引用符
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ウィキペディアにおける引用符の使用については、「Wikipedia:表記ガイド#引用符」をご覧ください。
引用符を用いて注意喚起をしている看板日本語

引用符(いんようふ)は、約物の一つ。文中において、他の文や語を引用していることを示す役割を果たす記号で、多くの場合一対で引用部分を囲む。引用符号とも呼ばれ、またその英語からコーテーションマーク、クォーテーションマーク、クオーテーションマーク(quotation mark、スペイン語: comillas)と呼ぶ場合も多い。
類型
直線形

開始記号と終了記号が同じである。タイプライターコンピュータで使用する。ただしUnicodeでは使用は推奨されない。なおU+0027の文字名称は歴史的な経緯から「アポストロフィー」となっているが、アポストロフィーとしての使用も推奨されず、閉じシングルクォートと同じU+2019を使う。

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
'…'U+0027 (39)1-2-15

'

'

'(XMLのみ)
アポストロフィー
"…"U+0022 (34)1-2-16

"

"

"
引用符、クォーテーションマーク

曲線型 英語

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
‘…’U+2018 (8216) , U+2019 (8217)1-1-38, 1-1-39

‘ ’

‘ ’

‘ ’
(左、右)単一引用符
(LEFT/RIGHT) QUOTATION MARK
“…”U+201C (8220) , U+201D (8221)1-1-40, 1-1-41

“ ”

“ ”

“ ”
(左、右)二重引用符
(LEFT/RIGHT) DOUBLE QUOTATION MARK

英語圏では会話の中で、人の意見を区別して言いたい時に引用符(double quotation marks)を、自分の顔の両側で両手の人指し指と中指を曲げる動作と視覚的に示すことがある。これをエアクオートという。
曲線型 ドイツ語、デンマーク語

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
?…‘U+201A (8218) , U+2018 (8216)なし

‚ ‘

‚ ‘

‚ ‘
(Single Low-9/Left Single) Quotatation Mark
?…“U+201E (8222) , U+201C (8220)なし

„ “

„ “

„ “
(Double Low-9/Left Double) Quotatation Mark

曲線型 オランダ語、ポーランド語

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
?…’U+201A (8218) , U+2019 (8217)なし

‚ ’

‚ ’

‚ ’
(Single Low-9/Right Single) Quotatation Mark
?…”U+201E (8222) , U+201D (8221)なし

„ ”

„ ”

„ ”
(Double Low-9/Right Double) Quotatation Mark

屈曲型 フランス語(フランス本国)、ポーランド語、ロシア語

ギユメ (guillemets)、ギュメ・ギメ(印刷用語、この記号を考案したフランスの印刷業者の名 Guillaume ギョームから)という。

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
‹…›U+2039 (8249) , U+203A (8250)なし

‹ ›

‹ ›

‹ ›
Single (Left/Right)-Pointing Angle Quotation Mark
≪…≫U+00AB (171) , U+00BB (187)1-9-8, 1-9-18

« »

« »

« »
Double (Left/Right)-Pointing Angle Quotation Mark

逆屈曲型 デンマーク語

ドイツ語でも時折見かける。

デンマーク語においては主に新聞記事などで用いられ、普段の文章や文学作品にはあまり用いられない。

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
›…‹U+203A (8250) , U+2039 (8249)なし

› ‹

› ‹

› ‹
Single (Right/Left)-Pointing Angle Quotation Mark
≫…≪U+00BB (187) , U+00AB (171)1-9-18, 1-9-8

