この記事での日付・時刻は特記のない限り日本標準時(JST=UTC+9)によるものです。協定世界時は「UTC」とし、ヘクトパスカルは「hPa」と表記します。
台風第21号
(Jebi、チェービー)
カテゴリー5の スーパー・タイフーン (SSHWS)
衛星画像 (8月30日)
発生期間2018年8月28日 - 2018年9月5日[1]
寿命8日6時間
最低気圧915 hPa[1]
最大風速
(日気象庁解析)55 m/s (105kt)[1]
最大風速
(米海軍解析)155 kt
被害総額685億4,839万円 損害保険額 1兆678億円
平均速度27.9 km/時
670 km/日
移動距離5527 km
上陸地点徳島県南部
兵庫県神戸市付近
死傷者数本文参照 死者14人 負傷者980人
被害地域マリアナ諸島、台湾、日本、極東ロシア
プロジェクト : 気象と気候/災害
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平成30年台風第21号(へいせい30ねんたいふうだい21ごう、アジア名:チェービー/Jebi、命名:韓国、意味:つばめ、フィリピン名:メイメイ/Maymay)は、2018年8月28日に発生し、9月4日に日本に上陸した台風。25年ぶりに「非常に強い」勢力で日本に上陸し、近畿地方を中心に甚大な被害を出した。目次 8月25日頃にマーシャル諸島近海で形成した低圧部が、27日9時に熱帯低気圧に発達[2]。合同台風警報センター(JTWC)は、同日11時(UTC 2時)に熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発し、18時(UTC 9時)に熱帯低気圧番号25Wを付番した。熱帯低気圧は28日9時、南鳥島近海の北緯15度25分、東経157度00分で台風となり[3][4]、アジア名チェービー(Jebi)と命名された。21号が8月に発生するのは1971年に次ぎ2番目に早い発生である[5][6]。8月に発生した台風の数は9個となり、これは1951年統計開始以来2番目に多い数である[7]。 台風は速いペースで発達し29日には暴風域を伴い[8]、同日15時には強い勢力[注釈 1]に[10]、30日15時には非常に強い勢力[注釈 1]に[11]、そして31日9時には猛烈な勢力[注釈 1]に発達した[12]。台風は西進し、9月2日17時(フィリピン標準時16時)に台風はフィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)の監視領域に進入したため、フィリピン名メイメイ(Maymay)と命名された。 その後も高知県の一部を暴風域に巻き込みながら北上し[13]、非常に強い勢力を維持したまま4日12時頃徳島県南部に上陸した[14]。上陸時の中心気圧は950hPa、最大風速は45m/sで[15]、非常に強い勢力のまま上陸するのは1993年の台風13号以来25年ぶりとなる[16]。同日14時頃には兵庫県神戸市付近に再上陸した[17][18]。台風は上陸後さらに速度を速めて若狭湾を抜け、5日9時に間宮海峡の北緯47度、東経139度で温帯低気圧に変わった[19][20]。 事後解析でも非常に強い勢力で日本に上陸したと解析され、「25年ぶり非常に強い勢力での日本列島上陸」は正式記録となった[注釈 2]。 台風の接近に伴い、近畿・東海・北陸・北海道を中心に記録的な暴風となった。最大瞬間風速は、全国927の風の観測点のうち、近畿で33、北海道で22、東海で21、北陸で12など、合計100の観測点で観測史上最大値を更新した[15][21]。和歌山市では57.4m/sの最大瞬間風速を観測し、1961年の第2室戸台風時の記録を超える観測史上1位の値となったほか、大阪市で観測した47.4m/sの最大瞬間風速は半世紀ぶりの記録となった[22]。 また大阪湾と紀伊水道の沿岸では記録的な高潮となり、6地点でそれまでの観測史上最高潮位を超え、このうち大阪と神戸では第2室戸台風時の記録を超えた[注釈 3]。
1 台風の動き
2 気象状況
3 被害・影響
3.1 強風による被害
3.2 高潮による被害
3.3 インフラへの影響
3.3.1 大規模な停電
3.3.2 交通
3.4 公共施設・文化財等への影響
3.5 産業への影響
3.6 イベントなどへの影響
3.7 損害保険
4 行政の対応
4.1 政府
4.2 文部科学省
4.3 国土交通省
5 国際社会の対応
6 脚注
6.1 注釈
6.2 出典
7 外部リンク
台風の動き
進路図MODISによる21号の画像
気象状況
21号の風速や気圧などの推移9月4日の関西国際空港における最大風速のグラフ