平成25年台風第26号
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台風第26号(Wipha、ウィパー)
カテゴリー4の
タイフーンSSHWS
台風26号
発生期間2013年10月11日 3:00
- 10月16日 15:00(JST
寿命5日12時間
最低気圧930hPa
最大風速
(日気象庁解析)45m/s(90kt)
最大風速
米海軍解析)115kt
平均速度28.9km/時
694km/日
移動距離3,820km
死傷者数死者40人
行方不明者3人
(2014年1月15日10時00分現在)[1]
被害地域日本
プロジェクト : 気象と気候災害
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平成25年台風第26号(へいせい25ねんたいふうだい26ごう、アジア名:Wipha)は、2013年10月関東地方に接近した台風である。この台風の影響で、伊豆諸島伊豆大島で記録的な大雨となり、土石流により甚大な被害が発生した。これを指して伊豆大島土砂災害とも呼ばれる[2][3]
概要進路図

2013年10月11日3時にマリアナ諸島付近で台風26号が発生し、アジア名「ウィパー(Wipha)」と命名された。命名国はタイで、女性の名前に由来する。また、フィリピン大気地球物理天文局はこの台風について、フィリピン名「ティーノ(Tino)」と命名している。台風は勢力を強めながら日本の南海上を北西に進み、速度を速めながら北上を続けた。気象庁は15日午後より、関東地方に接近・上陸する台風としては「10年に一度の強い勢力」として警戒を呼びかけた[4][5]。26号は大型で強い勢力のまま暴風域を伴って[6]、16日の明け方に伊豆諸島北部を通過、午前中に房総半島東岸をかすめ、15時に三陸沖温帯低気圧に変わった。温帯低気圧に変わった後も、北海道をはじめとした地域に影響をもたらした。
気象状況
大雨

東京都、千葉県、茨城県の14地点で、観測史上最大の24時間降水量を記録した[7]

特に伊豆大島では、北東-南西方向に伸びる線状降水帯が停滞したため、台風接近前の16日未明から1時間に100ミリ以上の猛烈な雨が数時間降り続き、24時間雨量が800ミリを超える記録的な大雨となった[8]。この大雨は、関東平野および房総半島から流れ込む冷たい空気と、東から流れ込む台風北側の温かく湿った空気がぶつかって前線(降水帯)が発生したことでもたらされた[9]
1時間雨量
東京都大島町伊豆大島):122.5ミリ(16日3時53分まで)[7][10]大島町内では東京都設置の雨量計でも90 - 110ミリの猛烈な雨が観測されている[11]
24時間雨量
東京都大島町(伊豆大島):824ミリ(16日8時20分まで)[7][10]
暴風
最大瞬間風速
北海道襟裳岬:46.9m/s(16日12時11分)[10]千葉県銚子市:46.1m/s(16日8時19分)[10]宮城県江ノ島:45.5m/s(16日9時32分)[10]
最大風速
北海道襟裳岬:34.9m/s(16日12時36分)[10]宮城県江ノ島:33.6m/s(16日9時49分)[10]千葉県銚子市:33.5m/s(16日8時25分)[10]
降雪

台風から変化した温帯低気圧が太平洋を通過した関係で、北海道上空に強い寒気が流れ込み、道内173観測地点のうち74カ所で今季最低気温を観測、旭川市帯広市釧路市では前年より1カ月以上早い初雪を観測し、帯広市では帯広測候所に記録が残る1961年以降最も早い積雪(1センチ未満)を記録、遠軽町白滝では17日0時現在、30センチの積雪となった[12]
被害

台風26号による人的被害の状況[1]都道府県死者・行方不明者数負傷者数
死者行方不明重傷軽傷
03岩手県4
04宮城県12
07福島県1
08茨城県112
09栃木県117
10群馬県11
11埼玉県111
12千葉県1318
13東京都3731015
14神奈川県1211
15新潟県3
16富山県1
20長野県1
22静岡県153
23愛知県3
24三重県1
40福岡県1
合計40327103

人的被害

右表を参照。
住家被害

東京都・宮城県茨城県栃木県群馬県千葉県静岡県の7都県で合計86棟が全壊、61棟が半壊するという被害が出た。そのほか、16都県で合計947棟の一部破損、4都県で合計1,884棟の床上浸水、11都県で合計4,258棟の床下浸水の被害があった。[1]

政府は、10月18日に東京都大島町、10月23日に千葉県茂原市、10月25日に茨城県行方市への被災者生活再建支援法の適用を決定した(適用日はいずれも平成25年10月16日)。[13]

東京都は11月15日、大島町に対し、東京都被災者生活再建支援金支給と東京都災害援護資金貸付の実施を決定した。[14]
伊豆大島の土石流

16日、東京都大島町(伊豆大島)西部において、外輪山中腹が幅約950mにわたって崩落し、土石流ラハール[15][16])が発生した。土石流は西に向かって沢に沿うように河口部まで流れ、被害は長さ約1,200m、範囲は約114万m2に及んだ[17]。この土石流は、元町神達地区や元町三丁目といった集落を飲み込み、36人が死亡、22人が重軽傷を負い、3人が行方不明となっている(2014年1月15日現在)[1][18]

東京都は16日、大島町に災害救助法を適用した[19]
捜索活動伊豆大島を視察する、国土交通大臣(当時)の太田昭宏。10月19日撮影。

東京消防庁は、大島町から消防相互応援協定に基づく応援要請を受け、消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)や航空隊等を派遣し捜索救助活動に当たった。さらに東京消防庁は消防相互応援協定とは別に緊急消防援助隊の指揮支援隊も派遣した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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