座頭市と用心棒
監督岡本喜八
脚本岡本喜八
吉田哲郎
『座頭市と用心棒』(ざとういちとようじんぼう)は、1970年1月15日に公開された日本映画。 勝新太郎のライフワーク『座頭市』シリーズの第20作であり、三船敏郎の代表作である『用心棒』との夢の対決を実現させた、勝プロダクション製作の時代劇映画。ヒロインに大映の看板女優であった若尾文子を迎え、往年の剣戟スター嵐寛寿郎、新劇の滝沢修などの豪華ゲストも話題となったが、一番の目玉は座頭市・勝と用心棒・三船の対決であり、本作は『座頭市』シリーズ最高の観客を動員するヒット記録した[2]。 三船は当初軽いゲスト出演と思っていたらしく、台本の『座頭市と用心棒』のタイトルを見てたいそう驚いたそうである。勝プロが座頭市シリーズを本格的に制作をした最初の作品で(勝プロ発足当初、『座頭市牢破り』を単発で制作している)、以降の作品は全て勝プロ制作になる。本作はシリーズ最後の大映配給作品である(以降はダイニチ映配、東宝、松竹と変遷する)。 配給の大映は本作を当初、正月興行にしようと考えていたが、看板スターとエース監督である岡本喜八を貸し出した東宝の申し入れにより、正月明けの公開となった。このため、1962年の第1作以降、1968年まで間断なく制作されたシリーズが、1969年は一作も公開されないという事態に陥った。 市が3年前に訪れた村は、川のせせらぎ梅の香りに包まれた平和な村だった。しかし市が再び訪れたその村は、ヤクザの小仏一家によって変わってしまっていた。市の来訪を知った小仏の政五郎は、一家の用心棒に市を斬るよう頼み込む。盲を斬ることを断った用心棒だったが、政五郎に100両出すと言われ、酒に酔ったまま市を斬りに行く。しかし、対決し市が容易に斬れる者ではないと悟ると、その日は斬るのを諦め、市を酒に誘う。互いを「バケモノ」「ケダモノ」と呼び合う2人だった。 2人の入った居酒屋で、市はかつて手を引いてもらった優しい女性・梅乃と再会する。喜ぶ市に対し、梅乃は覚えていないと冷たい態度を取る。政五郎に借金のある梅乃は市が去ったあと、用心棒に「小仏一家の手前、市に話しかけられなかった」となじるが、用心棒のことを憎からず思う気持ちにも気付いていた。 用心棒と梅乃から別れた市は、自分の凶状のため捕吏に捕まり、牢に入る。本来なら打ち首の市だったが、生糸問屋・烏帽子屋の口利きで番屋から出してもらう。烏帽子屋の主人・弥助は小仏の政五郎の実の父であるが、親子は対立していた。また政五郎は、父・烏帽子屋の隠している金塊を狙い、用心棒をなにかと頼りにしている。それを知る烏帽子屋は、市を手許に置いて身を守ろうとしていた。どうやら隠されている金塊は、烏帽子屋とその次男・三右衛門が八州見廻り役・脇屋とも共謀し、着服した御用金らしい。 江戸にいる三右衛門は父を心配し、九頭竜という名の浪人を送り込む。小仏一家の用心棒、烏帽子屋の九頭竜。曰くありげな2人をそれぞれ抱え、双方出入りの準備を始める。そして2人の素性を知った市も独自に動き始める。
概要
あらすじ
キャスト
座頭市:勝新太郎
用心棒・佐々大作:三船敏郎
梅乃:若尾文子
九頭竜・跡部九内:岸田森
後藤三右エ門:細川俊之
小仏の政五郎:米倉斉加年
脇屋陣三郎:神山繁
ちんぴら余吾:寺田農
馬瀬の藤三:草野大悟
鍛冶屋留吉:常田富士男
小仏一家の常:五味龍太郎
烏帽子屋番頭惣七:木村元
偽按摩桑原涌之助:砂塚秀夫
小仏一家の権:田中浩
小仏一家の松:木村博人
小仏一家のA:黒木現
小仏一家のB:新関順司郎
烏帽子屋の若い衆:浜田雄史
梅の家小女:熱田洋子
兵六爺さん:嵐寛寿郎
烏帽子屋弥助:滝沢修
賭博場の男:伴勇太郎 ※ノンクレジット
スタッフ
監督:岡本喜八
製作:勝新太郎
原作:子母沢寛
脚色:岡本喜八、吉田哲郎
撮影:宮川一夫
音楽:伊福部昭
美術:西岡善信
編集:谷口登司夫
録音:林土太郎
スチール:大谷栄一
照明:中岡源権
併映作品
『女組長』: マキノ雅弘監督
脚注^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)274頁
^ “勝新太郎vs三船敏郎… 公開から50年「座頭市と用心棒」の煮え切らなさ
外部リンク
座頭市と用心棒 - allcinema
⇒座頭市と用心棒 - KINENOTE
座頭市と用心棒
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関連人物
勝新太郎 - 三隅研次 - 森一生 - 田中徳三 - 安田公義 - 池広一夫 - 井上昭 - 山本薩夫 - 岡本喜八 - 伊福部昭 - 牧浦地志 - 菅沼完二
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