心のノート
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心のノート・こころのノートは、日本文部科学省2002年平成14年)4月、全国の中学校に無償配布した道徳副教材である。2009年(平成21年)に新学習指導要領に対応して改訂されている。2003年(平成15年)7月には教師用の指導手引き書として『「心のノート」を生かした道徳教育の展開』が刊行された。この手引書の改訂は2013年(平成25年)3月に行われている[1]

同年12月6日、心のノートは全面改訂され、「私たちの道徳」(小学校低・中学年は「わたしたちの道徳」)に名称変更され、翌2014年度から配布されることとなった[2]
目次

1 概要

2 国の位置付け

3 議論

3.1 肯定的意見

3.2 否定的意見


4 経緯

5 脚注

6 関連項目

7 参考文献

8 外部リンク

概要

小学生向け3種類(1・2年生、3・4年生、5・6年生)と中学生向けの合計4種類がある。表題は小学校1・2年生向けは「こころのノート」、他は「心のノート」である。心理学者河合隼雄を中心として制作された。

児童・生徒の発達段階に沿って程度に差はあるが、学習指導要領に示された道徳の内容項目をすべて充足したほぼ同じ構成を採っている。中学校版には愛国心男女交際[3]に関する記述も見られる。

巻末には「ちきゅうにやさしい 文部科学省」の語句を外周部に配したエコマークが掲載されているが、教科書や他の副読本では奥付や背の部分に存在する出版社執筆者等が掲載されていない。実際の著作権者は文部科学省(日本国)、発行者は小学校1・2年用が文溪堂、同3・4年用が学習研究社、同5・6年用と中学用が廣済堂あかつき(旧・暁教育図書)である[4]。また、「新しい歴史教科書」のように市販本版としたものが、学研から全巻刊行されている(デザイン・内容は副読本とほぼ同一)。
国の位置付け

文部科学省は心のノートを全国配布にあたり、「『心のノート』について(依頼)」(2002年4月22日付)という文書の中で、教科書でも副読本でもない、「補助教材」であると発表した[5]

また、心のノートの試作本を都道府県政令指定都市教育委員会宛てに送付した際に柴原弘志文部科学省初等中等教育局教育課程教科調査官名義で出した「『心のノート』の活用に当たって」(2001年(平成13年)12月10日付)では、結びの語で「人間として生きていく上での大いなるプレゼントになり、生かされるものとなるようにしていきたい」と表明した。この「大いなるプレゼント」という表現が心のノート批判で引用されることがある[6]。なお、同文書では「『心のノート』のみを使用して授業を展開するということではなく」とし、あくまで「理解を助けることができる冊子」と強調している。
議論

心のノートをめぐっては賛否が分かれている。ここでは主要な議論を示す。
肯定的意見

教師の負担が減少する
道徳教育を専門として
教員免許状を取得した教師がいない[7]にもかかわらず、すべての教師が道徳教育を行う必要があり[8]、年間35時限(週1時限)の「道徳の時間」の授業を運営しなければならない。ゆえに道徳の時間をうまく運営できる教師は少数に留まり[9]、受講したはずの児童生徒に「何をやったか覚えていない」という状況を生み出す危険がある[10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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