平岩弓枝
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平岩 弓枝
(ひらいわ ゆみえ)
文化勲章受章に際して公表された肖像写真
誕生 (1932-03-15) 1932年3月15日
日本 東京府東京市渋谷
(現:東京都渋谷区
死没 (2023-06-09) 2023年6月9日(91歳没)
日本 東京都
職業小説家
脚本家
国籍 日本
ジャンル時代小説、現代小説、推理小説
代表作小説
『鏨師』(1959年)
『女の顔』(1969年 - 1970年)
御宿かわせみ』シリーズ(1974年 - 2006年)
『花影の花』(1990年)
『西遊記』(2007年)
ドラマ脚本
ありがとう』シリーズ(1970年 - 1973年)
肝っ玉かあさん』シリーズ(1968年 - 1972年)
女と味噌汁』シリーズ(1965年 - 1980年)
『下町の女』シリーズ(1970年 - 1974年)
新・平家物語』(1972年)
主な受賞歴直木三十五賞(1959年)
NHK放送文化賞(1979年)
吉川英治文学賞(1991年)
紫綬褒章(1997年)
菊池寛賞(1998年)
文化功労者(2004年)
毎日芸術賞(2008年)
文化勲章(2016年)
従三位(2023年・没時叙位)
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平岩 弓枝(ひらいわ ゆみえ、1932年3月15日 - 2023年6月9日)は、日本小説家脚本家長谷川伸門下。文化功労者文化勲章受章者。位階は従三位

『鏨師』(たがねし)で直木賞を受賞後、女の生き方を描いた国際色豊かな家庭物や恋愛物、推理物で人気を集め、他方でテレビドラマの脚本家として多くのヒット作を生み出した。その後時代小説に専念。永く活躍している。代表作に『御宿かわせみ』シリーズ、『はやぶさ新八御用帳』シリーズなどがある。
来歴・人物幼い頃の平岩(1939年昭和14年)頃)

東京・代々木にある代々木八幡宮宮司の一人娘として生まれた。渋谷区立富谷小学校を経て[1]太平洋戦争末期の1945年昭和20年)、伯母の実家がある福井県に疎開し[2]。そこでは福井高等女学校(現在の福井県立藤島高等学校)に通っていた[2]

戦後、東京に戻り日本女子大学附属高等学校に通い、そこで友人らと演劇部を結成して『安寿と厨子王』などをもとにした脚本を執筆・上演した[3]。なおその頃の同期には河内桃子などがいた[3]1955年昭和30年)に日本女子大学国文科を卒業した平岩は戸川幸夫に師事、その後長谷川伸主宰の新鷹会に入会。同門の先輩の伊東昌輝と結婚した[2]。伊東は平岩家の婿養子となり平岩昌利に改名し、代々木八幡宮の宮司を務めた[注 1]。娘の平岩小枝(こずえ)は代々木八幡宮の禰宜を務める。

1959年昭和34年)、『鏨師』が第41回直木賞を受賞。1974年昭和49年)には『御宿かわせみ』を発表し、その後も同シリーズの作品を次々と発表して30年以上にわたるベストセラーシリーズとした。

それと平行してTBSテレビドラマありがとう』シリーズ、『肝っ玉かあさん』シリーズ、TBS東芝日曜劇場女と味噌汁』シリーズ、『下町の女』シリーズやNHK大河ドラマ『新・平家物語』を始めとするテレビドラマの代表作や演劇の脚本を書くかたわら、小説も次々と発表している[2]

2023年6月9日間質性肺炎により東京都内の病院で死去した[5][6]。91歳没。死没日付をもって従三位に叙された[7][8]
翌7月に『平岩弓枝「御宿かわせみ」の世界』(文春ムック:オール讀物責任編集、文藝春秋)が追悼刊行された。
11月8日、都内でお別れの会が行われた。
年表週刊文春』 1959年12月14日号文春歌舞伎『京鹿子娘道成寺』の一場面。右から、加藤芳郎、平岩弓枝、小山いと子芝木好子五味康祐平林たい子森田たま

