帝国アハト刑(ていこくアハトけい、ドイツ語: Reichsacht、ライヒスアハト)とは、神聖ローマ帝国内で行われた法益剥奪刑。帝国平和喪失刑とも称され、神聖ローマ皇帝や帝国議会などがこれを決定した。achten(無法者・無法者になる)とも。 ゲルマン古法のアハトに由来する。アハトは絶対的平和喪失、フェーデは相対的平和喪失とみられた。 帝国アハト刑に処せられた者は、帝国内における全ての法的権利や財産を剥奪される。受刑者は基本的に死人とみなされ、誰との交流もできず、援助もされない。恩赦によってのみ救済され得る過酷な刑罰であった。 神聖ローマ帝国内の領主はたびたびこの刑を受けた。対象となった領主の領邦は周囲の領邦から征服されることになったばかりではなく、その領民もその保有する債権を破棄される好機として利用されることがあった[1]。マルティン・ルターもこの刑を受けたことで有名である。
概要
出典^ ⇒「U・シュトローマ家乗考:水車製紙創業記録に視点を定めて」荒井皓士(一橋大学研究年報、人文科学研究1980.6.30) P.20(PDF文書)
参考文献
ミッタイス・リーベッヒ著・世良晃志郎訳『ドイツ法制史概説』(創文社、1971年、ISBN 4423740168)
関連項目
生ける死体 - ゲルマン民族の法慣習。死者の権利能力。死者は刑事事件や財産分与などで権利能力を有した。
プロスクリプティオ - 法の保護の対象外とする人物の名簿を公示する措置。共和政ローマで実施され、公示された人物の財産を没収しても罪に問われないとされた。
アウトロー
非人
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