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九條家に伝わる「延喜式(九條家本)」(東京国立博物館蔵、国宝)日本古典全集に収録された『延喜式』巻1の本文[1]
延喜式(えんぎしき)は、平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)で、三代格式の一つであり、律令の施行細則をまとめた法典である。 三代格式のうちほぼ完全な形で残っているのは延喜式だけであり、細目まで規定されているため、古代史の研究のうえで重視されている。 905年(延喜5年)、醍醐天皇の命により藤原時平らが編纂を始め、時平の死後は藤原忠平が編纂に当たった。『弘仁式』『貞観式』とその後の式を取捨編集し、927年(延長5年)に完成した[2]。その後改訂を重ね、967年(康保4年)より施行された。 全50巻、約3300条からなる。律令官制に従い、以下のような構成。 巻8に祝詞を掲載。巻9・10は神名帳(神社の一覧表)となっていて、祈年祭で奉幣を受ける2861社の神社が記載されている。延喜式神名帳に記載があるのは当時朝廷から重要視された神社であり、一般に式内社と言って社格の一つとされたが、現在では消滅したり不明となっている神社も多い。
概要
成立
構成日本古典全集に収録された『延喜式』巻9の「遠江國」の部分[3]日本古典全集に収録された『延喜式』巻9の「駿河國」の部分[4]
巻1 - 巻10
神祇官関係の式。この部分を神祇式という。巻ごとによる記載内容の趣旨は以下となる。
巻1と巻2 - 定例祭 (通称:四時祭、四時祭式など)
巻3 - 臨時祭 (通称:四角祭・四角祭式、四境祭・四境祭式、四角四堺祭など)
巻4 - 大神宮
巻5 - 斎宮
巻6 - 斎院
巻7 - 踐祚大嘗祭
巻8 - 祝詞
巻9と巻10 - 神名帳 (通称:延喜式神名帳)
巻11 - 巻40
太政官八省関係の式
巻41 - 巻49
その他の官司関係の式
巻50
雑式
内容
神祇官関係の式金剛寺に伝わる「延喜式神名帳」(金剛寺蔵、国宝)