1959年(昭和34年)-『鏨師』で第41回直木賞

1979年(昭和54年)- 第30回NHK放送文化賞

1986年(昭和61年)- 第12回菊田一夫演劇賞大賞

1989年(平成元年)- 第9回日本文芸大賞

1990年(平成2年)-『花影の花』で第25回吉川英治文学賞

1997年(平成9年)- 紫綬褒章

1998年(平成10年)- 第46回菊池寛賞

2004年(平成16年)- 文化功労者

2006年(平成18年)- 渋谷区名誉区民[9]

2008年(平成20年)-『西遊記』で毎日芸術賞。7月日本経済新聞に『私の履歴書』を1か月間にわたり連載。

2010年(平成22年)-1987年から務めていた直木賞の選考委員はこの年で退任している[10]

2015年(平成27年)- 2009年1月(選考が2008年暮れに行われ1月1日に授与される回)(第50回)から務めていた毎日芸術賞の選考委員はこの年1月授与の第56回で退任している

2016年(平成28年)- 文化勲章 [11]

2018年(平成30年)- 白根記念渋谷区郷土博物館・文学館において「作家・平岩弓枝展」が開催された[12]

2020年(令和2年)- 2000年第34回から務めていた吉川英治文学賞の選考委員はこの年第54回(受賞作なし)で退任。

2023年(令和5年)- 間質性肺炎のため東京都内の病院で死去。91歳没。叙従三位

著作リスト
小説

『鏨師』新小説社、1959年 のち
文春文庫

『美女誕生』角川書店 1960年

その道は行き止り』東京文芸社 1961年 のち「女の足音」中公文庫

『黒い扇』東京文芸社 1961年 のち角川文庫

『アキとマキの愛の交換日記』正続 集英社 1966年-1967年 のち文庫コバルト

『若い真珠』集英社 1966年 のち文庫コバルト、文春文庫

『旅路』第1-3部 東京文芸社 1967年-1968年(NHK朝の連続テレビ小説『旅路』原作)のち角川文庫

『信号は青』集英社(コバルト・ブックス)1967年 のち文庫コバルト

『海とみさきの青春』集英社(コバルト・ブックス)1967年 のち文庫コバルト

『女と味噌汁』現文社(シスター・ブックス)1967年 のち集英社文庫

『赤絵獅子』人物往来社(歴史小説選書)1967年

『華やかな魔獣』集英社(コンパクト・ブックス)1967年 のち文庫

『がんばれ良比古ちゃん』主婦と生活社 1968年

『おんなみち』講談社 1969年 のち文庫

『十二年目の初恋』東京文芸社 1969年

『花房一平捕物夜話』東京文芸社 1969年

『若い海峡』集英社(コバルト・ブックス)1969年 のち文庫コバルト、文春文庫 

『女の顔』文藝春秋 1970年 のち文庫

日野富子読売新聞社 1971年

『藍の季節』文藝春秋、1971年 のち文庫

『親なし子なし』毎日新聞社 1971年

肝っ玉かあさん』文藝春秋 1971年 のち文庫(テレビドラマ原作)

