常翔啓光学園中学校・高等学校
(2010年〈平成22年〉5月撮影)
常翔啓光学園中学校・高等学校(じょうしょう けいこう がくえん ちゅうがっこう・こうとうがっこう、英: Josho Keiko Gakuen Junior and Senior High School)は、大阪府枚方市禁野本町にある私立の中学校・高等学校。昭和30年代にカトリック教会系中高一貫教育男子校として創立し、全国高校ラグビー制覇7回の名門「ロイヤルブルー軍団」で有名だった[1]が、少子化で生徒が集まらず、平成末期2013年度より大阪工業大学など運営の学校法人常翔学園の傘下となった。略称は「啓光学園」「啓中」「啓光」。 1957年(昭和32年)、カトリックの聖クラレチアン宣教会を母体とする学校法人啓光学園により啓光学園中学校が、1960年に啓光学園高等学校が設置。2000年代半ばまでミッションスクールとして教育活動を続けてきた。 しかし、少子化進行で生徒確保が困難となり、2007年(平成19年)11月27日、学校法人啓光学園は、中学から大学までの「一貫教育体制」を実現して教育機関としての魅力を高め、勝ち残りを目指すとして、学校法人常翔学園と連携協定を締結。常翔学園のグループ校となり、校名も翌2008年度に改称した(現在の校名)。その後、学校経営から聖クラレチアン宣教会が撤退し宗教色もなくなり、2013年度より常翔学園による設置校となった。 校地のある枚方市は、かつて未開発地が多かったため太平洋戦争に伴い、市中央部に大阪陸軍兵器支廠禁野倉庫や陸軍造兵廠大阪工廠枚方製造所、東京第二陸軍造兵廠宇治火薬製造所香里工場が建設された。この軍用地に戦後1950年代の高度経済成長時代に「中宮団地」と「香里団地」が日本住宅公団により建てられ、市北部の排水不良水田も住宅地「くずはローズタウン」として1968年に分譲[2]されるなど、全国有数の人口急増都市[3]として、大阪府4番目の人口を抱えるまでに膨らんでいった。 一方で1950年代当時、枚方市に高校は大阪市立高等学校1校しか立地しておらず、初代市長の寺嶋宗一郎が高校増設を求め活動。これに応じた聖クラレチアン宣教会が、アメリカ管区の信者からの寄付をもとに、狭い土地ながらも校地を買収した[4]。 初代校長ホセ・ガルデアノによると、大阪府庁の部長から「学校設置を認めるが、最低12万ドル基金が必要」と言われたため、送金された証明書をイタリアローマから取り寄せ、設置に漕ぎ着けた[4]。 当時、私学への助成金は皆無のため、ガルデアノ校長は「私学の偉大さは建物ではなく教育の中身にある」の信念で活動を続けたが、不足の校地を拡充するためアメリカやメキシコ、ドミニカなどの信者から再び寄付を集めたり、周辺地の所有者宅を訪問し続けて土地を買収したりして、「1万2000坪に鉄筋コンクリート3階建てと2階建て延べ550坪」の校舎が完成し開校した[4]。
概要
沿革
「建物ではなく教育の中身にある」信念