忠臣蔵 瑶泉院の陰謀
ジャンル時代劇
原作湯川裕光『瑤泉院 三百年目の忠臣蔵』
脚本ジェームス三木
監督重光亨彦、津島勝
出演者稲森いずみ
高嶋政伸
吹石一恵
萬田久子
江守徹
高橋英樹
松坂慶子
津川雅彦
北大路欣也
オープニング谷川賢作
エンディング献身 五木ひろし
製作
制作テレビ東京、C.A.L
放送
放送国・地域 日本
放送期間2007年1月2日
放送時間火曜日14:00 - 23:55
放送枠OZIO新春ワイド時代劇
放送分555分
回数全3部
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忠臣蔵 瑤泉院の陰謀(ちゅうしんぐら ようぜいいんのいんぼう)は、2007年1月2日に、テレビ東京系列・テレビ大阪系列で放送された新春ワイド時代劇。主演は稲森いずみ。原作は湯川裕光の「瑤泉院 三百年目の忠臣蔵」。脚本をジェームス三木が担当する。
2022年11月23日、BS12で毎週水曜20:00より2話まとめて再放送された[1][2]。
概要
原作は、赤穂浪士の仇討ち(赤穂事件)の首謀者を瑤泉院だとする異色作である。
1981年からスタートした新春ワイド時代劇で女性が主演を務めるのは初めて。
女性が主役の忠臣蔵ドラマは橋田壽賀子作による『女たちの忠臣蔵』(1979年・TBS)以来である。
ドラマでは瑤泉院をはじめ、北大路欣也演じる大石内蔵助と高橋英樹演じる柳沢吉保の3人の視点で物語が進行する。北大路は1996年のフジテレビの連続ドラマ『忠臣蔵』、2004年のNHKドラマ『最後の忠臣蔵』に続く3度目の大石役である。
キャッチコピーは、「その想いは、桜吹雪から始まった」。
時代劇のベテラン脚本家のジェームス三木らしく、ドラマの話の上での必要な改変以外の時代考証はしっかりしている。タイトルに想像されるような荒唐無稽さはなく、瑤泉院は資金面や情報、世論工作などで赤穂浪士を比較的地味に援助している。その過程で瑤泉院は死にゆく大石内蔵助と一夜の契りを結ぶ。
このドラマでは浅野内匠頭は偏執的強迫症の病的な人物として描かれ、高嶋政伸が演じている。吉良上野介は鷹揚な教養人として描かれ、意図的にひどい嫌がらせをしていた訳でもないのに松之大廊下で一方的な被害者意識に取り付かれた浅野内匠頭に訳も分からず発作的に切りつけられた被害者である。本作では松之大廊下の刃傷は明確な乱心説に立っており、『忠臣蔵』物としては非常に珍しい。
赤穂浪士の討入りは、柳沢吉保の政治的な思惑で引き起こされた解釈で、その結果、大石内蔵助は武士の意地として立ち上がらざるを得なくなる。その背後で瑤泉院は情報操作を行い乱心した浅野内匠頭に突然襲われた単なる被害者の吉良上野介を極悪人に仕立て上げて行く。吉良上野介は何もしていないのに斬りつけられた上に、幕閣の都合で高家筆頭の職を失い、世間からは極悪人にされ、夜中に赤穂浪士に集団で自邸に押込まれて首を取られてしまう。その挙句に吉良家はお取り潰し。この理不尽さを、ドラマを暗くせず一見赤穂浪士側を正義に見せるようにジェームス三木の脚本で描いている。
討入りの場面では吉良家の家臣を長屋から出さないために扉に鎹(かすがい)を打ち込むなど、できる限り最新の考証を生かしている。
第三部では最後の2時間近くを討ち入り後の後日談に使っており、事件に連座して遠島になった赤穂浪士の遺児を救うために努力する瑤泉院を背景に、将軍徳川綱吉の末期の政治情勢を丹念に描いている。このテーマは同じジェームス三木脚本の大河ドラマ『八代将軍吉宗』でも扱われており、徳川綱吉役は同じ津川雅彦だった。
キャスト
浅野家
浅野家中
瑤泉院(阿久利)・・・稲森いずみ、西本利久(少女時代)
浅野内匠頭・・・高嶋政伸、東條寿浩(少年時代)
浅野大学長広・・・井澤健
浅野長照・・・あおい輝彦
赤穂四十七士と関係者
大石内蔵助・・・北大路欣也
りく・・・松坂慶子
大石くう・・・田中千遥
大石るり・・・奥村小雪
大石吉千代・・・河本竜志
大石主税・・・篠山輝信