『必殺仕事人』(ひっさつしごとにん)は1979年5月18日から1981年1月30日まで、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現在:松竹撮影所)の共同製作により、テレビ朝日系で、毎週金曜22:00 - 22:54に全84話が放送された、テレビ時代劇。主演は藤田まこと。
必殺シリーズの第15作、必殺仕事人シリーズの第1作、中村主水シリーズの7作目である。 中村主水を主役に据えて、『必殺仕掛人』のストーリー構成で制作された。 従来の主水シリーズでは登場しなかった元締の鹿蔵役に歌舞伎界の大御所中村鴈治郎、妻子持ちの剣豪・畷左門役に伊吹吾郎、血気盛んな飾り職人の秀役に三田村邦彦をキャスティング。平尾昌晃が久々に劇伴音楽担当に復帰した。 序盤はキャストが頻繁に入れ替わり、鹿蔵役の中村鴈治郎が体調不良で降板、おとわ役に山田五十鈴を迎え、掟に厳しい元締の下で動く仕事人たちの緊張感に満ちたドラマを描くも、第21話で降板している。 半吉役の山田隆夫も放映延長に伴い、第26話を最後に降板。第27話と28話は仕事の請負から、半吉がそれまで一手に担っていた諜報活動を主水、左門、秀の3人が自分で行った。 第29話より、左門が侍の身分と刀を捨ておでん屋を始め、殺し技も剣術から怪力による人体二つ折りに変更される。また半吉に代わる新しい密偵として、加代とおしまが登場。木更津の元締・六蔵役に演劇界の重鎮木村功を迎えるなどの大幅な設定変更がなされた。 この時期は東映から山下耕作、岡本静夫、長谷川安人を演出陣に招き入れ、第29話は石井輝男がメガホンを取っている。 前作『翔べ! 必殺うらごろし』の視聴率低迷から当初は必殺シリーズ最後を飾る作品となることも視野に入れてスタートしたが、様々な要因により視聴率が回復し長寿番組への礎を築くこととなった。 その要因には秀役の三田村の人気が若い女性を中心に急上昇したこと、また従来のように作品ごとにコンセプトを一新していく実験的作風から現状維持路線に転換、同じ看板(タイトル)を長期に渡って放送し続けたことで番組の知名度が向上したことなどが挙げられる。そのため、一貫したコンセプト・作風の希薄化やマンネリズムなどの弊害も生まれたが、結果、歴代最長の全84話となった。 一部の本編では中村家のシーンなしでエンディングに変わる場合もある。 上記のように、ファンなどから「1話から28は話までは傑作」だが、29話以降は「マンネリやライト路線で堕落した」「前作うらごろし、それこそ最高傑作新・必殺仕置人で必殺は終わるべきだった」の声もあるが、29話は「脚本の野上&監督の石井で描写がしっかりしている傑作」「39話や61話、71話、83話に最終回の84話の5話は傑作」との評もある[1](リンクが切れているので、要出典。)。 『新・必殺仕事人』以後の仕事人シリーズとの最大の違いは、グループに元締が存在している点であり、そのため冒頭や前半には殺しの依頼と標的が確定している回が多かった。
概要