常磐快速線
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常磐快速線

快速線区間を走るE231系0番台
(2019年3月20日 松戸駅 - 金町駅間)
基本情報
通称上野東京ライン(上野駅発着を除く)
日本
所在地東京都千葉県茨城県
区間上野駅(一部東京駅経由品川駅)- 取手駅
駅数10駅
経由路線(東北本線)、常磐線、(成田線
路線記号JJ(品川駅 - 東京駅はJT)
所有者東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者東日本旅客鉄道(JR東日本)
使用車両使用車両節を参照
路線諸元
路線距離39.6 km
軌間1,067 mm
線路数複線
電化方式直流1,500 V
架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-P
最高速度130 km/h[注 1]
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常磐快速線(じょうばんかいそくせん)は、東京都台東区上野駅から茨城県取手市取手駅までの東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線の運転系統及び旅客案内上の名称である。駅ナンバリングで使われる路線記号はJJ。路線案内上では「常磐線(快速)」と表示される。

運転系統上の「常磐線快速」は、東北本線上野駅 - 日暮里駅間と常磐線日暮里駅 - 取手駅間を直通する上野駅 - 取手駅間の系統を指す[2]成田線の我孫子支線である我孫子駅 - 成田駅間や、2015年3月14日からは、一部列車が上野東京ラインを経由して東海道本線東海道線品川駅まで乗り入れており[3]、品川駅 - 上野駅間や我孫子駅 - 成田駅間も系統上の一区間として扱われる場合もある。綾瀬駅 - 取手駅間は複々線化されており、緩行線は「常磐緩行線」と呼ばれ、綾瀬駅からは東京メトロ千代田線相互直通運転を行っている。

本記事では「常磐線快速」および品川駅 - 取手駅間の「常磐線(中距離列車、中電)」の運行形態について記述する。
概要

東京都心から北千住千葉県北西部(東葛地域)の松戸市柏市我孫子市天王台といった東京のベッドタウンを経由して、茨城県南部の取手市へ延びる。全区間が東京への通勤・通学路線としての役割をもつ。

常磐線は北千住駅から取手駅までが線路別複々線で、快速線綾瀬駅 - 金町駅間では緩行線の南側、金町駅 - 取手駅間では緩行線の北側に配置されている。常磐線快速はこの複々線の快速線を走行する。緩行線との乗り換えにはホーム間の移動を要する。

常磐線は日本国有鉄道(国鉄)時代の1971年に、通勤五方面作戦の一環として、綾瀬駅 - 我孫子駅間が複々線化された。同時にそれまで各駅停車として上野駅 - 取手駅間で運転されていた電車との緩急分離が行われ[4]、以降は、各駅停車が走行する線路が常磐緩行線中距離列車・特急や急行などの優等列車貨物列車とこの時新設された快速電車が走行する線路が常磐快速線と呼ばれるようになった。その後1982年には複々線区間が取手駅まで延伸されている[4]。常磐線が複々線になったことにより、千葉県北西部からの通勤アクセスが向上した。

上野駅から取手駅までは直流電化だが、取手駅の隣にある藤代駅より北は沿線の茨城県石岡市柿岡にある気象庁地磁気観測所の観測に直流電化方式が影響を及ぼすという事情から交流電化が採用され、取手駅と藤代駅の間にデッドセクションが設けられている。そのため、取手駅止まりの一般型列車や我孫子駅から直流区間の成田線に直通する列車には緑色のラインをまとった直流電車のE231系が用いられるが、藤代駅以北の交流区間にまで乗り入れる一般型の中距離列車には青色のラインをまとった交直流電車E531系を用いる必要があり、交直流電車は車両コストが高いことから使い分けがなされている。

2009年度における松戸駅→北千住駅間のピーク1時間(ラッシュ時)の輸送量は、快速電車が34,480人、中距離列車が32,240人で合計66,720人である。同時間帯・同区間の混雑率は快速電車が173%、中距離列車が179%であり、両者の平均は176%となっている[5]。これはおおよそ「体が触れ合うが新聞は読める」程度の目安とされている180%[6]に近い数字である。
歴史複々線化までの沿革については「常磐緩行線#複々線化の沿革と問題」を、
複々線化後の停車駅の変遷については「#「快速」への呼称統一」を参照
運行形態停車駅表

