忘却探偵シリーズ
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忘却探偵シリーズ
ジャンル
ミステリ
小説
著者西尾維新
イラスト講談社BOX:VOFAN
講談社文庫:くろのくろ
出版社講談社
掲載誌メフィスト
レーベル講談社BOX
講談社文庫
刊行期間2014年10月 -
巻数講談社BOX:既刊14巻(2022年6月現在)
講談社文庫:既刊9巻(2024年4月現在)
漫画:掟上今日子の備忘録
原作・原案など西尾維新(原作)
VOFAN(キャラクター原案)
作画浅見よう
出版社講談社
掲載誌月刊少年マガジン
レーベルKCデラックス
発表号第1シーズン:2015年9月号 - 2017年4月号
巻数既刊5巻(2017年4月現在)
ドラマ:掟上今日子の備忘録
原作西尾維新
脚本野木亜紀子
演出佐藤東弥、茂山佳則、小室直子
音楽笹野芽実、末廣健一郎
制作AX-ON(協力)
製作日本テレビ
放送局日本テレビ
放送期間2015年10月10日 - 12月12日
話数全10話
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画テレビドラマ
ポータル文学漫画テレビドラマ

「忘却探偵シリーズ」(ぼうきゃくたんていシリーズ)は、2014年10月に出版された『掟上今日子の備忘録』(おきてがみきょうこのびぼうろく)を始めとする西尾維新推理小説シリーズ。イラストVOFAN。すべて講談社BOX講談社)より刊行されている。各巻のタイトルは「掟上今日子の○○○」となっており、「○○○」には、二語と一字で構成された紙媒体を指す三字熟語が入る。一部作品は文芸誌『メフィスト』が初出となる。2018年からは講談社文庫(講談社)から文庫版が出版されており、イラストはくろのくろが担当する。

寝ると記憶がリセットされる忘却探偵の掟上今日子が、依頼人から持ち込まれる事件を「ほぼ」1日で解決に導いていく推理小説。物語は主に冤罪体質の青年・隠館厄介が相棒役となる長編と、刑事が相棒役となる短編など語り部別に分かれている。

月刊少年マガジン』2015年9月号から2017年4月号まで浅見ようによる漫画版が連載され、2015年10月から12月まで新垣結衣の主演でテレビドラマ化された。
制作背景

