後鰓類
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後鰓類 Opisthobranchia
Syphonota geografica
分類
界:動物界 Animalia
門:軟体動物門 Mollusca
綱:腹足綱 Gastropoda
亜綱:直腹足亜綱 Orthogastropoda
下綱:Apogastropoda
上目:異鰓上目 Heterobranchia
階級なし:後鰓類 Opisthobranchia
学名
Opisthobranchia Spengel, 1881
英名
sea slug
目
Architectibranchia
頭楯目 Cephalaspidea
有殻翼足目 Thecosomata
裸殻翼足目 Gymnosomata
無楯目 Anaspidea
スナウミウシ目 Acochlidiacea
嚢舌目 Sacoglossa
ニセイワヅタブドウガイ目 Cylindrobullida
傘殻目 Umbraculida
側鰓目 Pleurobranchomorpha
裸鰓目 Nudibranchia
後鰓類(こうさいるい Opisthobranchia)は、軟体動物門腹足綱直腹足亜綱異鰓上目に属するグループである。
かつては後鰓亜綱とすることが多く、また、異鰓上目が置かれた後は後鰓目とすることもあった。しかし近年は、階級を与えないことが多い。名称はラテン語の opistho (後ろの) branchia (鰓)に由来する。貝殻がないか目立たない種の多くはウミウシと総称されるが、明確な貝殻を持つものなどウミウシに含まれないものも多い。
特徴体は柔らかく、貝殻は小さいか消失している種が多い。殻の蓋はなく、蓋をもたないことは、旧分類における有肺亜綱(カタツムリ類)との共通した特徴である。貝殻を失った種では、通常の巻き貝の神経系が180°捻れているのに対し、この捻れが解消し、太古の祖先と同じ左右対称となっているが、生殖器の位置が右側に偏るなど、捻れが完全に解消されているわけではない。頭部と外套幕の間には明確な分かれ目がなく、触手は口の横に位置しており口触手とよばれる。触手の後ろには複雑な形をした嗅覚器官である触角(rhinophore)がある。足の中央付近が移動のためのいわゆる足の裏である。一部の種では、足の横側が疣足に進化していて、翼の形をして外に飛び出しているものもある。有殻翼足類
と裸殻翼足類は、疣足で泳ぐことができる。餌に含まれる毒を体内に蓄積し、派手な体色や模様を持つ種も多く、その体色や模様は警告色であると考えられているが、サンゴやヤギなどカラフルな生物が多数生息する熱帯の海底においては、派手な体色は保護色として機能しているとも言われる。
食性は、アメフラシが海藻食であるために海藻を食べる草食性の種が多いと思われがちであるが、肉食性のものが圧倒的に多い。海藻を食べる後鰓類は、無楯類、嚢舌類のほぼ全てと頭楯類の一部(ブドウガイなど)に限られ、他に有殻翼足類が植物プランクトンを餌としている程度である。上記のように、有毒な付着生物を餌とし、その毒を体内に蓄積する種が多い。
分類腹足綱の分類および系統発生の理解は、20世紀の終わりから21世紀の初めにかけての数年の間に急速に発展している。旧分類(J.Thiele 1929-1935)において腹足綱を構成する前鰓亜綱(Prosobranchia
)、後鰓亜綱(Opisthobranchia)、有肺亜綱(Pulmonata)の3(ないし4)個の下位分類は、もはや受け入れられていない。新分類では、後鰓類、有肺類、異旋類(前鰓類の一部)を直腹足亜綱異鰓上目にまとめる。
過渡的な分類では、後鰓類、有肺類を目とし、それに伴い従来の目は繰り下げて亜目とする分類もあった。
しかし、未だ見解の一致には至らないものの、後鰓類と有肺類は、異鰓類の系統の中で複雑に入り組んでおり、共に多系統と推測されている。そのため近年は、これらを分類群としては採用せず、直腹足亜綱の下に、かつて後鰓亜綱の下にあった目を並べることが多い。
古い文献だけでなく新しい文献やウェブサイトでも旧分類での説明がなされている場合がある。その場合、「後鰓類」という言葉は後鰓亜綱を意味するのではなく、記述的な「心臓の後ろに鰓がある腹足綱の動物」を意味する。しかし、一部の頭楯亜目では、心臓の前に鰓があったり、また微小な種では鰓を全く欠き、呼吸全般を皮膚呼吸のみで賄っているものもあり、一概に鰓の位置だけを分類の根拠とすることはできない。
旧分類の例後鰓類を目とする場合、これらの目は亜目となる。
頭楯目
Cephalaspidea
有殻翼足目 Thecosomata
裸殻翼足目 Gymnosomata
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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