『かまくら三国志』文藝春秋 1972年 のち文庫

『花嫁の日』講談社 1972年 のち文庫

『下町の女』文藝春秋 1972年 のち文庫

『花のながれ』文藝春秋 1972年 のち文庫

『彩の女』文藝春秋 1973年 のち文庫

『あした天気に』文藝春秋 1973年-1974年 のち文庫

『夜の桜』東京文芸社 1973年

『湯の宿の女』東京文芸社 1974年 のち角川文庫

『女の気持』中央公論社 1974年 のち文庫

御宿かわせみシリーズ
『御宿かわせみ』毎日新聞社 1974年 のち文春文庫

『江戸の子守唄』毎日新聞社 1975年 同

『水郷から来た女』毎日新聞社、1977年 同

『山茶花は見た』毎日新聞社、1977年 同

『幽霊殺し』文藝春秋、1982年 のち文庫

『狐の嫁入り』文藝春秋、1983年 同

『酸漿は殺しの口笛』文藝春秋、1986年 同

『白萩屋敷の月』文藝春秋、1986年 同

『一両二分の女』文藝春秋、1987年 同

『閻魔まいり』文藝春秋、1988年 同

『二十六夜待の殺人』文藝春秋、1988年 同

『夜鴉おきん』文藝春秋、1989年 同

『鬼の面』文藝春秋、1989年 同

『神かくし』文藝春秋、1990年 同

『恋文心中』文藝春秋、1990年 同

『八丁堀の湯屋』文藝春秋、1991年 同

『雨月』文藝春秋、1992年 同

『秘曲』文藝春秋、1993年 同

『かくれんぼ』文藝春秋、1994年 同

『お吉の茶碗』文藝春秋、1995年 同

『犬張子の謎』文藝春秋、1996年 同

『清姫おりょう』文藝春秋、1996年 同

『源太郎の初恋』文藝春秋、1997年 同

『春の高瀬舟』文藝春秋、1998年 同

『宝船まつり』文藝春秋、1999年 同

『長助の女房』文藝春秋、1999年 同

『横浜慕情』文藝春秋、2000年 同

『佐助の牡丹』文藝春秋、2001年 同

『初春弁財船』文藝春秋、2001年 同

『鬼女の花摘み』文藝春秋、2002年 同

『江戸の精霊流し』文藝春秋、2003年 同

『十三歳の仲人』文藝春秋、2004年 同

『小判商人』文藝春秋、2005年 同

『浮かれ黄蝶』文藝春秋、2006年 同

新・御宿かわせみ』文藝春秋 2008年 同

『華族夫人の忘れもの 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2008年 同

『花世の立春 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2010年 同

『蘭陵王の恋 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2013年 同

『千春の婚礼 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2015年 同

『お伊勢まいり 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2016年 同

『青い服の女 新・御宿かわせみ』文藝春秋 2017年 同


『へんこつ』文藝春秋 1975年 のち文庫(曲亭馬琴が主役)

『この町の人』文藝春秋 1975年 のち集英社文庫(テレビドラマ原作)

『女の四季』東京文芸社 1975年 のち角川文庫

『花天女』中央公論社 1975年 のち文庫

『ハサウェイ殺人事件』東京文芸社 1975年 のち集英社文庫(短編集)

『密通』東京文芸社 1975年 のち角川文庫

『女ぶり』文芸社 1976年

『女の旅』文藝春秋 1976年 のち文庫

『結婚のとき』講談社 1976年 のち文庫

『絵島の恋』東京文芸社 1977年

『女の河』文藝春秋 1977年(テレビドラマ原作)新装版 上下 2013年

『小さくとも命の花は』文藝春秋 1977年 のち文庫

『やきもの師』東京文芸社 1977年 のち集英社文庫

『五月の女』文藝春秋 1977年 のち文庫

『女の家庭』主婦の友社 1978年 のち文春文庫

『風子(ふうこ)』新潮社 1978年 のち文庫(テレビドラマ原作)

『結婚の四季』講談社 1978年 のち文庫

『火の航跡』朝日新聞社 1978年 のち文春文庫

『日蔭の女』文藝春秋 1978年 のち文庫

『呪いの家 花房一平シリーズ』東京文芸社 1978年 「釣女」「女櫛」集英社文庫

『女の幸福』文藝春秋 1978年 のち文庫

『日本のおんな』新潮社 1979年 のち文庫

『午後の恋人』文藝春秋 1979年 のち文庫

『わたしは椿姫』講談社 1979年 のち文庫(短編集)

『他人の花は赤い』文藝春秋 1979年 のち文庫

『女のそろばん』読売新聞社 1979年 のち集英社文庫

『風の墓標』新潮社 1979年 のち文庫

『江戸の娘』東京文芸社 1979年 のち角川文庫

『女たちの家』文藝春秋 1980年 のち文庫

『女たちの海峡』文藝春秋 1981年 のち文庫

『天の花地の星 日本のおんな』新潮社 1981年 のち文庫

『花の影』文藝春秋 1981年 のち文庫

『花祭』講談社 1981年 のち文庫

『結婚飛行』集英社 1981年 のち文庫

『色のない地図』文藝春秋 1981年 のち文庫

『風祭』角川書店 1983年 のち文庫

『花ホテル』新潮社 1983年 のち文庫

『湖水祭』サンケイ出版 1983年 のち文春文庫

『橋の上の霜』新潮社 1984年 のち文庫

『祝婚歌』文藝春秋 1985年 のち文庫

『青の伝説』講談社 1985年 のち文庫

『白い序章』中央公論社 1985年 のち文庫

『青の回帰』講談社 1985年 のち文庫

『女の暦』東京文芸社 1986


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