弦楽のための交響曲、もしくは弦楽のためのシンフォニア(原題:"Sinfonia")は、フェリックス・メンデルスゾーンが12歳から14歳にかけて作曲した、交響曲の習作とされる作品群の総称。全13曲存在し、これらはメンデルスゾーン家で毎週開催されていた日曜音楽会において演奏するために作曲された[要出典]。バッハの影響を受けながら、多彩な旋律、高度な対位法と和声を用いた初期の優れた作品群である。
5つの番号付き交響曲中最初の『交響曲第1番 ハ短調』(作品11)の自筆譜に「交響曲第13番」と表記されている事を考慮すると、この作品群の重要性が明確さを理解できる。実際、近年になって複数のレーベルから全集がリリースされている。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約11分。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約11分。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約9分。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約9分。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約10分。 1821年作曲。全3楽章、演奏時間は約11分。 1822年作曲。全4楽章、演奏時間は約22分。 1822年作曲。全4楽章、演奏時間は約30分。弦楽合奏曲からアンサンブルを書き始めたメンデルスゾーンが、初めてオーケストレーションを試みた作品。同年に作られた管弦楽版は、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各2、ティンパニ、弦五部の編成(演奏時間は同じ)。 1823年作曲。全4楽章、演奏時間は約29分。『スイス』("La Suisse")の副題を持つが、これは第3楽章のトリオ部に付けられた表題から呼ばれるようになったものである。ヴィオラも始終2部に分かれている。 1823年作曲。全1楽章、演奏時間は約10分。1つの楽章のみを書いたのか、他の楽章が失われたのかは不明。 1823年作曲。全5楽章、演奏時間は約40分。第2楽章のスケルツォ(『スイスの歌』)には斜線が引かれており、削除したのかどうかは不明(オイレンブルク版の楽譜では全4楽章の付録として収録)。 1823年作曲。全3楽章、演奏時間は約22分。 1823年作曲。全1楽章、演奏時間は約7分。未完成の作品とも言われており(そのため『交響的断章』とも呼ばれる)、自筆譜には番号の記載はない。
作品一覧
第1番 ハ長調 MWV N 1
第1楽章 アレグロ
第2楽章 アンダンテイ短調、4分の3拍子。
第3楽章 アレグロハ長調、4分の4拍子。
第2番 ニ長調 MWV N 2
第1楽章 アレグロニ長調、4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテロ短調、4分の4拍子。
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ
第3番 ホ短調 MWV N 3
第1楽章 アレグロ・ディ
第2楽章 アンダンテト長調、8分の3拍子。
第3楽章 アレグロホ短調、4分の4拍子。
第4番 ハ短調 MWV N 4
第1楽章 グラーヴェ
第2楽章 アンダンテハ長調、8分の3拍子。
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェハ短調、4分の4拍子。
第5番 変ロ長調 MWV N 5
第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ変ロ長調、4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテ変ホ長調、8分の3拍子。
第3楽章 プレスト
第6番 変ホ長調 MWV N 6
第1楽章 アレグロ変ホ長調、4分の4拍子。
第2楽章 メヌエット - トリオ I - トリオ II変ホ長調 - ロ長調 - 変ロ長調、4分の3拍子。
第3楽章 プレスティッシモ
第7番 ニ短調 MWV N 7
第1楽章 アレグロニ短調、4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテ(アモーレヴォレ)ニ長調、8分の3拍子。
第3楽章 メヌエット - トリオニ短調 - 変ロ長調、4分の3拍子。
第4楽章 アレグロ・モルトニ短調 - ニ長調、8分の6拍子 - 4分の4拍子。
第8番 ニ長調 MWV N 8
第1楽章 アダージョ
第2楽章 アンダンテロ短調、8分の3拍子。
第3楽章 メヌエット:アレグロ・モルト - トリオ:プレストニ長調 - ニ短調、4分の4拍子。
第4楽章 アレグロ・モルトニ長調、4分の4拍子。
第9番 ハ長調 MWV N 9『スイス』
第1楽章 グラーヴェ - アレグロハ短調 - ハ長調、4分の3拍子 - 4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテホ長調、4分の2拍子。ヴァイオリンが4部に分かれる。
第3楽章 スケルツォ - トリオ(『スイス』):ピウ
第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェハ短調 - ハ長調、4分の4拍子。
第10番 ロ短調 MWV N 10
アダージョ - アレグロロ短調、4分の3拍子 - 4分の4拍子。
第11番 ヘ短調 MWV N 11
第1楽章 アダージョ - アレグロ・モルトヘ長調 - ヘ短調、4分の4拍子。序奏部がヘ長調で書かれているため、CDや出版物によっては第11番自体の主調を「ヘ長調」や「ヘ長調/ヘ短調」と表記しているものもあるが、全体的な調性はあくまでヘ短調である。
第2楽章 スケルツォ (『スイスの歌』):コモド
第3楽章 アダージョ変ホ長調、4分の3拍子。
第4楽章 メヌエット:アレグロ・モデラート
第5楽章 アレグロ・モルトヘ短調、4分の4拍子。
第12番 ト短調 MWV N 12
第1楽章 フーガ:グラーヴェ - アレグロト短調、4分の4拍子。
第2楽章 アンダンテ変ホ長調、8分の6拍子。
第3楽章 アレグロ・モルトト短調、4分の4拍子。
交響的断章(第13番)ハ短調 MWV N 14
グラーヴェ - アレグロ・モルトハ短調、4分の4拍子。
参考資料
オイレンブルク版の楽譜
SINFONIAS I-VIII for String Orchestra ISBN 978-3795764111
SINFONIAS IX-XII for String Orchestra ISBN 978-3795764128
外部リンク
弦楽のための交響曲第1番 ハ長調 MWV N 1の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
弦楽のための交響曲第2番 ニ長調 MWV N 2
弦楽のための交響曲第3番 ホ短調 MWV N 3
弦楽のための交響曲第4番 ハ短調 MWV N 4の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
弦楽のための交響曲第5番 変ロ長調 MWV N 5の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
弦楽のための交響曲第6番 変ホ長調 MWV N 6の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト