微生物生態学
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微生物生態学(びせいぶつせいたいがく、英:Microbial Ecology)とは微生物間ならびに微生物とその環境の間の相互作用を扱う学問分野である。
目次

1 概要

2 微生物の天然資源管理(微生物を天然資源とした生産管理)

3 参考資料

4 関連項目

5 外部リンク

概要

以下の記述はR.M. Atlas and R. Bartha (1997)に拠る[1]。微生物生態学の対象は、分類学上の3つのドメイン古細菌真正細菌真核生物)とウイルスを含む。

微生物は、その生育環境の多様性から生物圏全体に影響を与え、地球表層領域のほぼ全ての環境に分布する。極限環境微生物と呼ばれるものは、熱水鉱床や水深11,000m以上の海底、南極の氷床や酸性湖などの厳しい環境でも存在が確認されている。

微生物、特に真正細菌は他の生物と共生し、その関係が生態系に影響を与えている。生物史学上で最も重要と考えられている共生の例は、細胞内共生説にみられる真核生物への共生微生物が葉緑体ミトコンドリアとなったという学説である。葉緑体の起源はシアノバクテリアの共生体だと考えられている。一説によれば、葉緑体を持つ真核生物の発生は大気中酸素が急激に増加した時期(古原生代)と一致し、その増加に貢献した。急激な大気中酸素の増加が「スノーボールアース」と呼ばれる地球全土を覆った氷河期を引き起こしたという説がある。

微生物は生態系において生産者分解者として観察されるが、太陽光が届かない環境の生産者として特に重用である。そのような環境下では、化学合成独立栄養性の微生物(栄養的分類を参照)が食物連鎖の開始の生産者として寄与している。分解者に分類される微生物は、他の生物に由来する生物遺体や排泄物を栄養塩などの物質に変換し循環させる事が出来る。特に動植物には不可能な窒素循環や硫黄循環の一環を担っている(詳しい説明は物質循環と代謝の多様性を参照)。

微生物群集間における遺伝子の水平伝播率の高さから、進化学の分野でも微生物生態学を考慮にいれた研究がなされている。
微生物の天然資源管理(微生物を天然資源とした生産管理

生物工学的手法と微生物生態学の知見を統合することによって、様々な環境問題・経済問題への取り組みがなされている。

地球温暖化防止に対して、メタン産生菌による過剰なメタン生成を止める試み

微生物間で起きる生電気化学を模倣する事によって開発された微生物燃料セル(英:microbial fuel cell)が新エネルギー分野の可能性を広げている

病気に対する治療への使用 

有害な化学物質の分解
例:[2]

重金属処理

農薬処理

有機系廃棄物処理

排水に含まれる油脂分解

この分野の発展には微生物群集の推移を理解することが必要である[3]
参考資料^ R.M. Atlas and R. Bartha (1997). Microbial Ecology: Fundamentals and Applications (4 ed.). Benjamin Cummings. p. 640.  ISBN 978-0805306552
^特許電子図書館
^ W. Verstraete (2007年5月). “Microbial ecology and environmental biotechnology”. ISME J. 1 (1): 4?8. doi: ⇒10.1038/ismej.2007.7

関連項目

微生物学 (微生物)

細菌学 (真正細菌)

真菌学 (真菌)

ウイルス学ウイルス

遺伝学 / 生化学 / 分子生物学 / 生物学

外部リンク

日本細菌学会

日本ウイルス学会

日本微生物生態学会

ISME(国際微生物生態学会)

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更新日時:2016年5月30日(月)09:41
取得日時:2018/10/04 21:33


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