後方照応
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後方照応(こうほうしょうおう、cataphora)とは、言語学で、談話(discourse)において、後ろにある表現で同じ対象を指す(同一指向 Coreference)表現のこと。つまり、後に述べられる表現が、その前にある表現を言及するか表現する。
概要

Finding the right gadget was a real hassle. I finally settled with a digital camera.(ぴったりの道具を見付けることは本当に煩わしい。結局、私はデジタルカメラに決めた)

この談話の中で、前にある「ぴったりの道具」が指している対象は「デジタルカメラ」で、これは同一のものである。

後方照応は内部(文脈)照応(Endophora)の一種で、前方照応と逆のものである。

後方照応は修辞的効果のために使われることが多い。サスペンスを構築し、説明を与えることができる。

He's the biggest slob I know. He's really stupid. He's so cruel. He's my boyfriend, Steve.(彼って私が知っている中で一番のとんま。彼って本当にばか。彼ってとても残酷。彼って私のボーイフレンド、スティーヴ)

後方照応は文中の従属節の中に使われることもある。

If you want some, here's some parmesan cheese.(もしあなたが何か欲しいなら、ここにパルザメンチーズがいくらかある)

After he had received his orders, the soldier left the barracks.(彼は彼の命令を受けた後、その兵士は兵舎を出た)

後方照応は名前に先立って説明するのにも使われる。

If you want them, there are cookies in the kitchen.(もし君がそれらを欲しいなら、キッチンにクッキーがある)

関連項目

内部(文脈)照応(Endophora


(前方)照応

外部照応(Exophora)


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