» «

» «

» «
Double (Right/Left)-Pointing Angle Quotation Mark

ダッシュ

ダッシュは対話のみに用いる。

Unicode(十進)JIS X 0213文字参照名称
― …U+2015 (8213)なし

―

―
ダッシュ、horizontal bar
— …U+2014 (8212)1-1-29

—

—

—
em dash

フランス語の例
― Je m'ennuie tellement, dit-elle.― Cela n'est pas de ma faute, retorqua-t-il.
一般的なフレンチクォーテーションで書くと
≪ Je m'ennuie tellement ≫, dit-elle.≪ Cela n'est pas de ma faute ≫, retorqua-t-il.
ロシア語の例
? Ай, ай, ай! ? вскрикнупBЛевин. ? Я ведь, кажется, уже лет девять не говел. Я и не подумал.? Хорош! ? смеясь, сказапBСтепан Аркадевич, ? а меня же называешь нигилистом! Однако ведь это нельзя. Тебе надо говеть.
一般的なフレンチクォーテーションで書くと
≪Ай, ай, ай!≫ ? вскрикнупBЛевин. ? ≪Я ведь, кажется, уже лет девять не говел. Я и не подумал≫.≪Хорош!≫ ? смеясь, сказапBСтепан Аркадевич, ? ≪а меня же называешь нигилистом! Однако ведь это нельзя. Тебе надо говеть≫.
日本語・中国語・朝鮮語の引用符

日本の
日本語では縦書きと横書きの両方に鉤括弧(「」)および二重鉤括弧(『』)が使われるのが普通である。

中華人民共和国中国語『標点符号用法』(GB/T 15834-2011)では原則として横書きを使用するが、縦書きが必要な場合は日本と同様に鉤括弧を使用する。横書きでは英語式のダブルクォート(引号、“”)を使う。引用中に引用がある場合などは、シングルクォート(‘’)を使う。本、楽章、文章、映画、放送番組ほかの作品、新聞、雑誌、法令などの題名に対しては、二重山括弧(書名号、《》)を使い、題名の中に別の題名を表記する場合には、山括弧(単書名号、〈〉)を使う。

台湾の中国語については、『重訂標点符号手冊修訂版』(2008)が、縦書きと横書きの両方に鉤括弧(「」)を使うと規定している。書名等については中華人民共和国と同様である。香港マカオには厳密な規定がなく、横書きには英語式のダブルクォート(“”)も使う。

北朝鮮の朝鮮語では二重山括弧(《》)を使う(朝鮮語規範集を参照)。引用中に引用がある場合などは、山括弧(〈〉)を使う。

韓国の朝鮮語のかつてのハングル正書法は縦書きと横書きについて定めていたが、縦書きに関する規定は使用実績がないために2014年に廃止された。英語式のダブルクォート(“”)を使う。引用中に引用がある場合などは、シングルクォート(‘’)を使う。書名は『』で囲むことがある。

Unicode(十進)JIS X 0213名称
「…」U+300C (12300) , U+300D (12301)1-1-54,
1-1-55(始め・終わり)かぎ括弧
(Left/Right) Corner Bracket
?…?
『…』U+300E (12302) , U+300F (12303)1-1-56,
1-1-57(始め・終わり)二重かぎ括弧
(Left/Right) White Corner Bracket
?…?
“…”U+201C (8220) , U+201D (8221)1-1-40,
1-1-41(左・右)ダブル引用符
(Left/Right) Double Quotation Mark
‘…’U+2018 (8216) , U+2019 (8217)1-1-38,
1-1-39(左・右)シングルクォート
(Left/Right) Single Quotation Mark
《…》U+300A (12298) , U+300B (12299)1-01-52,
1-01-53(始め・終わり)二重山括弧
(Left/Right) Double Angle Bracket
〈…〉U+3008 (12296) , U+3009 (12297)1-01-50,
1-01-51(始め・終わり)山括弧
(Left/Right) Angle Bracket

斜線型 日本語

曲線型に似ているが、通常鉤括弧のある位置に置かれる。JIS X 0208:1997規格票附属書4表5(47ページ、参考であり規格の一部ではない)ではダブルクォート(“”、JIS X 0208における日本語名称は「ダブル引用符」)の縦書き字形として示されている。JIS X 4051の附属書表でも同様である。JIS X 0213では別途収録されているため、このような扱いはされない。


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