御法度_(映画)
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御法度
Taboo
監督
大島渚
脚本大島渚
出演者ビートたけし
松田龍平
武田真治
浅野忠信
音楽坂本龍一
撮影栗田豊通
編集大島ともよ
制作会社松竹
製作会社松竹角川書店IMAGICABS朝日衛星劇場
配給松竹
公開 1999年12月18日
上映時間100分
製作国 日本
言語日本語
興行収入10億1000万円[1]
配給収入4億円[2]
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『御法度』(ごはっと、英題:Taboo)は、1999年に公開された日本映画大島渚監督。司馬遼太郎の短編小説集『新選組血風録』収録の「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」が原作。幕末京都を舞台に、新選組男色の視点で描いた時代劇である。大島渚の13年ぶりの監督作品であり遺作となった。

映画『戦場のメリークリスマス』以来となる監督・大島渚、主演・ビートたけし、音楽・坂本龍一のトリオ復活、松田優作の息子松田龍平の初出演などで話題となった。

第9回淀川長治賞受賞。第1回文化庁優秀映画賞受賞。
概要.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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カンヌ国際映画祭に出席した大島渚(右)と松田龍平(左)

新入隊士の美男剣士加納惣三郎松田龍平)が、同期入隊の田代彪蔵(浅野忠信)に衆道(男色)の世界へ引き込まれ、最初はこれを拒んでいた加納もやがて衆道にのめり込んで、淫乱な妖婦の如くになり、新選組の統制を乱したとして土方歳三ビートたけし)と沖田総司武田真治)によって粛清されるまでを描く。

松田龍平のデビュー作であり、神田うのは初の映画出演作である。神田はセリフこそないものの、モデル出身を生かし、見事な花魁歩きと高級花魁らしい余裕の表情でインパクトを残した。

架空のストーリーであるが、近藤勇元治元年(1864年5月20日の書簡に、隊内で男色が流行したと記されている。また衆道の話ではないが、島原通いで粛清された加納惣三郎という実在の確認できない隊士の逸話が残っており、司馬遼太郎はこれらの話に着想を得ている。

この作品では、六番組組長井上源三郎が中心となる「三条蹟乱刃」もストーリーに組み込まれ、原作の国枝大二郎の役回りを加納惣三郎が代わりに務めている。

考証面では、新選組物では定番になっている浅葱色のダンダラ模様の隊服を用いず、ワダ・エミがデザイン。この黒の隊服の設定は映画版 『壬生義士伝』(2003年)でも用いられた(実際、新撰組は浅葱色の隊服ではなく、黒の隊服を使用していた)。また太夫の衣装も元来太夫でさらに花魁となると細かいデザインで明るい着物を着用するが(夜であるため、灯りが少ないことと、細かいデザインほど高価な着物となるため)、黒を基調としており、統一感のある美を演出している。奇抜な同性愛映画と看做されることもあるが、この作品は司馬の原作を生かしながら、映画としての独創も盛り込み手堅い時代劇になっている。この作品がデビュー作となった松田龍平は、高く評価されてこの年の新人賞を総なめにし、以後、映画やテレビドラマで活躍している。

大島渚は1995年にこの映画の制作を計画したが、脳溢血で倒れたため延期となり、大島の健康の回復を待って1999年にようやく完成させた。第42回ブルーリボン賞、第42回毎日芸術賞を受賞した。第53回カンヌ国際映画祭に出品したが、時代背景などがヨーロッパ人にはわかりにくく[3]、受賞は逃している。この後、大島の健康状態が再び悪化し、新作のメガホンを執ることなく2013年1月15日に亡くなったため、本作が彼の遺作となった。
ストーリー

1865年京都。新選組は新たに隊士を募集した。多くの志願者が集まる中、一際異彩を放つ美少年がいた。加納惣三郎と名乗るその青年は、新選組きっての剣豪・沖田総司をも手こずらせる程の剣の腕の持ち主だった。そして、もう一人、加納と双璧をなす程の剣の腕の持ち主・田代彪蔵の二人が、その剣の腕を認められる。伊藤は近藤と土方に「剣術だけで測るのは気にくわない」という発言をするが、土方は「新撰組は歯向かうものを斬るための集団」とねじ伏せ入隊させた。しかし、この二人の入隊によって新選組内部の空気は少しずつ変わっていくことになる。田代は衆道(男色)の気を持つ男であり、惣三郎を衆道に引きずり込もうとしていた。隊士の中にも、美男である惣三郎に言い寄る者が現れるなど、隊内の秩序を重んじる土方を悩ませる噂が流れた。土方が近藤にその事を話すが、近藤はあまり気に留めるどころか惣三郎を可愛がるような発言をした。

