必殺仕切人
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必殺仕切人
ジャンル
時代劇
脚本吉田剛
保利吉紀
篠崎好
三田純市
監督松野宏軌
広瀬襄
田中徳三
出演者京マチ子
小野寺昭
西崎みどり
山本陽一
ひし美ゆり子
芦屋雁之助
高橋悦史
中条きよし
ナレーター市川段四郎
オープニング作曲:中村啓二郎「浮世の気晴らし」
エンディング中条きよし「櫻の花のように」
製作
製作総指揮山内久司(朝日放送)
プロデューサー辰野悦央(朝日放送)
櫻井洋三(松竹
制作朝日放送

放送
放送国・地域 日本
放送期間1984年8月31日 - 12月28日
放送時間金曜22:00 - 22:54
放送分54分
回数18
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『必殺仕切人』(ひっさつしきりにん)は1984年8月31日から12月28日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全18話。主演は京マチ子

必殺シリーズの第22作である。
概要

本作は前作『必殺仕事人IV』から引き続き、中条きよし演じる、三味線屋の勇次が出演。番組スタート時には中村主水と母親のおりくから独立して、一本立ちを果たすことが大きく宣伝された。

一方で、第16作『必殺仕舞人』以降の非主水シリーズで定着していた「女の元締が主役」という慣例に倣い、『必殺仕舞人』『新・必殺仕舞人』で主役の女元締 坂東京山を演じた、京マチ子演じるお国がグループの中心人物(元締ではない)として配置されている。エンディングなどの序列も、京マチ子のお国が最初にクレジットされ、中条きよしの勇次は最後(トメ)に配置された。殺しのシーンでもお国は恒例のスローバラード調の専用テーマ曲に乗ってトリを務めることが多く、勇次はお国が不在の回でも通常の殺しのテーマ曲(「恨みを断ち切る仕切人!」)で殺しを行う。そのようにお国=京の方が勇次=中条よりも格上として扱われているため、全体を通して勇次が一本立ちを果たしたという印象は薄くなっており、本来の企画意図がぼやけてしまった側面もある。

他のキャスティングは『必殺仕舞人』、『新・必殺仕舞人』で京マチ子と共演した、高橋悦史が出演。『仕舞人』とは異なるキャラクター像の人物を演じた。テレビ シリーズとしては第13作『必殺からくり人・富嶽百景殺し旅』以来、6年振りの必殺シリーズ出演となる芦屋雁之助。京や高橋同様『仕舞人』で初登場し、本作で「非主水シリーズ」連続4作品出演を果たした、西崎みどり。シリーズ初登場として、刑事ドラマ太陽にほえろ!』(日本テレビ)で、殿下こと島公之役を演じた小野寺昭が起用された。

その他、当時のアイドル(放映当時NHKレッツゴーヤングのサンデーズメンバー)であった山本陽一が『必殺仕事人III』より登場した西順之助の路線を受け継ぐ形で登場。山本は当時15歳だったため仕事人メンバー史上最年少の起用となった。また、特撮ヒーロードラマ『ウルトラセブン』(TBS)でヒロインの友里アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子が芦屋雁之助との夫婦役で、コメディーリリーフ的なキャラクターを演じた。

本作の楽曲はレコード化が前提になったため、シリーズ初のステレオ録音が行われた。

チーフプロデューサーを務めた朝日放送の山内久司は本作の結果によっては、必殺シリーズを「中村主水シリーズ」と、勇次をメインとする「仕切人」シリーズの二大看板とする構想を語っていたが、仕切人シリーズは続編が製作されることなく終わっている。

 
あらすじ

ある夜、大奥中臈頭・お国と、彼女に仕えていた女中・お清は、無実の罪を着せられて江戸城から追放されてしまう。お国の潔癖な人柄を嫌い、己の権勢を守ろうとする大奥年寄・歌橋の仕組んだ罠によるものであった。その様子を不憫に思った大奥御広敷番・虎田龍之助の手助けにより二人は、髪結いの勘平とその妻・お勝の住む四谷の久兵衛長屋に腰を落ち着け、市井の者として生きることとなった。

一方、邪魔なお国を追放した歌橋は、将軍の胤を宿しながらも自分の意のままにならぬ側室を次々に暗殺していく。殺された側室の一人・お光の女中だったお袖は身の危険を感じ、城を抜け出して江戸市中の実家に身を潜める。偶然出会った彼女から、お光たちの仇を討ちたいという訴えを聞いたお国は、側室変死の件を調べようとして逆に譴責され、御役御免になって武士を捨てた身となっていた龍之助に相談するが、それを外道仕切人・鬼アザミの配下に見られてしまう。鬼アザミは歌橋からお袖の始末を依頼されており、お袖に接触して歌橋一味の悪事を聞いたお国と龍之助も、口封じのため狙われるようになる。

鬼アザミは仕事人チーム解散後も江戸に残った勇次を無理矢理仲間に引き入れ、仕立屋の新吉を目付け役として、お国殺しを命じる。しかし、彼女の無垢で清らかな心に躊躇した二人は仕留めることが出来なかった。鬼アザミはお袖一家を惨殺した上で、勇次と新吉に、お国たちを片付けるように再度命令するが、筋の通らぬ汚い仕事に嫌気が差した二人は反旗を翻し、鬼アザミの配下を倒す。さらに、その場に駆け付けた勘平によって、鬼アザミも仕留められた。勘平はかつて闇の世界で名を馳せていた、凄腕の仕切人だった。