常磐快速線の旅客列車は、特急、上野駅 - 取手駅間で運転される快速電車と、取手駅を越えて土浦・水戸方面に直通する中距離列車(“普通”と“特別快速”)の3つに大別される。常磐快速線のいかなる列車も、北千住駅 - 取手駅間の緩行線を経由しない。

2024年3月14日現在、快速電車と中距離列車(普通)の停車駅は統一され、案内も「快速」に統一されているが、車両運用は区別されており、快速電車はエメラルドグリーンと黄緑の2色(■■)の帯が巻かれたグリーン車のない車両、中距離列車はグリーン車を組み込んだ青一色(■)の帯が巻かれた車両が使用されている。前者は直流電化区間のみで運用されることから直流電車、後者は取手駅を越えて土浦・水戸・勝田方面の交流電化区間に乗り入れることから交直流電車が用いられている。

以下、本記事では快速電車と中距離列車(普通)で特に区別する必要がない場合は「快速」と記述する。

上野駅 - 取手駅間の快速の標準的な所要時間は約40分、最速は快速で39分、普通で38分となっている。2006年3月18日のダイヤ改正で、日中時間帯(11時台から14時台)のダイヤが不等間隔ながらもパターン化され、上野駅 - 我孫子駅間では快速が1時間に6本(快速電車と中距離列車が3本ずつ)、特別快速が1本の運転となった[7]。2022年3月12日のダイヤ改正で特別快速の運転が大幅に削減され、快速電車と中距離列車3本ずつの運転となった。我孫子駅 - 取手駅間は成田線直通電車が抜けるため、昼間の快速は合わせて5本であり、その部分は運転間隔も上りで13 - 17分、下りで20分開く。日中時間帯や土休日夜間は快速電車と中距離列車がほぼ交互に運転されるが、それ以外の時間帯では快速電車の運転比率が高い。
快速電車

この節では、品川駅・上野駅 - 取手駅間を走る快速電車(かつての国電、のちのE電)について解説する。

1971年4月20日の複々線化によって上野駅 - 取手駅間を運転していた各駅停車がすべて地下鉄千代田線直通となり、上野駅発着列車の輸送力不足を解消するために新設された系統である。列車番号の末尾は「H」。エメラルドグリーン一色の車体を持つ103系電車が主力だった頃は、国鉄監修・JTB時刻表の常磐快速線のページには「青色の電車」と記載があり、「青電」と呼ばれることもあった。

停車駅は1972年10月2日柏駅が追加されて以降、変更はない。1982年11月15日の我孫子駅 - 取手駅間の複々線化の際、当初は天王台駅を通過する予定であったが、利用者の反発により停車することになった[8]

日中時間帯(11 - 14時台)は1時間に2 - 3本運行されており、この時間帯の発車時刻は上野発は毎時02分・22分(いずれも取手行き)・42分(成田行き)に統一されている。取手発は毎時03分・27分で、もう1本が成田線からの直通電車である(我孫子発は毎時57分)。朝夕時間帯は本数が多くなる。

一部電車は我孫子駅から成田線に乗り入れ、成田駅まで直通運転している(一時期は朝夕のみだったが、2006年3月18日のダイヤ改正で日中の時間帯の直通運転が再開された)。我孫子駅で連結・切り離し作業をする列車では、同駅で停車時間が長めに取られている列車もある。

途中駅のうち始発・終点となる電車の設定があるのは松戸駅と我孫子駅で、いずれも上野駅との間の運行が主体である。かつては下り方より途中駅(主に我孫子駅)で折り返す電車の設定もあったが、現在は設定されていない。

朝の上り5本(土休日は2本)と夕方 - 夜間の一部(16・17時台 - 21・22時台まで、1時間に2 - 3本)は品川駅発着で運転されている。また、朝の品川行きの折り返し電車は運転せず、一部を夕方まで車両基地に留置するようになったため、朝の下り電車と夕方の松戸駅・我孫子駅の出庫電車が削減された。

