『帝国行進曲』(ていこくこうしんきょく、Imperial March)作品32は、エドワード・エルガーが作曲した管弦楽のための行進曲。1897年のヴィクトリア女王の在位60周年記念式典のために作曲された。 1896年、式典に合わせてゲオルギオスと竜の伝説に基づくカンタータ、並びに『帝国行進曲』を作曲して欲しいという出版社のノヴェロ社
概説
当時はまた出世作の『エニグマ変奏曲』や行進曲『威風堂々』が世に出る前であったが[3]、人気を獲得したこの楽曲は当時の聴衆の心に強い印象を与え、エルガーの名前がロンドンで広く知られるきっかけとなった[4]。 フルート2、(第2奏者はピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ3、打楽器(大太鼓、シンバル、小太鼓)、弦五部[5]。 曲は厳かな静けさに始まる(譜例1)。しかし、間もなくアニマート 譜例1 中間部では変ホ長調となり、第1ヴァイオリンとクラリネットに譜例2が歌われる。 譜例2 譜例1が回帰し、その後譜例2に導かれてコーダとなる。譜例1などを用いたコーダが簡潔に、しかし堂々と曲を結ぶ。 演奏時間は約5分[3]。 注釈^ これが女王の即位60周年記念式典であった。 出典^ Moore, p.219
楽器編成
楽曲構成
脚注
^ Kennedy, p.283
^ a b Reisig, Wayne. Imperial March, for orchestra, Op. 32