影同心
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影同心
ジャンル
時代劇
脚本佐々木守
池上金男
佐藤純彌
石森史郎 ほか
監督松尾正武
工藤栄一
深作欣二
倉田準二 ほか
出演者山口崇
渡瀬恒彦
金子信雄 ほか
(以上『影同心』)
浜木綿子
水谷豊
山城新伍
黒沢年男 ほか
(以上『影同心II』)
製作
プロデューサー青木民男(毎日放送)
小野耕人・杉本直幸・斎藤頼照(IIのみ)(東映)
制作毎日放送東映

放送
放送国・地域 日本

影同心
オープニング作曲:渡辺岳夫
エンディング朝月愛「風の女」
放送期間1975年4月5日 - 10月11日
放送時間土曜 22:00 - 22:55
放送分55分
回数28

影同心II
オープニング作曲:渡辺岳夫
エンディング黒沢年男「いつかおまえに」
放送期間1975年10月18日 - 1976年3月27日
放送時間土曜 22:00 - 22:55
放送分55分
回数24
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『影同心』(かげどうしん)、『影同心II』は、毎日放送東映東映京都撮影所)が制作、TBS系列で放映された時代劇1975年4月5日 - 1976年3月27日の1年間、土曜夜22時からの1時間枠で放送された。
概要

本作が放映される直前、朝日放送(ABC)と毎日放送(MBS)のネットチェンジ(腸捻転の解消)が行われた。解消前は関西ではABC、関東ではTBSが『必殺シリーズ』を放送。必殺シリーズは関西では視聴率 30%前後を誇る時代劇で、ネットチェンジによって人気番組が失われることを憂慮したTBSが新たに準キー局となるMBSに対して、必殺シリーズと同系統の時代劇を依頼。MBSは東映に企画を発注して、本作が制作された。

『影同心』は放映開始直後から視聴率 20%を超え、順調なスタートを切り、全28話を制作・放映した。一方で、必殺シリーズ(当時は第5作『必殺必中仕事屋稼業』)は好調時の半分程度の視聴率 13%まで視聴率を下降している[1][2]。MBSは『影同心』の放映終了後、このヒットを受けて設定を一新した続編『影同心II』を制作して、全24話を放映した。

『影同心II』の視聴率は低迷して、シリーズは2作で終了となった。必殺シリーズは第6作目に藤田まこと演じる中村主水を起用した『必殺仕置屋稼業』を制作。視聴率を好転させて、長期人気シリーズとなった[2][3](視聴率は関西地区のもの)。

東映は『必殺仕掛人』の際に朝日放送から声を掛けられ、松竹とコンペを行った結果、松竹が製作を担当したという経緯がある。『?仕掛人』コンペ時、東映側は結束信二を脚本家として挙げており[4]、本作では2本 執筆している。一方で、池上金男は『?仕掛人』に参加していたが同作の第5話 「女の恨みはらします」を本作の第4話「欲にからんで殺し節」に流用している。
山内久司(朝日放送)からの批判

必殺シリーズの山内久司プロデューサーは1997年12月に出版された洋泉社『必殺シリーズを創った男 - カルト時代劇の仕掛人、大いに語る』で以下の様に述べている。

「TBSは徹底的に必殺を真似せいと言うたらしいね。毎日放送の青木氏に」[5]

「青木が『いややった』と言うてましたわ」[5]

「あれも全部あかんよ。東映の話はやくざっぽいから(笑)」「私情や個人的怒りに任せて、人を殺したらいかん。職業として捕らえたら、一つの展開がある」[6]

はまぐりで金玉を潰す殺し技(金子信雄演ずる柳田茂左衛門の技)については「『必殺』では一切やっていない」「勘違いしている」「単なる正義感で殺すなら、ハマグリで殺すのはおかしい」と述べており、「金を取らないからダメ」と語った[7]

