆に寒いところが苦手。素直なので泥棒やあくどい人間に利用されてしまうこともあった。

オープニングの壺から出現したブースカの「ぼく、ブースカれす」という台詞は高橋のアドリブから生まれたものである。ブースカ語である「バラサ、バラサ」や「シオシオのパー」は脚本の山田正弘、「プリプリノキリリンコ」は同じく脚本の上原正三がそれぞれ考え出した造語である[13]。「シオシオのパー」などの動きはスーツアクターの中村晴吉が考えた[14]

ブースカのデザインは企画を手がけた市川利明とする資料と制作主任の黒田達雄が手がけたとする証言があり、定かになっていない[15]

ブースカのぬいぐるみ(着ぐるみ)は頭の形でAタイプ・Bタイプに分けられていたが[2]、後年にAとBの間に別の造形も存在することが認知された[16]。ただし、アトラクション用スーツが多く、劇中で複数の着ぐるみが登場する分身シーンも存在する。最初の造形は東宝内の島田工房が、2体目以降はエキスプロダクションが手がけた[16]。1970年代にアトラクションのために着ぐるみが新調されている。『アニメちゃん』撮影用の着ぐるみはBタイプに似るが、質感が毛並みの良い縫いぐるみで、体色の茶が強い。頭部はオリジナルの土台をベースにボアの貼り換えで制作されたもの。『シュシュトリアン』のブースカの着ぐるみは当時のアトラクション用で、大幅なアレンジが加えられた顔に変更されている。『ブースカ! ブースカ!!』の着ぐるみは初代より脚を長めに作られた、また足部分と胴体でセパレート構造になっている。

Aタイプの目や口を動かすギミックには自転車のブレーキのワイヤーを使用していたが、Bタイプからはラジコン式になった[2][14]。ブー冠から煙を発する描写は、助監督などがチューブからタバコの煙を吹いている[14]

Aタイプのみ目に電飾が仕込まれており、ナイトシーンでは発光する。

体の大きさを変えるシーンは、多重露光で表現された[1]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:155 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef