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この項目では、ICD-10の定義による分類について説明しています。DSM-5の定義による分類については「自閉症スペクトラム障害」をご覧ください。
広汎性発達障害
概要
診療科精神医学, 小児科学, 臨床心理学, psychomotor education
広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい、英: pervasive developmental disorders, PDD)とは、特異的発達障害(英語版)との対義される分類名であり、世界保健機関(WHO)が定めた現在のICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類 第10版)、またかつてアメリカ精神医学会が刊行したDSM-IV(精神疾患の分類と診断の手引 第4版)において分類上の概念として取り扱われている。
PDDは、社会性の獲得やコミュニケーション能力の獲得といった人間の基本的な機能の発達遅滞を特徴とする、5つの精神と行動の障害のグループである。PDDには以下5つの疾患が含まれる[1][2]。うち、1-3番目は自閉スペクトラム(ASD)と呼ばれ一般的である。4-5番目は稀であり、自閉スペクトラムに分類されることもあるが、そうでないこともある[3][4]。
自閉性障害(Autism disorder、自閉症)。
アスペルガー症候群(AS, AD)
レット症候群
小児期崩壊性障害 (CDD)
特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)。非定型自閉症を含み、47%と最も一般的[5]。
なお、その後のDSM-5ではPDDは自閉症スペクトラム障害に再編され、もはやPDDという概念は用いられていない[1]。そのためICD-10とDSM-5では、分類体系は一致していない[1]。 この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
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出典検索?: "広汎性発達障害"
「精神障害#定義」も参照
広汎性発達障害には、知能指数が低い場合と高い場合の双方が見られる。言い換えると、DSM-IVにおける精神遅滞(DSM-5における知的機能障害)の有無である。
かつてアメリカ精神医学会が刊行したDSM-IV-TR(精神疾患の分類と診断の手引 第4版新訂版)においては、広汎性発達障害に、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害(非定型自閉症を含む)が掲げられており、世界保健機関が定めたICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類 第10版)においては、DSM-IV-TRと診断分類および診断基準ともに、やや異なる[1]。
WHOのICD-10においては、症状がいつ認められるかについて統一性がない。自閉症は遅くとも生後30ヶ月以内に症状が認められる症候群であるとされているが[6]、小児期崩壊性障害はそうではない。DSM-IVではこれらの障害は通常1歳までに明らかになると記されている。
広汎性発達障害、特異的発達障害は、双方ともに発達障害であるものの、発達障害の概念については整理のやり直しが行われており、「○○発達障害」という診断名でなくても、日本の公的機関における取り扱いにおいては発達障害に含められるものもある[7]。
分類 広汎性発達障害における下記のものが概ね該当する[6]。
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F84.0 小児自閉症は除外される[6]。
3歳までに形成されるPDDであり[6]、診断基準としては3つの点が基本障害とされている。
対人的な相互反応の障害、社会性の障害。
言語・非言語によるコミュニケーションの障害。
想像力の障害とそれに基づく行動の障害。
てんかんなどの脳波異常や脳室拡大が合併する事もある。難治性ではあるが特定の症例を除き進行性ではなく、一患者においては発達が見られる。古典的タイプのカナー型自閉症の発症率は約1,000人に1人で男:女=4:1とされる。人種による差はない。アスペルガー症候群を除き言葉の発達の障害が見られるため聴覚障害と鑑別しなければならない。聴覚障害やてんかんは、脳波検査で判定できる。治療は、コミュニケーションを促す療育的対応を基本として、個別一過性の症状には対症的な薬物療法を行う。薬物療法は、自傷行為に対し、向精神薬を用いるなどする。 非定型自閉症[6]、非定型小児精神病[6]、自閉的特徴を伴う精神遅滞。 レット症候群は、1965年、ウイーンの小児神経科の医師アンドレアス・レット (Andreas Rett) 博士によって一つの症例が発表され、彼の名を取って「レット症候群」と名付けられた[1]。進行性の神経疾患で、知能や言語・運動能力が遅れ、常に手をもむような動作や、手をたたいたり、手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴。
F84.1 非定型自閉症
F84.2 レット症候群