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をお願いします。(2018年6月)平面波(へいめんは、英: Plane wave)[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12]とは、等位相面が波数ベクトルを法線ベクトルとする等値平面から成る周期関数のことである。 平面波と呼ばれる関数には、「時間変数を持たない平面波」と、「時間変数を持つ平面波」がある。「時間変数を持たない平面波」は、周期関数のフーリエ級数展開や、フーリエ変換、時間発展のないシュレーディンガー方程式の計算に用いられる。「時間変数を持つ平面波」は、波動方程式の解として現れる。 通常、「時間変数を持たない平面波」と、「時間変数を持つ平面波」は、区別されずに混同されて用いられるが、異なるものなので、曖昧さを回避する観点から区別が必要な場合には、用語を使い分けることにする。それぞれの用語の定義は以下に行う。 また、本稿では、「時間変数を持たない平面波」と、「時間変数を持つ平面波」の総称として「平面波」という用語を用いることにする。 実数または複素数に値を取る実 d 変数関数 Ψ が時間変数を持たない平面波であるとは、周期 2π の実1変数の周期関数 f と、波数ベクトルと言われる d 次元実定数ベクトル k(但し k ≠ 0)を用いて、 Ψ ( x ) = f ( 2 π k ⋅ x ) {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {x}})=f(2\pi {\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {x}})} と表されることを意味する。 時間変数を持つ平面波は、波動方程式の固有解に現れる。 実数または複素数に値を取る関数 Φ が時間変数を持つ平面波であるとは、空間変数 x (d 次元実数ベクトル)と時間変数t (実数)と、周期 2π の実1変数の周期関数 f と、波数ベクトル k(d 次元実定数ベクトル、但し k ≠ 0)と、角振動数 ω≠ 0 を用いて、 Φ ( x , t ) = f ( 2 π ( k ⋅ x − ω t ) ) {\displaystyle \Phi ({\boldsymbol {x}},t)=f(2\pi ({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {x}}-\omega t))} であることを意味する。 尚、本稿では、時間変数と空間変数をX = (x , t) のように分ける。つまり、変数の最後の成分[注 1]を時間変数と考える。 物理的には、空間変数 x と時間変数 t は異なるものであるが、数学ではどちらも単なる変数である。この意味において、d 次元の時間変数を持つ平面波は、d + 1 変数の時間変数を持たない平面波と見做すことができる。 時間変数を持つ平面波 Φ ( x , t ) = f ( 2 π ( k ⋅ x − ω t ) ) {\displaystyle \Phi ({\boldsymbol {x}},t)=f(2\pi ({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {x}}-\omega t))} に対して、新たに K を、空間成分 k と、時間成分 ?ω を並べた d + 1 次元の実数ベクトルとする。即ち、 K = ( k 1 ⋮ k d − ω ) {\displaystyle {\boldsymbol {K}}=\left({\begin{array}{c}k_{1}\\\vdots \\k_{d}\\-\omega \end{array}}\right)} とする。但し、ki は、波数ベクトル k の第 k 成分を意味する。 又、X = (x, t)とする。このとき、 Φ ( x , t ) = f ( 2 π ( k ⋅ x − ω t ) ) = f ( 2 π K ⋅ X ) {\displaystyle \Phi ({\boldsymbol {x}},t)=f(2\pi ({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {x}}-\omega t))=f(2\pi {\boldsymbol {K}}\cdot {\boldsymbol {X}})} のように書くことが出来る。この意味において、d 次元の時間変数を持つ平面波は、n + 1 変数の時間変数を持たない平面波と見做すことができた。 正弦平面波は、正弦波の多次元への拡張の1つで、代表的な平面波である。正弦平面波には、実正弦平面波と複素正弦平面波がある。正弦平面波のことを単に平面波ということもあるが、正弦平面波ではない平面波もある。 実正弦平面波は、数学的には振幅 A、波数ベクトル K、位相項 δ の3つの定数/定数ベクトルで特徴付けられる。一般に d 次元の実正弦平面波は、時間変数を持たない形で書くと A cos ( 2 π ( K ⋅ X + δ ) ) {\displaystyle A\cos(2\pi ({\boldsymbol {K}}\cdot {\boldsymbol {X}}+\delta ))} 時間変数を持つ形で書くと A cos ( 2 π ( k ⋅ x − ω t + δ ) ) {\displaystyle A\cos(2\pi ({\boldsymbol {k}}\cdot {\boldsymbol {x}}-\omega t+\delta ))} で表される。 ここで、波数ベクトルや時間・空間変数は、それぞれ k = ( k 1 ⋮ k d ) , x = ( x 1 ⋮ x d ) , K = ( k 1 ⋮ k d − ω ) , X = ( x 1 ⋮ x d t ) {\displaystyle {\boldsymbol {k}}={\begin{pmatrix}k_{1}\\\vdots \\k_{d}\end{pmatrix}},\quad {\boldsymbol {x}}={\begin{pmatrix}x_{1}\\\vdots \\x_{d}\end{pmatrix}},\qquad {\boldsymbol {K}}={\begin{pmatrix}k_{1}\\\vdots \\k_{d}\\-\omega \end{pmatrix}},\quad {\boldsymbol {X}}={\begin{pmatrix}x_{1}\\\vdots \\x_{d}\\t\end{pmatrix}}} である。 実正弦平面波は重ね合わせの計算などが面倒であることから、計算上のテクニックとして、実正弦平面波の値域をオイラーの公式を用いて複素数域に拡張した複素正弦波が発案された。古典物理では、複素平面正弦波は実正弦平面波の重ね合わせを計算するための便宜にすぎないが、量子力学では複素平面正弦波を用いなければ説明がつかない現象があるため、計算上の便宜のためだけのものではない。
平面波の定義
時間変数を持たない平面波
時間変数を持つ平面波
時間変数を持つ平面波と、時間変数を持たない平面波
正弦平面波
実正弦平面波の一般式
複素正弦平面波の一般式
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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