その現場を見てしまった、お国と龍之助は勇次と新吉に殺されそうになるが、お袖の恨みを晴らすために自ら、仕切人になることを志願。お袖に託された金を頼み料として、お国たちは江戸城に潜入し、歌橋一味を始末する。ここに新たな仕切人グループが結成された。
登場人物
仕切人
お国
演 -
京マチ子[1][2]元は大奥の中臈頭。大奥内での権力争いに巻き込まれ、無実の罪を着せられ、追放される。その後、江戸の町で易占いの商売を始める。大奥で育ったために世間知らずで、純真無垢な心の持ち主。天然ボケの一面もあり、勘平夫婦の夜の生活についての疑問を真面目な顔で問い詰め、2人を困らせることもしばしばある。堅苦しい生活から開放された反動か、清楚な雰囲気からは想像のできない大胆な行動をとることがある。柔術の達人でもあり、大の男も軽々と投げ飛ばす。中盤では伊豆に赴き、仕切人の仕事から離れていた時期があったが、第17話で江戸に戻り、裏稼業を再開する。最終話で、お国たちの裏稼業での装束と手口を真似て殺しを行う百化け一味を始末した後、お清とともに旅に出る。
新吉
演 - 小野寺昭鬼アザミの配下であった仕切人。仕立て屋を商売とする。表稼業の際は穏やかな口調で、針子たちに指導する。3月9日生まれのうお座[3]。成り行き上、鬼アザミの配下となった勇次とともにお国の殺しを引き受けたが、鬼アザミの非道なやり方に反抗し、一味を始末する。幼い頃、酒に溺れ、暴力を振るう父親から逃れて家出したところを旅の仕立て屋に拾われた過去を持つ。勇次とは裏稼業への価値観の違いから衝突するが、そのたびにお互いの信頼を深めていった。最終話で、百化け一味の始末を終え、自分が以前から訪ねようとしていた織元を求め、江戸を離れ、旅に出る。
日増
演 - 山本陽一修行を嫌い、田舎の実家の寺を飛び出し、江戸で一人暮らしをしている若い僧侶。好き勝手ばかりしていることから「脱寺のスキゾー」を自称している。第1話で、仕切人の結成を目撃し、興味を抱き、お国たちを尾行し、大奥での殺しを終えて戻って来た勇次に始末されかけたが、お国の機転によって救われ、仕切人の密偵となる。殺しはせず、火薬と手製の発火装置で、仕切人たちの敵地潜入を援護する。能天気で軽い言動が多く、周囲を呆れさせているが、その底抜けの明るさで、お国やお清の心を和ませることもある。長屋の自室には大量の蔵書が積まれ、第14話では独自の調査で富くじのイカサマを見破るなど、明晰な頭脳を持ち合わせている。お清に惚れており、彼女を「おネェ」と呼び、求愛している。流行に敏感で、それを利用した怪しい商売を目論むことも多い。最終話で、お清とともに百化け一味と戦った際は相手の自滅により、辛勝。後日、一人で旅に出ると言って去っていったが、大好きなお清を忘れられず、結局は船出したお国とお清を追い駆ける。
お清
演 - 西崎みどり元は大奥でお国に仕える大奥部屋方であったが、お国とともに冤罪を着せられ、追放処分となり、江戸の町の茶屋で働き始めた。第2話で幕閣に捕らえられ、乱暴を受けるが、お国と日増に救われ、仕切人の密偵となる。殺しはせず、日増の陽動をサポートする役目を負う。日増からの求愛に迷惑しているが嫌っている訳ではなく、姉のような視線で時々、からかっている。最終話で、百化け一味を始末し、お国とともに旅に出る。
勘平
演 - 芦屋雁之助お国の長屋の隣室に住む、髪結いの亭主。面倒見が良く、人柄もいいが、その正体は単独で裏稼業を続けてきた、ベテランの仕切人。お国の仕切人への加入に当初反対していたが、彼女の熱意を悟り、承諾した。仕切人グループの中でも、殺しの経験が長く、対立する勇次と新吉の仲裁に入ったり、殺しの現場を目撃した日増に優しく接する。裏稼業での貫禄とは裏腹に、恐妻家の一面を持ち、女房のお勝の尻に敷かれ、子作りを急かされる毎日を送る。最終話で、かつての裏稼業仲間の青年が殺され、その恨みを晴らそうと自身が頼み人になった。百化け一味の始末を終えた後も、仕切人グループの中で唯一、江戸に残る。
虎田龍之助
演 - 高橋悦史[4]元は江戸城大奥に仕える御広敷 御用人。追放されたお国とお清に金銭と衣服を与え、市井への出奔に協力した。大奥での権力争いで、側室たちが不可解な死を遂げた一件を単独で調査し、その際に権力者に逆らうこととなったため、御役御免となる。その後は武士を捨て、江戸の町で自身が好む小鳥屋の商売を始める。豪快で、人当たりが良く、世間知らずなお国とお清の面倒を見たり、図々しい日増にも愛想良く接する。


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