心が叫びたがってるんだ。
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心が叫びたがってるんだ。
The Anthem of the Heart
監督
長井龍雪
脚本岡田麿里
原作超平和バスターズ
ナレーター内山昂輝
出演者水瀬いのり
内山昂輝
雨宮天
細谷佳正
藤原啓治
吉田羊
音楽ミト
横山克
主題歌乃木坂46今、話したい誰かがいる
撮影森山博幸
編集西山茂
制作会社A-1 Pictures
製作会社「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会[注釈 1]
配給アニプレックス
公開 2015年9月19日
2015年11月19日
2016年3月30日
2017年8月18日
上映時間119分
製作国 日本
言語日本語
興行収入11.2億円[1]
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その他のスタッフ[2]演出長井龍雪(絵コンテを兼任)
吉岡忍、柴山智隆
林直孝神戸洋行
キャラクターデザイン
・総作画監督田中将賀
美術監督中村隆
プロップデザイン岡真里子
色彩設計中島和子
CG監督森山博幸
音響監督明田川仁
企画・プロデュース清水博之、岩田幹宏
プロデューサー斎藤俊輔
アニメーションプロデューサー賀部匠美
製作代表夏目公一朗植田益朗
清水賢治、中村理一郎
久保雅一、落越友則
坂本健

『心が叫びたがってるんだ。』(こころがさけびたがってるんだ、英題:The Anthem of the Heart)は、A-1 Pictures制作の日本アニメーション映画。副題は「Beautiful Word Beautiful World」[注釈 2]。略称は「ここさけ」[3]2015年9月19日に公開された[4]

第19回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品(2015年)[5]

2017年7月には、本作をベースとした実写版映画が公開された(詳細については、実写映画『心が叫びたがってるんだ。』を参照)。
概要横瀬駅大慈寺

フジテレビ系列『ノイタミナ』で放送された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下『あの花』)のメインスタッフ(超平和バスターズ)が再集結して制作された。

2014年8月31日に道の駅ちちぶなどで開催された「あの花夏祭 in ちちぶ Final」において、『あの花』メインスタッフによる埼玉県秩父市を舞台とした劇場版オリジナル新作アニメの制作が発表された[6]。同年12月3日の秩父夜祭にて、タイトル、スタッフが発表された[7]。2015年3月20日に開催された『AnimeJapan2015』ステージにて正式な制作発表が行われた[8]

本作は『あの花』と同じく秩父市が舞台とされているが、横瀬駅大慈寺秩父三十四箇所札所十番)など、秩父郡横瀬町の風景も多く登場する[注釈 3][10]。また、『あの花』の登場人物が一瞬登場する[注釈 4]、物語には直接の関連性はなく別の物語とされている。
物語アニメ版の揚羽高校のモデルとなった栃木県立足利南高等学校

成瀬順は小学生の頃、憧れていた山の上のお城(ラブホテル)から、父親と見知らぬ女性(浮気相手)が車で出てくるところを目撃する。順は二人が「お城から出てくる王子様とお姫様」だと思い込み、それを母親・泉に話したことにより、泉が事実を理解してしまったことから両親の離婚を招いてしまう。家を去る父親から「全部お前のせいじゃないか」と言われ、ショックを受けた順は夕景の坂道(階段)でうずくまって泣く。そこに玉子の妖精が現われ、「お喋りが招く苦難を避けるため」という理由で、順の「お喋り」を「封印」した[注釈 5]

時は流れ、高校2年生になった順は、「話すと腹痛が起きる」という理由で他者とはメモか携帯のメールでしか意思疎通ができない。そのため、周囲の人々からは(小さくない事情があるのを認めながらも)「ヘンな子」という扱いを受け、クラスメイトとも没交渉だった。そんな順は、担任教師の城嶋一基からクラスメイトの坂上拓実・仁藤菜月・田崎大樹とともに「地域ふれあい交流会」実行委員に一方的に指名されてしまう。4人は普段から特に親しい間柄ではない上、指名されたこと自体に困惑・反発する。城嶋は会合をボイコットした大樹を除く3人に対し、出し物として過去に例のないミュージカルを提案し、順の心は動くが拓実と菜月には良い反応はなかった。その後、拓実からミュージカルをやりたいかと問われた順は、携帯で幼少の頃に起きた出来事を打ち明け、「玉子の妖精のかけた"呪い"のために話すと腹痛が起きる」と伝える。拓実は「歌なら呪いも関係ないかもしれない」と話す。帰宅した順は、歌うと腹痛が起きないことに気づく。

交流会の出し物を決めるクラス会で、拓実たちは候補の一つにミュージカルを挙げるが、大樹は喋れない順が委員ではできるわけがないと罵る。これに対して使えないやつはお前のほうだと逆に罵り返した拓実と大樹の親友の三嶋樹の間で喧嘩が始まってしまう。そのとき順は「わたしはやれるよ」という言葉をメロディーに乗せて発した。その後、拓実の携帯に「歌なら痛くない」という順からのメールが届き、菜月もそれを目にする。

その夜、泉から「喋らないこと」をなじられた順は、自らの生い立ちをモチーフにした物語を携帯で拓実に送り、さらに拓実の元を訪れて自分の言葉を歌にしてほしいと伝えた。拓実は順の物語をミュージカルにすることを考え、菜月と大樹も曲折を経て賛同する。クラス会での討論で当初は拒否感を示した他の生徒たちもやる気にはなったものの、主役級のキャストは実行委員に押しつける形となり、順は最も台詞(歌)の多いヒロインの少女役を、拓実はその相手の王子役を、大樹は少女を唆す玉子役を演じることになった。やがて、クラスの他の生徒たちもミュージカルを成功させるために一丸となる。その中で拓実の両親が離婚していたことを知った順は、ヒロインが刑死するミュージカルの結末をハッピーエンドに変えたいと拓実に相談する。拓実は「元の歌(『ピアノソナタ第8番 悲愴』「第2楽章」)にも順の気持ちが込められていたから両方を生かしたい」と、その上に「Over The Rainbow」を重ねるアレンジを発案し、それを聞いた順は涙をこぼして「私の王子様…」と思う。

しかし、交流会前日の夜、拓実と菜月の会話を立ち聞きして二人の関係を知った順は、ショックを受けて一人で学校から走り去る。その順の前に再び玉子の妖精が現れ、順に向かって「君は(言葉に出さなくても)心がお喋りすぎる」「もう、中途半端に閉じ込めるのは終わりにしよう」と告げる。翌日、順は登校せず拓実の元に「ごめんなさい」「ヒロインできません。調子に乗ってました。」「本当にすいません」という通知を送り[注釈 6]、行方をくらませてしまう。開演時間が近づく中、順の不在に他の生徒たちは不安のあまり動揺し、順への不信から怒りや焦りを募らせる。拓実は順の失踪を他の生徒に詫びた上で、「それでも舞台に立ってほしい」と自ら順を探しに行くことを申し出る。これに同意した大樹は、拓実と順の出番に代役を立てて乗り切るプランを出し、拓実を送り出した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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