必殺!_III_裏か表か
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必殺! III 裏か表か
監督
工藤栄一
脚本野上龍雄
保利吉紀
中村勝行
製作山内久司
櫻井洋三
出演者藤田まこと
鮎川いずみ
村上弘明
京本政樹
柴俊夫
笑福亭鶴瓶
三田村邦彦
松坂慶子
音楽平尾昌晃
主題歌三井由美子「やがて愛の日が」
撮影石原興
編集園井弘一
配給松竹
公開 1986年5月24日
上映時間126分
製作国 日本
言語日本語
配給収入3億7500万円[1]
前作必殺! ブラウン館の怪物たち
次作必殺4 恨みはらします
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『必殺!III 裏か表か』(ひっさつ! スリー うらかおもてか)は、1986年に公開された松竹株式会社・朝日放送・京都映画撮影所(現・松竹撮影所)の制作の映画である。

監督は工藤栄一

設定はテレビシリーズ『必殺仕事人V・激闘編』の後日談となっている。

キャッチコピーは「人が人を殺す だが 今は、金が人を殺す」、「神も仏も頼みにならず この世の恨みはこの世で晴らす―仕事人一同」。
概要

金に支配された江戸社会に翻弄されながらもそれに対決していく中村主水の姿を描いた作品となっている。娯楽に徹していた前2作とは違い、物語が進むに連れて重く暗く陰惨な展開になっていくのが特徴で、監督を務めた工藤の意向から、TVシリーズにおいて優れた体力や能力を発揮していた仕事人たちが敵方の刺客たちに多勢に無勢で苦戦する演出が多く見受けられ、壱、参は本作で最期を遂げ、竜は生死不明になっている。

真砂屋によって、また不名誉を恐れる奉行所の上役達によって次第に心身共に追い詰められていき、黒幕のことを悟った主水は、「昼行灯」の面影も既になく枡屋に殴りこみ、枡屋に拷問を制止する筆頭同心田中に「てめえは黙ってろ!」と怒鳴る。このように裏の姿を顕にしたような演出となっており、本作のタイトルである『裏か表か』は、主水には「裏の姿も表の姿も区別がつかない」という意味を表現している。
あらすじ

ある日、両替商・枡屋仙右衛門(成田三樹夫)を強請っていた八丁堀同心・清原英三郎(川谷拓三)が謀殺される。その夜、通夜の席から行方を眩ましていた清原の妻おこう(松坂慶子)は、両替商組合肝煎・真砂屋徳次(伊武雅刀)を問い詰め、夫殺しの黒幕が徳次ら両替商組合であることを知る。

主水は清原とも関係のあったおしの(山田スミ子)から、枡屋に預けた20両の利息の取立てを頼まれて枡屋を訪れるが、枡屋は清原殺しをほのめかして逆に主水を脅す。

一方、枡屋をクビになり一家心中した彦松(岸部一徳)の無念を憂いた政は、主水に枡屋から墓代をふんだくるように頼むが、再び枡屋を訪れた主水の前に現れたのは真砂屋徳次であった。

能面顔で嘯く徳次に、主水は薄ら寒さと怒りを感じながらもその場を立ち去る。その帰り道、手練の刺客たちに命を狙われたのを手始めに、真砂屋の仕掛けた罠にじわじわと追い詰められていく主水。

そんな主水に、先代両替商組合肝煎の娘として今は店を受け継いだおこうが、金を牛耳る者の強さと恐ろしさを説き、一件から手を引くよう忠告するが、夫の仇の仲間となったおこうに主水は反発する。

やがて、真砂屋が少女の命を殺めてまで自分を罠にはめたことを知ると、主水の怒りは頂点に達し、男の意地をかけた主水と真砂屋の私闘は、仕事人たちを巻き込みながら、想わぬ結末へと向かっていく。
登場人物
仕事人
中村主水
演 - 藤田まこと同心・清原の死因を探り始め、その後、表の職場である奉行所にも見捨てられ、孤立無援の身で真砂屋との暗闘を繰り広げる。終盤では・・・
何でも屋の加代
演 - 鮎川いずみ終盤で真砂屋の居所を突き止める大役を果たした。本作で一旦退場となる。
鍛冶屋の政
演 - 村上弘明近所付き合いの仲であった彦松一家の心中が真砂屋の仕業であると憤慨し、主水に協力を求める。本作では最後まで生き残った一人。
組紐屋の竜
演 - 京本政樹主水の危機を救うために登場。終盤の決戦において主水を真砂屋のもとへ行かせるべく囮となったが敢え無く惨死した。しかし完全に絶命した描写はなかった。

