『忠臣蔵?決断の時』(ちゅうしんぐら けつだんのとき)は、2003年(平成15年)1月2日に、テレビ東京系列で放送された新春ワイド時代劇。テレビ東京・松竹の制作。全4部。
主演として大石内蔵助を演じるのは、二代目中村吉右衛門。赤穂事件を赤穂浪士たちの側から描いた、オーソドックスな忠臣蔵作品。 前身シリーズ『12時間超ワイドドラマ』からの通算で、本作は第23作となる。中村吉右衛門が長年の出演依頼に応えてテレビで初めて内蔵助を演じた作品。本作からシリーズ名が『新春ワイド時代劇』に改められた。 2000年作品から同シリーズ松竹制作作品を執筆してきた古田求のオリジナル脚本に拠る[1]。ただし、この脚本は元来、1991年の『忠臣蔵 風の巻・雲の巻』(フジテレビ系)のために書き下ろされたもので、さらにその後1996年にも同じくフジ系で放映された連続ドラマ『忠臣蔵』でも用いられており、この2003年版が3度目という経緯から、前2回の映像化の際と共通の台詞なども多い[2]。 主演の中村吉右衛門が歌舞伎役者ということもあってか、『仮名手本忠臣蔵』から、お軽・勘平の恋物語、大石主税と許婚・小浪をめぐる加古川本蔵一家、大石家との葛藤の話など多くの挿話を取り入れており、これらの挿話部分がこの2003年版のために脚本に加筆されている。また、松の廊下での刃傷に至る経緯についても『仮名手本忠臣蔵』の展開を取り入れて加筆された。吉良方で活躍する清水一角も、同じ脚本を用いた1991年版、96年版では史実上の名前清水一学だが、本作では清水一角(『仮名手本忠臣蔵』での名前)となっている。堀部安兵衛と一角との挿話は96年版にもあったが、2003年版では安兵衛の昔の恋人・お信が新たに登場し、安兵衛と一角の葛藤に絡む設定となった。また、『松浦の太鼓』にちなみ、吉良邸の隣が松浦鎮信邸となっている。 他の版との変更点として他には、1991年版、1996年版にあった、大石東下りの逸話が省かれたことや、小山田庄左衛門の脱盟について、彼が同志の金を盗んだ史実を取り入れて描かれたことが挙げられる。1996年版にあった小山田と恋人との逸話については、内容はほぼそのまま、本作では毛利小平太の逸話として描かれた。
概要
第一部 「刃傷 松の廊下」 前編、後編
第二部 「風雲 赤穂城」 前編、後編
第三部 「散る花 残る心」 前編、中編、後編
第四部 「吉良邸 討ち入り」 前編、中編、後編
スタッフ
脚本:古田求
演出:杉村六郎