建築学
[Wikipedia|▼Menu]

建築学(けんちくがく)は、建築について研究する学問である[1][2]
概要

建築学は、建築の構造材料等について研究する工学的な側面、制度法規経済活動について着目し研究アプローチする社会科学的な側面、デザインや歴史について研究する芸術的・文化的な側面を持つ。

かつての建築家があらゆる課題を各自解決する必要があったように、建築学は総合的学問であったが、建築と一口に言ってもその応用範囲は、広大かつ多岐にわたる。構造的側面、芸術的側面はもとより、都市計画などにおいては、人間社会におけるライフスタイル、ひいては、精神的分野にまで踏み込んだ形で計画され実施される。すなわち、構造分野においては、数理的解釈を必要とする理科学的知識を必要とし、芸術分野においては、精神論的解釈が求められる。またその両者を高い次元において両立させるための総合力が不可欠である。

そのためいわゆる建築学といわれる分野の知識以外にも、機械工学、電子工学、土木工学精神論社会学法学経済学語学環境学エコロジー分野など、多岐にわたる知識を広く浅く知る必要がある、特殊な学問である。その学問的性質上、現代では完全な分業化が進んでおり、それぞれの分野に特化している。
分類

日本建築学会では、論文集を構造系、計画系、環境系に分けて発行している[3]。同様の区分は、東京大学大学院[4]や、京都大学[5]でも採用されており、東京大学大学院では、建築構造、材料工学、建築構法、建築生産等を構造系、建築計画、建築デザイン、建築史等を計画系、環境工学、建築設備等を環境系としている[4]
構造系「建築構造設計」も参照
建築構造学

日本以外の大学では建築学科工学部に属さないことが大半なので、工学部系の建築関連学部学科で取り扱うことがほとんどであるが、日本の大学では工学部に属する建築学科で学習、研究がなされている。

おもに、鉄筋コンクリート構造鉄骨構造木構造などの構造、および構造力学や建築物の物理的な地震災害などについてを研究する。
建築材料学

倒壊、消耗、破損などを防ぐべく、建築に用いられる材質について研究する。また、日本では古来より、木造建築物による火災被害が深刻視され木造建築物が密集した地域が数多く存在していた事により、火災が一度発生すると被害が拡大し、経済的に多大な損失を与えていたため、戦後は主に不燃性、難燃性素材開発を目的とした研究が重要視されてきた。

近年に至り、不燃性、難燃性素材の開発がほぼ完成形を見せる一方、現在では主に地震に対する耐震、免震素材への興味が高まりつつある。
計画系
建築計画学詳細は「建築計画学」を参照

建築計画学は、建築に求められる機能を探求し、人間の行動や心理に適した建物を計画する。
建築意匠学

デザインについて研究する造形論をはじめ、建築のあり方や理想像を考究する建築論(建築哲学)、建築家研究を行う作家論、設計手法の理論的研究を行う設計論、図法や図面の描き方を研究する図学などの専門領域に分かれる。なお、広義では、実践的技術としての建築設計を含む。
都市計画学詳細は「都市計画#都市計画の学問」を参照

まちづくりグランドデザイン、都市建築法規、動線計画農村計画交通工学衛生工学などを総合的に取りまとめる分野。建築設備学同様、都市計画学という学問領域はなく、やはり都市計画の実学的側面を指す俗称あるいは大学でのカリキュラムのジャンルを示すに過ぎないが、他分野にまたがって都市計画学者が存在する。日本では都市計画学者が集い日本都市計画学会が組織されている。
建築史学詳細は「建築史」を参照

古代以来の各時代や社会と建築の関係、工法の発達などを研究する。造形も学ぶため建築意匠とも関連する分野となる。
環境系
建築環境工学詳細は「建築環境工学」を参照


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:58 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef