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幼児語(ようじご)とは、乳幼児期の会話に用いられる言葉。 乳幼児との会話には、通常の会話に用いられることが少ない特殊な語彙が用いられることが多い。このような言葉は、幼児が自発的に話すこともあるが、多くは周囲の人間が幼児、乳児に語りかけるのみ用いる言葉であって、幼児はこれを聞いて学習し、声を発するようになる。このため育児語(いくじご)と呼ばれることがある。一般的に、調音器官の使い方が未発達な幼児でも発音しやすい音を持つ言葉、同じ音を連続させて単純化した言葉、反復した言葉、長い言葉を省略した言葉などが用いられる。 乳幼児は、単語を単独で発し、他の文法要素は用いないのが普通であるが、周囲のものは、通常の文の中に特殊な語彙を組み込んで話すことも多い。 日本語の幼児語は、おおむね次のタイプに分けられる。 対象物が発する音を表す擬声語を用いているもの また、擬声語で表される対象物のようなしぐさをすることも表す 唇の動きによって自然に出やすい両唇音の、マ行、バ行の音を用いる語。 例: 通常の語彙の語頭の音節を長音化すると同時に、2度反復するもの 例: 「ん」を入れる。 例: 例: 例: 広義には、「ワタチ(私)」の様に幼児が発声しにくい音が訛った語も含む。 例: 他にたん(接尾語)。 幼児語は一般的に言語を習得する段階として一時的に使用されるものと考えられており、大人へと従うにつれ、学習する言語に即した文法、発音などを習得するものであるが、幼児語が子どもの持つ幼さを引き立て、可愛らしさを強調するものとして、持てはやされる場合がある。母親や児童に身近な女性が子どもに赤ちゃん言葉(幼児語)で話しかけたりするのも、子どもと同じ目線に立って会話すると言うよりは、幼児語が可愛らしい言葉であるという認識を持って、使っていると言われている。感受性のある子どもの場合、幼児言葉が抜けきる年齢に達しても、身近な人間が赤ちゃん言葉で話し続ける場合など、子どもの言語発達を阻害する行為であるため注意が必要である。 また、言語としての赤ちゃん言葉を愛するものが大人の中もおり、幼児語愛好家と呼ばれる。これは小児愛好(paedophilia)と似通ったものと誤解されがちであるが、後者が児童、幼児などの物質的なものに対して過度な興味を抱くのに対し、前者は幼児語そのものに興味を持つものであり、関連は薄い。 英語圏では幼児に対しても大人と同じ言葉で会話を行うことが多い[1]。 以下は英語の幼児語の例
概要
日本語の幼児語
擬声語
ニャンニャン - 猫
モーモー - 牛
ワンワン - 犬
ブーブー、ブブ - 自動車
ポッメB- 鳩
チュンチュン - 雀
コッコー、コッコ(さん) - 鶏
チッチ、シー、シッシ、チッコ、チー、シーシー、おしっこ- 排尿
うんうん、うんち-排便
ワンワン(する)、モーモー(する) - 四つんばいになる
両唇音
マンマ - ご飯、食事、食べ物
ブブ - 飲料水
まんまん(ちゃん) - 仏様(主に西日本)
語頭音の長音化と反復
ジージー - 祖父(じいじ)
バーバー - 祖母(ばあば)
キューキュ - 救急車
撥音音便化
オンモ - (家の)外。表(おもて)
おめめ、めんめ - 眼
あんよ - 足
ねんね - 就寝。自分の安心毛布をこう呼ぶ事もある。
反復語
トト - 魚
きれいきれい - 清潔にする、洗う
ないない - 片付ける
たんたん - お風呂
擬態語
チャンコ - 座る
オッチン - 座る(主に関西)
幼児風の訛り
/s/と/t/の交替 - 摩擦音→破裂音
わたし(watasi) → わたち(watati)
/k/と/t/の交替 - 軟口蓋音→硬口蓋音([c])
きのう(kinoo) → ちのう(tinoo)
/w/の脱落
わたし(watasi) → あたち(atati)
幼児語愛好(infantvocaphilia)
英語の幼児語
犬 - doggie
猫 - kitty あるいは meow
馬 - horsie
鳥 - birdie
魚 - fishy
水 - wawa
排尿-pee
排便-poop
腹 - tummy
お母さん(mother) - mama
お父さん - dada, papa
おじいさん - papa
おばあさん - nana
お姉さん - sissy
お兄さん - bubby
おいしい - yum-yum, yummy,
まずい - yucky
夕ご飯 - din-din
おしゃぶり - binkie
脚注[脚注の使い方]
出典^ 椎名玲子『子どもと一緒に英語遊びでネイティヴ・リズム英会話』ベレ出版、2003年、22頁
関連項目
喃語(なんご)
縮小辞
外部リンク
高橋太郎「幼児語の形態論的な分析
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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