工業技術研究院_(台湾)
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財団法人工業技術研究院
Industrial Technology Research Institute

創立者 中華民国経済部
団体種類公設財団法人
設立1973年
所在地光復院区:新竹市東区光復路二段321号
中興院区:新竹県竹東鎮中興路四段195号
中分院区:南投県南投市文献路2号
六甲院区:台南市六甲区工研路8号
南創園区:台南市安南区工業二路31号
法人番号4700150106150
主要人物董事長:李世光
院長:劉文雄
主眼先端技術研究開発により産業成長、また経済価値を創造し、社会福祉、そして幸せな暮らしを支える
従業員数6000人
標語創新 誠信 分享
ウェブサイトwww.itri.org.tw
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工研院中興院区の俯瞰全景。工研院51号館、52号館、53号館中興院区正門である工研院西大門の夜景。89号館職員宿舎とゲストハウス、77号館工業材料研究所52号館

財団法人工業技術研究院(略称工研院、英文略称ITRI)は 台湾新竹県竹東鎮にある中華民国経済部 が設立した財団法人であり、 台北市新竹市新竹県台中市南投県台南市などに研究地区、オフィスを有する台湾科学技術の発展における重要拠点である。
概要紹介

台湾最大の産業技術研究開発機構であり、台湾半導体業界のパイオニアである。1936年8月日本統治時代に台湾総督府所属の「天然ガス研究所」として新竹市光復路321号に設立された。第二次世界大戦終結後、1945年10月に中華民国経済部資源委員会により接収され、「天然気研究所」と改称された。1946年1月、経済部資源委員会管轄の国営企業中国石油公司に編入され「中国石油公司新竹研究所」に改称され、同時に近隣にあった日本海軍第六燃料廠本部資産・研究開発中心が編入された。1954年11月、経済部直属組織に昇格され、聯合工業研究所に改称された。1973年に聯合工業研究所、聯合鉱業研究所、金属工業研究所を合併し、工業技術研究院が設立された。1975年、RCA社に台湾集積回路協力プログラムのパートナーとして選定され、1976年に米国に技術者を派遣して訓練を受け、1977年に台湾で初となる4インチウェハ集積回路実証プラントを立上げ、さらに1980年から次々とUMCTSMC、TMC、VIS等の半導体製造大企業を創出し、台湾半導体産業を飛躍させた。1983年にはIBM互換PCを開発して台湾国内業者に技術移転し、周辺産業の発展を促し、PC、情報産業の基礎を確立した。

独特の研究開発環境を運用しており、綿密で堅実な産業網との関係、地域産業の研究開発力との連携を通じて、積極的に台湾の産業発展と水準向上に協力してきた。2005年から、台湾全体の地域産業発展政策と、科学技術と地域産業の連携強化のために、台南六甲に「南分院」を、南投に「中分院」を設置し、さらに台湾の産業創出のための研究開発を進めている。

40年余りに渡って、「先端技術研究開発により、産業成長、または経済価値を創造し、社会福祉、そして幸せな生活を支える」ことを主要な任務とし、研究開発の創出、人材育成、知的財産の増加、企業の設立・育成、技術サービスと技術移転等の手段をもって台湾産業の発展に様々な影響を与えてきた。創立以来、創業以来、140人以上の産業CEOを育成し、240社以上の企業を設立し、累計で2万件以上の特許を取得し、台湾の有望で鍵となる多くの技術創出だけでなく、多くの新興科学技術産業を育み、無数の科学技術人材を育成してきた。ここから企業へ転身した多くの人材が台湾経済の牽引者であり、張忠謀、胡定華、楊丁元、章青駒、蔡明介らは台湾産業に対し影響力を持ち、これら出身者は一枚の綿密な網を織る如くに台湾新興科学技術産業を無から有にし、成果を上げている。
沿革

1936年8月 台湾で最初の科学技術組織として
台湾総督府所属「新竹天然ガス研究所」が設立。

1945年10月 中華民国経済部資源委員会に接収され、「新竹天然気研究所」と改称。

1946年1月 経済部資源委員会管轄の国営企業「中国石油公司」傘下に編入され、「中国石油公司新竹研究所」に改称、同時に日本海軍第六燃料廠本部資産・研究開発中心を編入。

1954年11月 経済部直属組織に昇格され、「聯合工業研究所」に改称。

1973年 当時の経済部長である孫運?の働きかけにより、「聯合技術研究所」、「聯合鉱業研究所」および「金属工業研究所」を合併し、財団法人工業技術研究院が設立。

1976年 米国RCAと技術移転契約を締結し、半導体製造技術の導入に成功。

1980年 台湾国内で最初の4インチウェハ製造企業としてUMCが設立。

1985年 炭素繊維複合材料の研究開発を行い、自転車、ゴルフクラブ、テニスラケットなどのメーカーに技術移転を行う。技術移転先の一つであるジャイアント・マニュファクチャリングは、世界最大の自転車メーカーに発展。

1987年,台湾国内で最初の6インチウェハ製造メーカーとしてTSMCを設立。世界第一のEMSとなる。

1989年 国内で最初の大規模自動化工業会社として「盟立自動化股?有限公司」を設立。

1990年 国内47社メーカーにより「ノートパソコン連盟」を結成し、分業体制を確立させ、後に台湾が世界一のノートパソコン生産国となることを促進。

1993年 国内最初の8インチウェハ製造メーカーとしてVISを設立。台湾が世界の半導体主流の一つとなる。

1995年 「共用エンジン計画」が執行され,英ロータス自動車から技術移転し、台湾で初めての1,200cc、8バルブから16バルブのエンジンを開発し、CECを設立した。

