徳山藩（とくやまはん）は、江戸時代の藩。長州藩（萩藩）の支藩。当初の名称は下松藩（くだまつはん）。 藩庁は最初は周防国下松（現在の山口県下松市）、後に同国徳山（改称前は野上村。現在の山口県周南市）。藩庁の置かれた徳山陣屋（徳山城）は、飯野陣屋、敦賀陣屋と共に日本三大陣屋の一つに数えられる。 下松藩は萩藩の支藩で、毛利輝元の子で毛利秀就の弟に当たる毛利就隆が、1617年（元和3年）に3万石を分与されたことから立藩した。1625年（寛永2年）の藩内検地では、実質的な石高は4万石余りであったといわれている。しかし就隆は江戸に滞在することがほとんどで、実際に下松に入ったのは1638年（寛永15年）であった。なお、実際に幕府より藩として正式に認められたのは、1634年（寛永11年）3月のことであった。 藩政においては萩藩とほとんど変わるところはないが、家臣団の多くは関ヶ原の戦い後に浪人した者や本家の藩士における三男などの取立てにより編成されていた。 1650年（慶安3年）9月28日、下松は交通に適していないという理由から、就隆は藩庁を同国徳山に移した。徳山ははじめ野上と言われていたが、就隆が徳山と改称した。 第3代藩主・元次の代の1716年（享保元年）に領民の立木の伐採をめぐって宗家と対立し、幕府より本藩への非礼として改易された（万役山事件）。しかしその後、重臣の奈古屋里人らの奔走で、1719年（享保4年）に元次の子・元尭が3万石で再興した。 1836年（天保7年）、萩藩の斡旋により徳山藩主は城主格となり、それまで「御館」（徳山陣屋）と呼ばれていた藩庁が、「御城」「御殿」（徳山城）と呼ばれるようになった。 第9代藩主・元蕃は、版籍奉還により1869年（明治2年）に徳山藩知事となるが、1871年（明治4年）5月には、廃藩置県に先んじて藩知事を辞任し、その所領を本家の山口藩に返還した。廃藩の時点での実質石高は6万9000石余りだったという。 なお、第1次長州征伐の時に切腹した福原元僴や毛利敬親の養嗣子となった元徳は、第8代藩主・広鎮の子である。 歴代藩主の墓は周南市の大成寺
概要
下松藩
徳山藩徳山藩庁である徳山城跡地（現在は周南市文化会館や周南市徳山動物園になっている）
徳山藩主家の子孫は東京都目黒区に居住し、同地において、撮影スタジオ・モウリアートワークススタジオや旧領・徳山ではゴルフ場の経営などを手がけている。 外様 4万5千石→3万石→4万石 輝元 徳山藩家臣団は家老、出頭、中座、馬廻、馬廻格、徒格など、に別れていました。 家老家: 粟屋主水 （435石） 奈古屋雅楽 （500石） 福間五郎兵衛 （600石） 鳥羽縫殿 （400石） 粟屋靫負 (485石） 杉山三郎左衞門 （300石） 森孫次郎 （250石） 富山太助 （250石） 小幡禎 （300石）
歴代藩主および明治維新以降の当主
毛利家
就隆 毛利輝元の二男（兄秀就は長門萩（のち周防山口）立藩）
元賢 初代藩主就隆の五男
元次 初代藩主就隆の四男（庶子）
元尭 3代藩主元次の二男
広豊 3代藩主元次の三男
広寛 5代藩主広豊の二男
就馴 5代藩主広豊の十一男
広鎮 7代藩主就馴の二男
元蕃 8代藩主広鎮の七男（広鎮の十男は宗家を継いで、14代元徳となる）
元功 長府毛利家より養子となる
元秀
元靖
就擧
就慶 （幼名：庸）
系譜
〔宗家〕1就隆
元次2元賢
3元次
4元尭広豊
5広豊
広矩6広寛就馴
7就馴
福原房純安芸福原家へ8広鎮
福原元僴安芸福原家へ9元蕃秋元志朝山形藩・秋元家へ元徳宗家へ
10元功長府毛利家より
11元秀
12元靖
13就擧
徳山藩の家臣団
出頭家:
徳山藩の人物
江戸時代初期から後期
桂元綱（美作守）
桂隆正
桂賢恒
神村元種（豊後守）
神村隆親
神村隆忠
奈古屋元忠
奈古屋隆忠
奈古屋隆充（主人）
奈古屋宗豊（勘左衛門）
奈古屋隆芳（玄蕃）
奈古屋里人
奈古屋堯英（伊織）
奈古屋豊昌（主税）
奈古屋豊兼（頼母）
奈古屋蔵人
杉山次俊（奈古屋三郎左衛門）
粟屋元相（肥前）
粟屋隆方（内匠）
福間元道
福間次遥（外記）
鳥羽次長（図書）
佐伯継直
下瀬頼直
下瀬隆直
下瀬隆十
長沼玄珍
水津寿仙
朝倉等収
朝倉等月
朝倉等泉
朝倉南陵
朝倉震陵
棟居順平（棟居景保）