西尾は、『暦物語』のころからミステリーを書きたくなってきたと振り返っている[1]。レトリックやダイアローグに凝った作品が多くなってきていたため、本シリーズはその辺りを抑えて書いているという[1]。デビュー作『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』とは共通項が多いとも述べており、今日子が同作品の舞台となる島に呼ばれてもおかしくない人物であることに触れ、そういう意味でも原点回帰かもしれないと西尾は語っている[1]
登場人物
掟上 今日子(おきてがみ きょうこ)
本シリーズの主人公。置手紙(おきてがみ)探偵事務所の所長であり
探偵。生年月日不明。自称:25歳。総白髪で、眼鏡をかけた美女。1日で記憶を失う(前向性健忘症の一種とされる)ため、「最速の名探偵」「忘却探偵」と言われている。記憶を失う瞬間は厳密な24時間後ではなく、今日子が眠った瞬間に消える(睡眠薬等で強制的に眠らされた場合も同様)。目が覚めると自分の名前や職業すらも忘れている為、記憶のバックアップ機能として、手足や腹には自分自身の情報や事件の内容が彼女自身の手によりマジックペンで書かれており、また事件解決に必要とあらば何日でも徹夜することも辞さないが逆に今の知識や感情が推理の妨げとなる場合にはあえて眠って記憶をリセットする。1日以内だと記憶力は非常に優れている。基本的には1日以内で解決できない事件は引き受けず、この体質ゆえに事前の依頼予約も受け付けないが、様々な可能性を検証する網羅推理型ながら解決速度は高く、このお陰で突発的な事件に巻き込まれる厄介にとって、五本の指に入る名探偵となっている。また体質を逆手に取った究極の守秘義務や依頼したという事実自体の隠蔽など機密性の高い事件にも向いており、警察など公的機関からの依頼も多い。探偵事務所兼自宅は3階建てのビルで、応接間に辿り着くまで様々なセキュリティチェックを受けるため1時間かかる。謝礼などの金銭感覚はシビア。普段は地味な服装だが、浮かれると肌の露出が多い砕けたファッションになる。彼女を知る者の間では、一度着た服は二度と着ないと噂されている。自身の記憶は、ある時期を境にそれ以降を失うようになったが、その時期は企業秘密としている[2]。その時期以前については読んでいた本などの覚えている事柄があるが、自分が何者であったかは覚えていない。なお、身体を通した体験はこの体質になってからでも覚えていることがある。(厄介を助手にする傾向があるなど)自身の寝室の天井には黒いペンキで太々と荒々しく、彼女の字ではない何者かの手跡で「お前は今日から、掟上今日子。探偵として生きていく。」と書かれており、朝ベッドから目が覚めた彼女の目に最初に入るようになっている。今日子はこの字に従って探偵を続けているため、この字を書いた者を探している。2017年開催の「西尾維新大辞展」では、音声ガイドナレーションとして堀江由衣が今日子の声を担当する。「〈物語〉シリーズ」とのクロスオーバー作品『混物語』にも登場する。「〈物語〉シリーズ」の舞台となる街の、隣街の美術館から盗まれた美術品を取り返す依頼を受け、犯人との交渉で犯人に関する情報を秘匿することと引き換えに返還することを認めさせ、調査中のメモと隠し場所のヒントを残し浪白公園で眠っていた。「美少年シリーズ」第5巻『パノラマ島美談』の『白髪美』にも登場する。とある美術館で起きた美術品の窃盗事件に関して、偽りの推理を眉美に聞かせる。
隠館 厄介(かくしだて やくすけ)
第1巻以降の一部作品における語り部。25歳。身長:190
センチメートル以上の巨漢。冤罪体質で、幼い頃からなぜか数多くの事件に巻き込まれ、なおかつ犯人と疑われるため気弱な性格になってしまっているが、悪い事や嘘を吐く事が出来無い性分。防衛策のため、様々な探偵に助けを求め続けており、今日子はその中の1人。また就職にも困り、(冤罪が原因で)職場を転々としている。今日子に好意を寄せているが、彼女に依頼するたびに「初めまして」と挨拶されることに毎回少なからずショックを受けている。そして、自身が、今日子の「ねじくれたファン」だと言うことは、認めている。[3]
親切 守(おやぎり まもる)
第2巻以降の一部作品における語り部。某警備会社社員。とある
美術館の警備を担当していた際、客として来館した今日子と出会う。その後絵画にまつわるとある事件に関わり、紆余曲折の後に置手紙探偵事務所唯一の従業員(警護主任)として雇用される。厄介のことをかなり危険視しており、置手紙探偵事務所の脅威となりかねない危険人物名簿にフルネームと住所、連絡先が記されている。[4]