当時の報道(『週刊TVガイド』1975年3月14日発売号)では、TBSは「必殺」の2文字をタイトルに入れようとしたが朝日放送側の牽制により断念したとの事。同誌によると『影同心』は仮題でタイトル候補は10個 近くあり、『影同心 殺し節』『本命暗殺剣』があった[8]
影同心(初作)

放映期間:1975年4月5日 - 10月11日 全28回
あらすじ

天保年間。南町奉行 鳥居甲斐守配下の同心 小石川養生所 見回り役の更科右近、高積 見回り役の高木勘平、例繰方の柳田茂左衛門は南町奉行所で役立たずの厄介者と烙印を押される鼻摘み役人。三人の裏の顔は奉行が法で裁けぬと判断した悪人たちを成敗する “影の刺客” だった[9]
登場人物・キャスト
更科右近(
山口崇
南町奉行所の小石川養生所 見回り役同心。女物の櫛で悪人の首筋を切り裂く。第1話は歯が長く、柄の部分が着脱式の鉄櫛で悪人の首筋を刺した。大刀や脇差を使用したり(第8、13、25 - 28話)、お袖の遺髪での絞殺(第14話)、菊の残した簪(第15話)、手拭い(第19話)を武器として使っていた。
高木勘平(渡瀬恒彦
南町奉行所の高積 見回り役同心。無精髭を生やしているが髭面を上司の小田頼母に咎められ、お佐知の元で無精髭を剃った(第27話)。役目柄、六尺棒を普段から持ち歩く。日常から帯びている鎖付きの大刀[10]で悪人を斬り倒す。包丁(第5、19話)や鳶口(第11話)、敵の銃(第25話)を武器として使っていた。
柳田茂左衛門(金子信雄
南町奉行所の例繰方同心。定年間近の昼行灯だが、影同心のリーダー格である。日頃の昼行灯振りは人一倍で役人然としていない。蛤の貝殻で悪人の睾丸を握り潰して、ショック死させる[11]。素手で潰す事(第2話)があった他、女性に対しては空振りしていた(第24話)。
お佐知(范文雀
髪結い。柳田茂左衛門の愛人。三人の同心をサポートする。
おとら(菅井きん
長屋に住む、ドケチな金貸し。三人に情報を提供する事がある。
小田頼母(勝部演之
南町奉行所の与力。茂左衛門、右近、勘平の上司で三人を疎んじている。三人が影同心であることは無論 知る由もない。
源太(林大興
勘平の弟分で街の情報屋。二丁ヌンチャクが武器。三人をサポートする。
横綱町の文造(園田裕久
目明かし。
同心(古川ロック浜田雄史
南町奉行所の同心。
柳田周江(丹阿弥谷津子
茂左衛門の妻。「あなたの下に嫁(か)して三十年。私に取っては後悔ばかりの毎日でございました」と茂左衛門へ愚痴をこぼすのが定番だった。丹阿弥と金子は実生活でも夫婦。
鳥居甲斐守(田村高廣
南町奉行。茂左衛門、右近、勘平に「影同心」設立を命じた張本人で自らが元締となる。
ナレーター(芥川隆行

主題歌

「風の女」

作詞:
林春生 作曲:鈴木淳 編曲:小谷充 唄:朝月愛

発売:日本コロムビア


放映リスト(サブタイトルリスト)

サブタイトルのフォーマットは「殺し節」。

放映年月日  
話数 サブタイトル            脚本     監督     ゲスト
1975年

4月5日1夜霧の殺し節飛鳥ひろし松尾正武二階堂玄蕃:成田三樹夫
木曽屋七兵衛:内田朝雄
おあき:紅景子
八助:岩田直二
人足頭:浜伸二
おろく:志乃原良子
おつた:那智映美
棟梁A:蓑和田良太
八百梅の主人:重久剛
行商人A:井上茂
侍:山田良樹
棟梁B:川辺俊行
棟梁C:藤山良
門番:内藤康夫


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