演 - 柴俊夫『激闘編』で主水たちと協力したはぐれ仕事人の一人。主水の危機を救うために真砂屋一味と戦うが、屋敷の斬り合いにおいて多勢の相手と刺し違え死亡した。

演 - 笑福亭鶴瓶はぐれ仕事人の一人。『激闘編』20話を最後に姿を見せていなかったが、江戸に残っており、加代の長屋に居ついていた。今回は眼鏡をしておらず直接ポッペンの殺しを見せることはなかった。真砂屋の本拠地に潜伏中、犬に吠えられたことで見つかってしまい呆気なく惨殺された上に主水への見せしめとして晒し首となった。
飾り職人の秀
演 - 三田村邦彦自身が惚れた少女おゆみに逃げられたことで自暴自棄になり江戸へ帰郷したが、おこうとの出会いでお互い惹かれていく。終盤で主水と再会、真砂屋との戦いで共闘する。最後の斬り込みでは殺し道具の簪を折られたため、珍しく刀を取っての泥臭い殺し合いを演じた。
その他
中村せん / 中村りつ
演 - 菅井きん / 白木万理主水が何かに躓き苦戦していると悟り激励する。しかし主水には何の励みにもならなかった。
筆頭同心・田中
演 - 山内としお口うるさい主水の上司。少女を自殺させたという冤罪から獄門に掛けられようとした主水を庇い立てていた。
六平
演 - 妹尾友信主水の部下である小物。枡屋を召し捕った。
ゲスト
おこう
演 -
松坂慶子本作のキー人物で、同心・清原の妻。清楚で品のある女性だが、旦那が殺されてからは実家の両替商組合肝煎となる。秀を雇い入れお互い惹かれあう。
清原英三郎
演 - 川谷拓三主水の同僚。裏では金の集りで悪行を働いていたが、両替商の枡屋にせびったことが原因で謀殺される。
おゆみ
演 - 野坂クミ秀が惚れた少女。銭欲に流され真砂屋に雇われるが、主水の暗殺とは知らなかった。途中、主水の前で自殺を図ると脅迫して塔に登るが、その際に真砂屋に雇われた男に突き落とされ無残な最期を迎えた。
枡屋仙右衛門
演 - 成田三樹夫真砂屋に仕える両替商人。清原を殺した人物の一人として主水にしょっ引かれ拷問を受けるが途中、主水が仕事から外されることとなり中断。その後姿を見せていないためどうなったのかは言及されていない。
加納平馬
演 - 織本順吉与力。主水をだまして酔わせた隙に大量の刺客を連れて殺そうと企むが、秀たちの登場により失敗。最後の決戦では主水に命乞いをする始末だったが、斬り捨てられる。
彦松
演 - 岸部一徳枡屋の勘定人。政の長屋の近所。自身の失態から家族と一家心中する。彼の自殺から主水の苦戦が始まるきっかけとなった。
真砂屋徳次
演 - 伊武雅刀枡屋の代理人を名乗る悪人。圧倒的な刺客を自身の勢力に主水や秀たち仕事人の始末を企む。主水が駆け付けた際には既におこうによってその手に掛けられていた。演者は沢田研二が予定されていたが、沢田が悪役を演ずることに難色を示したため変更された[2]

夢助 - ビートきよし

左楽 - レツゴー正児

梅市 - 佐川満男

おさと - 三沢あけみ

おしの - 山田スミ子

留守居役 - 遠藤太津朗

留守居役 - 岩尾正隆

勘定奉行所与力 - 西山辰夫

富山周平 - 須永克彦

久兵衛 - 北見唯一

弥助 - 松田明

亥助 - 奈辺悟

源次 - 栗田芳廣

地廻り - 下元年世、志茂山高也

岡場所の女 - 紅萬子

スタッフ

監督 - 工藤栄一

製作 -
山内久司(朝日放送)・櫻井洋三(松竹)

製作補 - 高橋信仁

脚本 - 野上龍雄、保利吉紀、中村勝行

撮影 - 石原興

美術 - 太田誠一

編集 - 園井弘一

音楽 - 平尾昌晃

主題歌

三井由美子「やがて愛の日が」(ビクターレコード(現・
JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント))
作詞:葵まさお、作曲:平尾昌晃、編曲:竜崎孝路必殺仕置人』の主題歌。


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