ホワイト・バーチ

FBI捜査官。「お前は今日から、掟上今日子。探偵として生きていく。」と書いたのはこの人。
作品一覧

講談社BOX巻数タイトル初版発行日付ISBN初出
1掟上今日子の備忘録2014年10月14日.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}978-4-06-219202-6書き下ろし
2掟上今日子の推薦文2015年4月23日978-4-06-219450-1
3掟上今日子の挑戦状2015年8月19日978-4-06-219712-0メフィスト 2014 VOL.3、2015 VOL.1、2015 VOL.2
4掟上今日子の遺言書2015年10月6日978-4-06-219784-7書き下ろし
5掟上今日子の退職願2015年12月17日978-4-06-219906-3
6掟上今日子の婚姻届2016年5月17日978-4-06-220071-4
7掟上今日子の家計簿2016年8月23日978-4-06-220270-1第一話:メフィスト 2015 VOL.3
第二話:メフィスト 2016 VOL.1
第三話・第四話:書き下ろし
8掟上今日子の旅行記2016年11月16日978-4-06-220376-0書き下ろし
9掟上今日子の裏表紙2017年6月1日978-4-06-220576-4
10掟上今日子の色見本2018年1月17日978-4-06-220875-8
11掟上今日子の乗車券2018年10月5日978-4-06-513204-3序文・第一枚:メフィスト 2016 VOL.3
第二枚:メフィスト 2017 VOL.1
第三枚:メフィスト 2017 VOL.2
第四枚:メフィスト 2017 VOL.3
第五枚:メフィスト 2018 VOL.1
序曲:書き下ろし
12掟上今日子の設計図2020年3月16日978-4-06-518990-0書き下ろし
13掟上今日子の鑑札票2021年4月22日978-4-06-522792-3
14掟上今日子の忍法帖2022年6月8日978-4-06-527703-4書き下ろし

講談社文庫巻数タイトル初版発行日付ISBN
1掟上今日子の備忘録2018年7月13日978-4-06-512163-4
2掟上今日子の推薦文2019年1月16日978-4-06-514312-4
3掟上今日子の挑戦状2019年7月12日978-4-06-516534-8
4掟上今日子の遺言書2020年1月15日978-4-06-518379-3
5掟上今日子の退職願2020年6月11日978-4-06-519737-0
6掟上今日子の婚姻届2021年4月15日978-4-06-523073-2
7掟上今日子の家計簿2022年4月15日978-4-06-527652-5
8掟上今日子の旅行記2023年3月15日978-4-06-530633-8
9掟上今日子の裏表紙2024年4月12日978-4-06-535338-7

プロモーション

第1巻『掟上今日子の備忘録』の刊行を記念して、「〈物語〉シリーズ」とのコラボレーションCMが2014年10月15日から配信された。脚本は西尾維新、アニメーション制作はシャフト、ナレーションは堀江由衣が担当[5]
評価

電子書籍配信サイト「BOOK☆WALKER」で2014年に行われた「2014 AWARD OF BOOK☆WALKER」では、第1巻が著者の初電子書籍で単刊にもかかわらず驚異的な売上を記録したことから「特別賞」を受賞した[6]。また、同サイトの2014年の電子書籍ランキング・カテゴリー別ランキングでは「文芸」の第7位にランクインした[7]

同サイトで2015年に行われた「2015 AWARD OF BOOK☆WALKER」では文芸賞を受賞した[8]。また、同サイトの2015年の電子書籍ランキングでは総合ランキングで第51位[9]、カテゴリー別ランキングでは「文芸」の第3位にランクインした[10]

このライトノベルがすごい!2017』掲載の2016年度版ランキング「単行本・ノベルズ部門」第9位[11]
漫画

『掟上今日子の備忘録』(おきてがみきょうこのびぼうろく)のタイトルで、『月刊少年マガジン』(講談社)にて2015年9月号から2017年4月号まで連載当時の最新作となる『掟上今日子の旅行記』までが第1シーズンとして連載。作画担当は浅見よう

西尾維新(原作)・VOFAN(キャラクター原案)・浅見よう(作画) 『掟上今日子の備忘録』 講談社KCデラックス〉、全5巻
2015年10月16日発売[12]ISBN 978-4-06-377343-9

2016年4月15日発売[13]ISBN 978-4-06-377446-7

2016年8月17日発売[14]ISBN 978-4-06-393024-5

2017年1月17日発売[15]ISBN 978-4-06-393118-1

2017年4月17日発売[16]ISBN 978-4-06-393180-8


テレビドラマ

掟上今日子の備忘録
ジャンル
テレビドラマ
原作西尾維新
「忘却探偵シリーズ」
脚本野木亜紀子
演出佐藤東弥
茂山佳則
小室直子
出演者新垣結衣
岡田将生
有岡大貴Hey! Say! JUMP
内田理央
及川光博
オープニングGoodbye holiday「溢れるもの」
エンディング西野カナNo.1
製作
プロデューサー松本京子、森雅弘


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