1996年 オープンラボを設置し、産業技術の開発と新興高度科学技術産業の創出を加速。

2002年 台湾で最初の国際基準に準拠した多機能cGMP中国医薬試験工場が完成。

2005年 アジア育成協会AABIの「アジア最優秀育成センター賞」を単独受賞。研究開発力を台湾南方まで延伸するため台南に「南分院」を設置。

2007年 台湾でトップのフレキシブルエレクトロニクス量産開発実験室を開設し、世界に先駆け量産開発力を有するオープンラボとして、台湾内のフレキシブルエレクトロニクス産業の発展を加速。

2008年 WiMAXフォーラム認可の世界トップクラスWiMAX応用実験室MTWALを設置。台湾国内業者との協力により各種の測定業務を推進。

2009年 台湾トップクラスの国際標準IECEE準拠太陽光発電測定実験室IEC 61215 CBTLを設置。世界唯一のIEC非会員で認証資格を取得。

2010年1月 国際照明委員会CIEに国家級会員として加入。

2010年3月 米ULとの協力により、電気自動車の電池モジュール及び充電系統の安全認証技術標準化を推進。

2010年6月 アジアでトップクラスの3次元集積回3D IC実験室を設置。

2010年7月 「グリーンエネルギー・環境研究所」および「生医学・医療材料研究所」を設置。

2010年11月 台北市より、台北国際花卉博覧会夢想館の企画立案を受託。50万人以上が鑑賞。

2011年1月 独フラウンホーファーと科学研究計画協定FP7 Grant Agreementを締結。

2011年7月 グリーン・低炭素研究地区計画Green Campusを推進し、社会公益委員会を設立。

2011年9月 九州大学と協力し、台湾でトップクラスの人間工学照明実験室を設置。

2011年11月 工研院創新公司ITICと三菱UFJキャピタル(MUCAP)の共同で、日台ベンチャーファンドを設立。

2011年12月 一二三視股?有限公司と創智智權管理公司を設立。

2012年3月 LED照明測定実験室が台湾国内で最初のIEC国際標準に準拠した実験室としてCBTL認証を取得。

2012年9月 中国鋼鉄と「熱電材料モジュール技術」を共同発表し、中国鋼鉄で300℃以下の低温排熱回収に応用。

2012年10月 コーニングと共同で横浜で開催されたフラットパネルディスプレイ展において「100ミクロン超薄型フレキシブルガラス連続ロール・ツー・ロール製造技術」を発表。

2012年12月 カネカと共同で、「酸化物半導体TFTアレイ技術 IGZO」を発表。

2013年6月 オランダのアイントホーフェン高度科学技術地区に工研院オランダ事務所を設置。台湾水泥協力により台湾初の「カルシウム回路二酸化炭素捕捉先導型試験工場」を設置。

2013年7月 六甲院區に「南部レーザーバレー育成・試験量産工場」を開設。

2013年10月 フィンランド科学技術研究院VTTと合弁覚書を締結。小森コーポレーションと共同で、横浜のフラットパネルディスプレイ展においてロール・ツー・ロール精密印刷によるタッチパネルを発表。

2014年1月 アジア初の国際公信力認証資格に適合する功率モジュール測定実験室を設置。

2014年3月 世界初の正式に運用されたオープン計算計画OCP認証センター開設。

2014年8月 小森コーポレーションとワンステップ量産型ロール・ツー・ロールメタルメッシュ技術を共同発表。

2014年9月 経済部と共同で中分院に中台湾創新園区を開設。高安全性電池材料STOBAの専用使用権を三井化学に許諾するとともに、亜太三井科学公司を設立。

2015年2月 工具機科学技術センターを開設。

2015年4月 高速充電可能なアルミニウムイオン電池の研究開発成果が英Natureに掲載。

2015年5月 「工研新創群英会」プラットフォームを設立。創業家CEOの成功創業体験によるさらなる若い創業家の育成を目指す。

2015年6月 米シリコンバレーに「台湾創新創業センター」を設立。

2015年12月 燃料電池認証実験室がUL認証を取得。アジアで最初の取得事例。スマート・マイクロ科学技術センター、レーザー基盤製造科学技術センターを設置。

2016年9月 AI・ディープラーニングを導入した自動運転技術およびインテリジェントロボットの共同開発に関する協力覚書をNVIDIAと締結。

2016年11月 ディスプレイ、LED、半導体のメーカーとシステムインテグレーターを連携して産業交流プラットフォームを構築するための大規模なマイクロアセンブリ産業連盟を設立。

2017年10月 フォルモサプラスチックスと共同で、沙崙スマートグリーンエネルギーサイエンスシティに色素増感太陽電池の試作ラインを建設。

2018年7月 電力網管理・近代化戦略室を設立。

2018年7月 循環経済戦略室を設立。

2018年7月 車王電子、華徳動能、X-by-W ire技術のスタートアップiAuto、台湾大学と共同で、台湾初の自動運転中型バスと自動運転乗用車を発表。

2018年8月 台湾の産業界、政府、学界、研究機関に専門的な市場情報とコンサルティングサービスを提供するため、産業科学技術国際戦略開発室を設立。

2018年8月 産業のAI化、AIの産業化を推進する人工知能応用戦略室を設立。

2019年10月 新竹市との協力により自動運転車「台湾No.0001」が公道での試験を開始。

2019年10月 工業技術研究院の光電測試実験室が、デジタル照明の国際コンソーシアムDiiAの定める標準規格DALIの認証を台湾で初めて取得。


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