この項目では、峡谷の帝釈峡について説明しています。
中国自動車道の帝釈峡パーキングエリアについては「帝釈峡パーキングエリア」をご覧ください。
帝釈峡(たいしゃくきょう)は、中国山地に位置する広島県北東部の庄原市及び神石郡神石高原町にまたがる、全長18キロメートルの峡谷。国の名勝(1923年)に指定されており、比婆道後帝釈国定公園の主要景勝地。目次
1 概要
2 自然
2.1 雄橋
2.2 断魚渓
2.3 鬼の唐門・鬼の供養塔
2.4 白雲洞
2.5 幻の鍾乳洞
2.6 鬼の岩屋
3 神竜湖(帝釈川ダム)
4 特記事項
4.1 神竜湖遊覧船沈没事故
4.2 観光上の問題点
5 交通
6 帝釈峡が登場する作品
6.1 文学作品
6.2 映画作品
7 出典
8 関連項目
9 外部リンク
概要 夏の帝釈峡
日本百景の一つ。三段峡と共に広島県を代表する景勝地として知られ、国内有数の峡谷でもある。地元では日本五大峡の一つと謳っている。五大峡の他の4つは確定していないという説もあるが、広島県道路企画課の公式見解によるとそれらは長門峡(山口県山口市及び萩市)・豪渓(岡山県総社市及び加賀郡吉備中央町)・寝覚の床・(長野県木曽郡上松町)・昇仙峡(山梨県甲府市)である[1]。
神竜湖湖上には遊覧船が就航し、帝釈川ダム付近まで遊覧する。探勝歩道と呼ばれる遊歩道も整備されており、いくつかの橋を渡りながら風景を楽しめる。寄倉岩陰遺跡を中心に、縄文時代から鎌倉時代の遺物も出土しており、神竜湖ほとりに歴史民俗資料館として展示している。観光ホテルや休暇村など宿泊・観光施設も充実している。毎年4月には「帝釈峡湖水開き」が神竜湖で開かれ、湖上でのくす玉割り等が行われ、秋には紅葉祭りが開催される[2]。 神竜湖は春の新緑、秋の紅葉が素晴らしい見応えで、秋になると紅葉狩りの名所となる。水鳥も飛来し、人造湖とは思えないたたずまいを見せる。 石灰岩台地が深く浸食されて形成されたカルスト地形が広がり、深度は200-300メートル。特に石灰岩が溶食されてできた天然橋「雄橋」(おんばし)は同峡谷最大のハイライト。ほかに白雲洞などの鍾乳洞も見られる。 上帝釈の駐車場から、神竜湖まで1974年に全長6キロメートルの遊歩道が整備され自転車で神竜湖まで観光することが出来たが、落石のために1996年より雌橋・素麺滝の手前から1.7kmの区間が通行止めになった。2000年に通行止め区間の山岳迂回路が完成したが、急峻な歩道なので自転車での通行はできない。 雄橋は河川の水が長年に亘って石灰岩を侵食することによって形成された天然橋であり、帝釈峡の名勝指定とは別に、独自で天然記念物の指定を受けている。日本百名橋の一つ。町は特別天然記念物への格上げの運動を行っている[3]。 雄橋から300メートルほど下流に向かうと遊歩道の直下に断魚渓がある。帝釈川が輝緑凝灰岩の地層を侵食し、帝釈峡の中でも最も急流をなし魚が遡上
自然
雄橋詳細は「雄橋」を参照 雄橋
断魚渓 断魚渓
鬼の唐門・鬼の供養塔 鬼の唐門
鬼の唐門は高さ約8メートルの天然橋で、古い鍾乳洞が崩落して入り口だけが残ったものと考えられている。門の上の方に「鬼の窓」と呼ばれる4メートルほどの穴が開いている。
鬼の供養塔は、陰陽二鬼神の供養塔と言われる約10メートルの石柱である。
白雲洞 帝釈峡に整備された遊歩道。路面は舗装されておらず、ロードバイクよりクロスバイクの方が無難。レンタルサイクルもある。
雄橋のやや上流にある鍾乳洞。遊歩道より少し登った断崖に入り口があり、200メートルほどが観光化されている。最も広い部分は高さ20メートル幅5メートルの空間がある。内部は平たんで温度も11度前後に保たれている。