市民プラットフォーム
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ポーランド政党市民プラットフォーム
Platforma Obywatelska(PO)
党首ドナルド・トゥスク
成立年月日2001年1月11日
セイム 議席数127 / 460   (28%)(2023年10月15日[1]
セナト 議席数39 / 100   (39%)(2023年10月15日[2]
政治的思想・立場中道[3][4] - 中道右派
キリスト教民主主義
自由主義
EU
親欧州主義
国際組織欧州人民党(EPP)
公式サイト ⇒Platforma Obywatelska
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市民プラットフォーム(しみんプラットフォーム、Platforma Obywatelska)は、ポーランド政党。略称:PO(ペ・オ)。党首ドナルド・トゥスク市民連立の一部である。

欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会(EP)では中道右派欧州人民党に所属している。
概要2015年総選挙における政党支持地域別(郡別)分布地図
PiS=法と正義
PO=市民プラットフォーム
PSL=ポーランド農民党

オレホフスキ(Andrzej Marian Olechowski)とトゥスク(Donald Tusk)、プワジンスキ(Maciej P?a?y?ski)の3人が中心となり2001年1月に結成された(政党登録は2002年3月5日)。自由連合(UW)から旧自由民主会議(KLD)系の大部分と「連帯」選挙行動(AWS)内の保守キリスト教系組織である保守人民党(SKL)の主要メンバーがPOに参加、中道右派穏健主義の立場を採っている。支持層は大都市の高学歴層、高所得者層、西部・北部地域の住民が主体で、経済界、金融、企業家等の支持も厚い。

同時期に結成された他の党(右翼政党の「法と正義」および極右政党のポーランド家族同盟)に比べて支持をのばした。2001年の議会選挙では得票率12.68 %で第2党となり、その後2005年の議会選挙では「法と正義」に敗れたものの、続く2007年の議会選挙では得票率41.5%を獲得して第1党となり、結党以来初めて政権の座についた(ポーランド農民党との連立政権)。以来、社会とのバランスを重視する穏健な中道右派政党としての色合いを強めている。

地方議会においても、2010年11月に行われた統一地方選挙の結果、県議会と郡議会および市議会でいずれも第一党となった。県別でみた場合では、西部から中部に及ぶ13県議会で最大勢力となり、連立パートナーである農民党も含めると16県議会全てで過半数を確保した[5]

2011年10月、任期満了に伴って実施された議会選挙では下院で前回より得票率で2%余、議席数は2議席減となったものの、第1党を維持することに成功した。また上院では6割を上回る議席数を獲得して圧勝した。農民党との合計で下院の過半数も上回ったことから、民主化以降のポーランドで初めて与党の政権続投を確実にした。11月19日、下院で内閣信任決議が承認され、第2次トゥスク内閣が正式に発足した[6]

2013年8月、約4万2千人の党員の直接投票による党首選挙が行われ、首相で現党首のトゥスクが八割近い得票を集め、対立候補のゴヴィン元法相を退けて再選を果たした[7]。敗れたゴヴィンは、トゥスクが進める社会保険庁や年金改革に対する不満を理由として9月、POを離党した[8]。トゥスクはその後、欧州理事会議長に転身。エバ・コパチが後任の党首・首相に就任した。

2015年10月25日のポーランド議会選挙(英語版)で法と正義が上下両院で過半数を獲得し[9]、圧勝した。コパチ率いるPOは惨敗を喫し、8年ぶりに下野することとなった。翌2016年1月、スヘティナ(Grzegorz Schetyna)が党首に就任した[10]
政策
一貫した穏健主義の理念

中道右派と称され、伝統と自由のバランスを重視した穏健主義を掲げている。左右どちらに関わらず一切の急進主義過激主義)を排除することが党の綱領に明記されている。その主張にはキリスト教民主主義とリバタリアン保守主義の両方の要素がみられるが、そのどちらにも与せずあくまでバーク的な穏健主義の方針を貫く政党である。党首のドナルド・トゥスクは、「政治において最も大事なことは『信用(Trust)』である」としており、そのための基本的理念が穏健主義である。ノーラン・チャートでは右下の保守主義にあたる。この場合の保守主義(conservatism)は穏健主義(moderatism)や漸進主義(gradualism)と同義であり、守旧派であることを意味しない。これは奇しくもエドマンド・バークの求めた保守主義と全く同じで、ポーランドではポーランド・リトアニア共和国の「黄金の自由」やポーランド分割期の「有機的労働」運動という政治的経験を通じてバークと同様の穏健保守思想がイギリスとは別個に発達していた。このポーランドの穏健保守思想はヨーロッパ最初の成文民主憲法である「ポーランド1791年5月3日憲法」の思想的基礎ともなっている。
大統領制反対 

最大のライバル政党である法と正義が掲げている、現在の議院内閣制から大統領制へ移行するという案に強く反対しており、議院内閣制の維持を主張している。
穏健な社会改革

社会政策では自由主義世俗主義に軸足を置く一方で、伝統を重んじるキリスト教民主主義との妥協を容認する。信仰心の篤いポーランド社会のより大幅な世俗主義への転換を目指しているが、現在のポーランド国民の感覚にそぐわないような世俗化を求めるような事態は避けている。年金医療教育制度改革に積極的である。また、少数の保守主義者から強い反対の声が上がっている首都ワルシャワの毎年の恒例行事「プライドパレード」を積極的に擁護している一方、同性婚に関しては反対の意見が多いポーランドの世論に鑑みその制度化は時期尚早だとしている。
経済のスペシャリスト

経済政策ではジョン・メイナード・ケインズリチャード・カーンジョーン・ロビンソンミハウ・カレツキなどケンブリッジ・ケインジアン的な要素が見られ、イギリスのような、社会主義新古典派・ケインズ総合(アメリカ・ケインジアン)を組み合わせたいわゆる第三の道ともかなり異なる形で現実の政策を立案することを志向している。
自由化を巡る対立

2011年に党員のヤヌシュ・パリコットがリバタリアニズム的色彩を強めて急進的自由化改革を唱え党執行部と対立して脱党、急進的リバタリアン政党「パリコット支持運動」を結成、オーストリア学派や新古典派経済学の一部に見られる「小さな政府」志向を明確に打ち出し社会・経済両面での急進的自由化を訴えた。


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