この項目では、意匠・紋章について説明しています。
その他については「巴 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典検索?: "巴"
巴(ともえ)は、コンマあるいは勾玉のような形をした日本の伝統的な文様の一つ、または、巴を使った紋の総称。巴紋(ともえもん)ともいう。家紋や神紋・寺紋等の紋としても用いられ、太鼓、軒丸瓦などにも描かれる。
「ともえ(ともゑ)」の起りには、弓を射る時に使う鞆(とも)を図案化したもので、もとは鞆絵であるという説、勾玉を図案化したものである[1]などの説がある。
その後、水が渦を巻くさまとも解釈されるようになり、本来、中国では人が腹ばいになる姿を現す象形文字の巴という漢字が、形の類似から当てられた。水に関する模様であることから、平安末期の建物に葺かれた軒丸瓦などに火災除けとして、巴紋を施した。後には特に武神である八幡神の神紋として巴紋(特に三つ巴)が用いられるようになり、さらには他の神社でも巴紋が神紋として用いられるようになった。 単独の巴という紋もあるが、数・形状・向き、などにより多くの種類が紋として作られ、用いられてきた。 1つから3つの巴を円形に配し、それぞれ 一つ巴(ひとつどもえ)、二つ巴(ふたつどもえ)、三つ巴(みつどもえ)と言う。ほかに「九曜」の配置に三つ巴を9つ並べた「九曜巴」(板倉巴)、三つ巴の内側輪郭のみを残した「抜け巴」、尾の長い「尾長三つ巴」などがある。「三つ巴」(みつどもえ)という言葉は、3つの勢力が拮抗し、鼎立している様子という意味にも用いられる。 また、巴紋そのものではなく異なる種類の紋において、例えば、藤紋の「一つ藤巴」のように渦を巻くように配置されたものを「 - 巴」などと呼ぶものもある。 家紋における巴紋の左右呼称問題は長い間、家紋研究において最大の論点である。巴紋には細い部分(仮に尾)から円い部分(仮に頭)に至る進行方向が時計回りのものと、その逆の反時計回りのものがあり、用法などにおいて区別がされることも多い。家紋に関する現在の著書[2][3]などではそれらに右と左の名を与えた名称が用いられるがそれがどちら向きのものを意味するかは時代や文献などにもより、必ずしも一定していない。 家紋を描く上絵師は、その技法上の理由から尾が流れてゆく方向に従って名称としており、簡単な見分け方として親指を外に出して拳を握った時、左巴は左手の親指が指し示す方向、右巴は右手の親指が指し示す方向を参考とする。歴史的にはこの使用例が多い。 大正15年(1926年)、沼田頼輔は『日本紋章学』において、その名称の由来を雅楽に用いられる大太鼓(だだいこ)に意匠された巴文様に求めた。沼田は最も古式を留める雅楽を行う四天王寺の大太鼓の配置を参考とし、『四天王寺聖霊絵巻』に描かれる大太鼓の巴文様を引用し、左に置かれた大太鼓に三つ巴、右に置かれた大太鼓に右巴が描かれることから四天王寺の三つ巴の回転方向を左巴(頭が左向き)、二つ巴の回転方向を右巴(頭が右向き)と説いている。
図案の種類
.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}二つ巴(ふたつともえ)
三つ巴(みつともえ)
四つ巴(よつともえ)
九曜巴(くようともえ)
板倉巴(いたくらともえ)
尾長渦流三つ巴(おながかりゅうみつともえ)
尾長渦流三つ巴の類似紋様
尾長三つ巴(おながみつともえ)
有馬巴(ありまともえ)
陰陽勾玉巴(いんようまがたまともえ)
(寿の字巴(ことぶきのじともえ))
黒田藤巴(くろだふじともえ)
藤巴(ふじともえ)
糸輪に巴
巴紋の左右呼称論争時計回りの三つ巴反時計回りの三つ巴