強迫的ホーディング
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強迫的ホーディング

アパートでの強迫的ホーディング
概要
診療科精神科
分類および外部参照情報
MeSHD060845
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強迫的ホーディング(きょうはくてきホーディング、compulsive hoarding)とは、居住空間において大量の物品を度を越して収集(蒐集)することを止められず、それにより著しい苦痛・不全を起こしているという行動パターンである[1]DSM-5ではホーディング障害(ホーディングしょうがい、hoarding disorder)[2][3]として定義され、日本語では「ためこみ症」と訳される[3]
症状「ごみ屋敷」および「セルフネグレクト」も参照

強迫的ホーディングは、健康リスク、機能不全、経済的問題、友人家族とのトラブルなどに関連づけられている[4][5]

悪化したホーディングにより臨床的に著しい機能不全を起こしている場合、調理、清掃、屋内移動、睡眠などの活動を制限するほど、空間が通常使用できないほどのものになりえる。そのため自身や他者にとって、火災、崩壊、不衛生(ネズミや害虫などの発生)、感染症、その他の健康問題や衛生安全上の災害を起こすリスクになりえる[6][7]

有病率は成人で2-5%ほどと推定される[8]。児童・青年の発達期に、他人を世話し、散らかり具合をコントロールしてくれるであろう家族が、死去または失踪した場合、症状は悪化するというのが典型的とされる[9]

強迫的ホーディング者は、収集物へのこだわりや感情移入により物を捨てることができずにいる。

有名な症例として、アメリカコリヤー兄弟の事例がある。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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ホーディング者の部屋

未開封のまま放置されている商品類

診断

強迫的ホーディングの研究は近年始まったばかりであり[10]精神疾患としてDSMにて定義されたのは2013年の第5版からである[11]

「強迫的」であるかどうかは、他の疾患ら(例えば強迫性障害)とはっきりと区別されていないが、現在のDSMでは強迫的ホーディングを精神疾患強迫性障害症状の両者でリストしている[12][13]
診断基準

DSM-5においてホーディング障害(hoarding disorder)として定義される診断基準は以下のとおりである[3][14]

A. 実際の価値とは関係なく、所有物を捨てること、または手放すことが持続的に困難である[3]

B. 品物を捨てることについての困難さは、品物を保存したいと思われる欲求やそれらを捨てることに関連した苦痛によるものである[3]

C. 所有物を捨てることの困難さによって、活動できる生活空間が物で一杯になり、取り散らかり、実質的に本来意図された部屋の使用が危険にさらされることになる。もし生活空間が取り散らかっていなければ、それはただ単に第三者による介入があったためである(例:家族や清掃業者、公的機関)[3]

D. ためこみは、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な分野における機能の障害(自己や他者にとって安全な環境を維持するということも含めて)を引き起こしている[3]

E. ためこみは他の医学的疾患に起因するものではない(例:脳の損傷、脳血管疾患プラダーウィリー症候群[3]

F. ためこみは、他の精神疾患の症状によってうまく説明できない(例:強迫症強迫観念うつ病によるエネルギーの低下、統合失調症スペクトラム障害(統合失調症や他の精神病性疾患)による妄想認知症における認知機能障害、自閉スペクトラム症における限定的興味)[3]

DSM-5における診断基準を大きくまとめると
捨てられない

過剰に拾ってくる

散らかす

ためこむことによる心理的苦痛や機能障害

の4つがあり、かつ他の精神疾患(統合失調症スペクトラム障害、発達障害、知的障害、認知症、うつ病、脳損傷など)では説明できない場合に診断される[3]

研究からは、重症度と相関が最も高いのは過剰収集であるが、似た状況を呈する買い物依存症とは相関がないとされる[3]。またギャンブル依存症スケールとも相関がなく[3]、病的嗜癖依存症)とは異なる病態とされている[3]。他方で不注意・過活動傾向が高く、ためこみ症患者の20%がADHDの診断基準を満たすという研究結果もあり[3]前頭葉の機能障害による認知機能の問題に起因する可能性が高いと考えられている[3]。女性のADHDについて書かれた書籍として『片づけられない女たち』が知られる。
関連疾患「強迫性障害」も参照

ホーディング(ためこみ行為)自体は、抑うつうつ病)、不安不安障害)などの精神疾患や、発達障害ADHDASD)でも一般的である[15][16]


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