腑に落ちない土方が、河原で子供に小魚をとらせて遊んでいる沖田に、隊士の男衆騒動についてどう思うか尋ねると、沖田は「そういう風潮は嫌いだ。」とキッパリと答える。土方は「血気盛んな男たちが集まって何日も国について空想を語るうちに、それが現実と区別出来なくなりおかしくなる。」と愚痴をこぼした。すると沖田は「狂人、狂人を知るというわけですか・・・土方さんは狂人の親玉だ。」と自業自得さを無邪気に笑い、土方は困惑する。ある日、近藤が広島に呼ばれ、今後について話し合いをするという。周囲に流されのらりくらりとする近藤に土方は「あんたはどう思っているんだ?」とつい怒鳴ってしまう。結局答えが聞けぬまま、土方が沖田と留守を預かる。ある秋晴れの日、寺の前で居眠りをしている老人に惣三郎が注意すると、老人は飄々としている。刀を持つ老人に「流派は何か?」と聞くと老人は宗旨と勘違いするが、惣三郎が正すと「若先生やトシさんと同じだよ。」と穏やかに答えた。驚いた惣三郎は無礼を侘び、その場から立ち去る。すぐに仲間と談笑している沖田にその老人の正体を尋ねると、沖田は「井上さんだよ。近藤さんや土方さんと同じくらい偉い人だよ。まだ40歳前後で老人ではないよ。でも腕は近藤さんや土方さんよりかなり下だよ。」と答えた。

しばらくすると、惣三郎を気に入り「お宗旨さん」と名付けた井上は自ら惣三郎に稽古をつけてやると話す。井上と惣三郎が稽古中、明らかに惣三郎は井上より腕が良かった。しかし目上なため、稽古を続けた。すると肥後訛りの男二人が覗きこみ、その様子を鼻で笑い、新撰組に喧嘩を売り、逃亡する。当然騒ぎとなり、山崎から土方にその旨が伝えられた。下の者が注意出来ないため、その日の晩、井戸で自らの衣服を手洗いしている井上に、土方は井上に罰として肥後訛りの男二人を始末するよう命じる。土方は「(腕もないのに)何故加納に稽古をつけたんですか?」と尋ねると、井上は「お宗旨がね…」と気まずそうに答えると、沖田が現れ、自分が加納に井上に稽古をつけてもらうように言ったと井上を庇う嘘をついた。数日間におよび、井上と惣三郎は肥後訛りの男を捜し出し、居場所を突き止める。井上は惣三郎を連れて夜中に男たちの隠れ家に行くが、肥後訛りの男たちの方が強く、井上は足を折り、惣三郎は額を負傷する。

幸い、井上と同部屋で乗り込みに行く話を寝たフリをしながら聞いていた沖田が「腕の悪い井上と、新造の加納ではダメだ」と2人が去った後に着替え、土方を起こし「あなたが悪いのですよ、あんな言い方をすれば井上先生は躍起になる。死ぬつもりです。」と土方を注意し、土方の承諾を得た沖田が新撰組を引き連れ、肥後訛りの男たちを斬り殺す。その騒動後、12月22日に近藤が帰宅。帰りの酒宴中に、井上が近藤に謝罪に来る。その際の近藤の発言を土方だけが怪しく感じた。そんな中、惣三郎に密かに想いを寄せ「お前と一晩共にし、明けの鳥の声が聞ければ満足だ。」と惣三郎と密会していた隊士・湯沢藤次郎が何者かによって斬殺される。斬殺される数時間前まで怪我したままの惣三郎と枕を交わしており、湯沢は惣三郎に「田代と別れろ」と言うが惣三郎は「別れられない」と首を縦に振らない。頭にきた湯沢は惣三郎の首を絞め、殺そうとするが、結局惚れた弱みで殺す事が出来なかった。湯沢の死を土方は湯沢の恋敵であった人間が斬ったのではないかと疑い始める。その事を近藤に話すと「加納を始末しろ。」と言われる。土方は「御法度ではないし、若い隊士にそれは酷だ。」と反論すると、近藤は「誰も殺せとは言っていない。遊郭で女を覚えさせろ。大体何故加納はいつまでも前髪なのだ。」と怒る。

そこで土方は、山崎を呼び出し、加納を遊郭に連れて行くよう指示する。いくら近藤や土方の頼みとは言え、当然資金は隊からは出ない、幸い加納は金持ちの息子で自腹が切れる。しかし山崎は実費となるが土方が自ら金を渡し、女好きである山崎は笑顔で承諾した。翌日さっそく山崎が加納を「島原へ行かないか?」と誘うが、断られてしまう。山崎は土方に金を返し、断られた事を伝えるが「相手はまだ子供だ。それに色んな男に言い寄られた上に山崎にまで言い寄られたら嫌だろう。」と無理に続けさせた。1ヶ月もすると、加納から「山崎さんと島原に行きたい」と笑顔で伝えてきた。男衆の気が全くない山崎ですらその笑顔に思わず揺らぐが「いかんいかん」と仕事を全うする。


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