強歩大会
[Wikipedia|▼Menu]

強歩大会(きょうほたいかい、強行遠足(きょうこうえんそく)とも言う)は、一部の学校で行われている長距離歩行のことである。

開催される学年は一部の中学校から高等学校の間ではあるが、学習指導要領に当該行事の記載が無いため行事が無い学校もある。学校行事と同じ課外活動として扱われているため行事参加の出欠は在校生徒の任意・自由意志による。正式に陸上競技の種目として認められている競歩とは異なり、最後まで走破(踏破)を重視する意味合いから、強歩という名前がついている。
概要

中学校ではたいてい十数km程度であるが、高等学校になると20kmを超える場合が多い。場所によってはフルマラソン(42.195km)より長い距離を踏破する学校もある。距離ごとに各チェックポイントがあり、疲労回復のために軽食が用意されており、また怪我をしたり急病人のために応急処置がとれる施設も設置されている。

小学校から一部の中学校では持久走大会として開催されている。違いとして持久走大会は数kmと短いため時間制限などが設けられていないが、強歩大会は距離が長く交通整理の問題から各チェックポイントごとに時間制限があり、それを超過するとそのチェックポイントより先へ進めず棄権扱いとなる。また、持久走大会は順位による表彰があるなど競争原理が強いが、強歩大会はゴールすること自体を目的としているため、表彰など競争原理を煽ることは原則として行なわれない。但し、管理教育が旺盛だった頃は順位による表彰があるなど持久走大会との線引きが曖昧だったり、強歩大会への強制参加(現在も強制参加に近いが、当時は体調不良でも不参加を認められない)、さらには体育会系の部活動に所属した場合は目標順位を設定され、それを超過すると罰則を受けるなど競争原理を煽る行為が横行していた。
各都道府県のおもな強歩大会
北海道

札幌市内では北海道尚志学園高校をはじめ[1]、多数の高校が「強行遠足」と称して札幌市真駒内から支笏湖までのおよそ25kmから30kmをおよそ5時間かけて歩く。札幌市内の高校ではこうした行事を出席日数に通算し、1日分の単位を認めるなど事実上強制参加の形を取っている。

苫小牧市にある苫小牧東高等学校では、札幌の高校とは逆に支笏湖から自校までの約20kmを歩く強歩大会が毎年9月に実施される。ほとんどの生徒は歩いて行程を終えるが、運動系の部員は、部内で時間制限などを独自に設けてこの行程を走り通すなど、参加方法は様々である。この強歩大会は事実上の強制参加で、出席日数には通算されるが、体調の良くない生徒やケガを負っている生徒は補助員として参加することも出来る。

北見市にある北海道北見北斗高校では1932年昭和7年)からの伝統行事として強行遠足を行っており[2]2009年平成21年)現在は男子が71km、女子が41kmのコースを踏破する[3]。また同市の北海道北見緑陵においてもカントリーマラソンと称して男子が42.195km、女子が33.5kmを強歩遠足が行われている。

網走市にある北海道網走南ケ丘高校では網走湖一周マラソン(強歩遠足:男子38.9km、女子29.9km)が行われている。

弟子屈町にある北海道弟子屈高等学校では強歩遠足として朝、川湯温泉駅前からスタートし弟子屈高等学校までの35kmコースと、深夜、弟子屈高等学校から摩周湖を経由して川湯温泉駅前に行き、そこから弟子屈高等学校へ行く70kmコースがある(ちなみに、3年間70kmコースを完歩(210km)すると卒業式に表彰される)。
宮城県

県立仙台第一高校では1965年(昭和40年)より学校から秋保温泉までのコース[4]で行われている。この大会は、秋の風物詩として毎年10月頃に開催されている。距離の違う2種類のコース(42.2kmと33.3km)があり、ローテーションされている。
秋田県

秋田県立能代高等学校では、強い体と精神力を養うことを目的に「十里強歩」として1938年(昭和13年)から行われている。戦中戦後の食糧難や交通事情の悪化で中断・中止、コースの変更はあったものの、現在まで伝統行事として受け継がれている。[5]男子は午前0時に学校から出発し、女子は午前1時30分にゴール前の約20km地点から出発する。現在のルートは、北回りコース(男子36.6km,女子19.7km)(鶴形富根常盤→朴瀬→向能代→JR能代駅前→河戸川→学校)、南回りコース(男子37.7km,女子20.2km)(桧山→金光寺→森岳鵜川→羽立→外岡→相染森→学校)がそれぞれ隔年で採用されている。(南回りコースは第73回をもって封鎖された。)2019年の第74回の後、コロナ禍の影響で2021年度まで中止していたが、2022年度は第75回が開催されたが途中で雨天中止となってしまった。

なお、かつては秋田県立大館鳳鳴高等学校でもおこなわれていたが、2010年代中盤に行われなくなった。
福島県

福島県立会津高等学校は学校から飯盛山方面を通り猪苗代湖畔・中田浜の学而会館、そこから更に学校まで戻る総延長約37キロの道のりを半日かけて歩く中田浜強歩大会が行われている。

福島県立相馬高等学校は4月に若駒強歩大会と称し学校から国道115号線を福島方面に行き相馬市山上より南に山へ入り塩手山を越え南相馬市鹿島区栃窪の県道268号線に合流県道34号線を経て学校へ戻る約30km程の強歩大会が行われている。
茨城県

茨城県では、2007年(平成19年)現在で17校の県立学校で行われているが[6]、学校によっては「歩く会」という名称であるものの、比較的短距離かつ、清掃活動を行いながら歩行をする等、歩行以外のものを目的にしているところもある。

県立水戸第一高校では「歩く会」が行なわれている[7]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:49 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef