弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 作品125-1, D 87 は、フランツ・シューベルトが1813年に作曲した弦楽四重奏曲。 本作がどのような経緯で作曲されたのかは不明であるが、シューベルト研究で著名な音楽学者オットー・エーリヒ・ドイッチュは、当時16歳だったシューベルトが自身の家族と一緒に演奏するために作曲し、実際に演奏されたものと考えている[1](そのため、海外では本作を「家族」や「家庭」を意味する Haushaltung という愛称で表記される場合もある[2])。 また「第10番」という通し番号は、ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された旧シューベルト全集
概要
さらに、本作のドイッチュ番号は『第7番 ニ長調』(D 94)よりも若い「D 87」という番号が与えられているが、こちらも近年の研究では第7番は本作よりも前の『第1番 ト短調/変ロ長調』(D 18)と『第2番 ハ長調』(D 32)の間の1811年(もしくは1812年)に作曲されたものと考えられているため、ズレが生じている。 全4楽章、演奏時間は約26分。全ての楽章が同じ調で書かれているホモトナル
曲の構成
第1楽章 アレグロ・モデラート変ホ長調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ)、ソナタ形式。付点リズムと3連音の使用がみられる。
第2楽章 スケルツォ:プレスティッシモ - トリオ変ホ長調 - ハ短調、4分の3拍子、複合三部形式。「スケルツォ」と表記されているものの、実際はテンポの速いメヌエットともいえる楽章である。
第3楽章 アダージョ変ホ長調、8分の6拍子、三部形式。
第4楽章 アレグロ変ホ長調、4分の2拍子、ソナタ形式。
脚注^ Deutsch, Otto Erich, with Donald R. Wakeling. The Schubert Thematic Catalogue. Mineola, New York: Dover Publications, 1995. (Corrected reprint of 1951 edition published by W.W. Norton.)
^ Earsense. String Quartet No. 10 in E-flat major, Op. 125, No. 1, D. 87, "Household" (Haushaltung). Retrieved January 24, 2019.
外部リンク
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 作品125-1, D 87の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
表
話
編
歴
シューベルトの弦楽四重奏曲
第1番 ト短調/変ロ長調 D 18
第2番 ハ長調 D 32
第3番 変ロ長調 D 36
第4番 ハ長調 D 46
第5番 変ロ長調 D 68
第6番 ニ長調 D 74
第7番 ニ長調 D 94
第8番 変ロ長調 D 112
第9番 ト短調 D 173
第10番 変ホ長調 D 87
第11番 ホ長調 D 353