形容詞(けいようし、英語:adjective, ドイツ語:Beiwort, Eigenschaftswort, Adjektiv)とは、名詞や動詞と並ぶ主要な品詞の一つで、大小・長短・高低・新旧・好嫌・善悪・色などの動作以外で、物の状態や様子を表し、述語になったりコピュラの補語となったりして人や物に何らかの属性を表す単語でもあり、または、名詞を修飾して名詞句の指示対象を限定する用法、もしくは、述語の中心となる用法で使われる単語のことでもある。 形容詞の多寡と文法は言語ごとに異なり、いくつかのタイプに分けられる。 まず、形容詞に属する語の数については、多い言語と少ない言語がある。多い言語には少なくとも数百の形容詞が存在し、派生や借用によって新たな形容詞が生まれることもある。少ない言語では数語から数十語しか形容詞がなく、新たな形容詞が生まれることはない。たとえばイマス語
概要
形容詞の文法的振る舞いには四つのタイプが認められる。
形容詞と動詞が文法的に似ている。このような言語には中国語(官話)、タイ語、ベトナム語、朝鮮語などがあり、形容詞は動詞と同じように単独で述語となる。
形容詞と名詞が文法的に似ている。このタイプの言語にはラテン語、スペイン語、フィンランド語、ハンガリー語、イボ語、ケチュア語、ジルバル語(英語版)などがあり、形容詞は単独で述語になれず、名詞句の中にしか現れない。形容詞だけで名詞句を構成することができる。
ベルベル語、タリアナ語、タケルマ語(英語版)などで、形容詞は動詞にも名詞にも似ている。たとえば形容詞は単独で名詞句にも述語にもなる。
形容詞は動詞にも名詞にも似ておらず、単独では名詞句にも述語にもなれない。このような言語には英語、トゥニカ語(英語版)、マム語などがある。
一つ目と二つ目のタイプの言語が多く、三つ目と四つ目のタイプは少ない。一つ目と二つ目のタイプの言語では、形容詞は名詞または動詞の一部に含められることが多い。
日本語では形式・起源から、一般の形容詞に当たるものが形容詞と形容動詞に分けられる[注 1] が、意味的には特別な違いはない。日本国内の中学校教育過程で習う国文法の定義では、形容詞、形容動詞として品詞分類されているが、JSL(第二言語としての日本語)教育で用いられる日本語教育文法では、連体形語尾に基づいて、それぞれ「イ形容詞」「ナ形容詞」と分類されている。
用法としては一般に、名詞を直接形容する限定用法と、述語(の一部)として表現する叙述(補語)用法がある。また一部の言語では、動詞を修飾する副詞的用法もある(日本語形容詞の連用形、ドイツ語など)。 おもに物事の性質や状態を表し、言い切りの形(終止形)が「〜い」となる言葉(文語では「〜し」)。自立語。活用する。用言のひとつ。 存在しないことを表す「ない」も形容詞であるが、これとは別に、単に打ち消しの意味を添えるための自立語として補助形容詞がある。また、動詞を打ち消す助動詞 (国文法)の「ない」もある。以下は補助形容詞と、混同されやすい類例。 両者を異なる品詞とする根拠としては、後者は同じ打ち消しの「ぬ」に置き換えられるのに対し、前者は置き換えられないことがある。 活用表は文法学説
日本語の形容詞
「この料理はおいしくない」では、自立語「ない」が打ち消しを表す補助形容詞。[注 2]
「私はこの料理を食べない」では、「ない」は付属語であるから、接尾辞あるいは助動詞。
現代日本語の形容詞の活用