大晦日から元日にかけての終夜運転は実施されず、常磐線各駅停車のみ(我孫子駅発着・東京メトロ千代田線直通)の運転となる(2020年は運転計画は立てられたものの中止となり、2021年度は運転計画自体が立てられなかった)。
中距離列車

常磐線は、複々線化される前は各駅に停まる電車(国電)と、一部の駅にしか停まらない普通列車(中距離列車)が設定されていた。列車番号の末尾は「M」。かつてはアズキ色の塗装が施されていたため、快速電車の「青電」との対比で「赤電」や、中距離電車の略で「中電」とも呼ばれた。なお、その後塗装は国際科学技術博覧会の開催決定(1985年に茨城県で開催)を機に白地に青帯に変更されている[9]

1971年昭和46年)に綾瀬駅 - 我孫子駅間が複々線化され、上野駅発着の常磐快速線と、営団地下鉄千代田線(現在の東京メトロ千代田線)に乗り入れる常磐緩行線が分離された。このとき、従来の「電車」(各駅停車)は、複々線区間においては緩行線を走行し、綾瀬駅から千代田線へ直通させることとなった。この「常磐緩行線上を走行する電車」は各駅停車と呼ばれるようになり、取手駅を越えて土浦駅水戸駅方面へ行く中距離普通列車と区別する際に使われる言葉となった。そして中距離列車は、複々線区間においては快速線上を走行することになった。

現在、中距離列車は“普通”のほか、2005年7月9日より設定された“特別快速”の2種別が運行されている。前者は前述の快速電車と停車駅を統一したことから、常磐快速線内の案内名称が「快速」に変更されている[10]。日中時間帯(11 - 14時台)の上野発は12分・32分・52分(全て品川発)に、取手発品川行は毎時21分・42分・59分(11時台は56分)に統一されている。上野東京ライン直通はほぼ終日に渡り設定されている(上野東京ライン開業時から2017年10月ダイヤ改正までは日中から夕方にかけてのみ設定されていた)。また、朝の下りと終電の各1本ずつ我孫子駅発着列車があり、上りの終電は直後の快速電車上野行きに接続している。さらにこの快速電車から松戸駅で北千住行き最終各駅停車にも接続している。

特別快速は、2005年7月9日の設定当初は5.5往復で[11]、2006年3月18日から2022年3月11日までは6往復が運転されていた。上野駅 - 取手駅間では日暮里駅・松戸駅・柏駅のみに停車し、取手駅以北は各駅に停車するダイヤとなった。最高速度は首都圏の普通列車で初の130km/hとされ、標準の所要時間は上野駅 - 土浦駅間55分、当線内の停車駅と上野駅間の所要時間は松戸駅15分、柏駅23分、取手駅31分であった[11]。2015年3月14日のダイヤ改正より北千住駅に停車するようになり、所要時間はやや延びている(上野駅発着の所要時間は、北千住駅9分、松戸駅17分、柏駅25分、取手駅33分)。2022年3月12日のダイヤ改正で、上りは取手発9・10時台、下りは上野発15・16時台の2往復のみの運転となった。特別快速の運行開始の背景には並行路線となった首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスの開業が挙げられる。つくばエクスプレスが高速運転を行ったのに対抗して設定され、当時新型のE531系が充当された。

1991年3月16日の改正より、平日の朝の上りと毎日夕方の下りに通勤快速が運行されていた[12]。本数は朝上り最大3本・夕方下り1本であった[12]が、2005年7月9日より朝上り2本のみに削減され、2006年3月18日改正をもって普通列車に置き換えられ、すべて廃止された。上野駅 - 土浦駅間の停車駅は日暮里駅・松戸駅・柏駅・取手駅・牛久駅であった[12]

このほか、2019年まで8月にひたちなか市国営ひたち海浜公園で開催されたROCK IN JAPAN FESTIVALの観客の帰宅の足として臨時快速列車が運転されていた。2011年までの当線内の停車駅は、上りは取手駅・我孫子駅・柏駅・松戸駅・北千住駅・日暮里駅・上野駅である[13]


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