巡礼
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この項目では、宗教に基づく行為について説明しています。小説、映画、漫画、アニメなどのファンが作品の舞台になった場所を訪れる行為については「巡礼 (通俗)」を、その他の用法については「巡礼 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2009年10月)
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(世界遺産)

巡礼(じゅんれい、: pilgrimage)とは、日常的な生活空間を一時的に離れて、宗教の聖地や聖域に参詣し、聖なるものにより接近しようとする宗教的行動のこと[1]。 巡礼は世界の多くの宗教で、重要な宗教儀礼と見なされている。特にその宗教の信者が、特定の地域や文化圏を超えて、広域に分布している宗教においては、とりわけ大切なものとみなされる[1]。したがって巡礼は、未開宗教よりも歴史的な宗教や世界宗教において、より一層、盛んに行われている[1]
呼称、表現、基本概念

ヨーロッパ諸語での呼びかたは、例えばフランス語では「pelerinage ペルリナージュ」、英語では「pilgrimage ピルグリミッジ」、ドイツ語では「Pilgerfahrt ピルゲルファールト」である[1] が、 これらは基本的にラテン語の「peregrinus ペレグリーヌス」を語源としており、その基本的な意味は「通過者」とか「異邦人」である[1]。このラテン語の基本的な意味でも明らかなように、巡礼の根本的なかたちというのは、遠方の聖地に赴く、というところにある[1]。各信者の居住地にも宗教施設(教会堂、仏閣、神社など)は存在するのだが、それらに赴く行為のことを「巡礼」と呼ぶことは無い[1]。したがって、巡礼というのは、我々の居住地、つまり日常空間あるいは空間から離脱して、非日常空間あるいは聖空間に入り、そこで聖なるものに接近・接触し、その後ふたたび もとの日常空間・俗空間に復帰する行為、と言うこともできる[1][注 1]
分類、類型

世界には様々な巡礼があるが、その特色で様々に分類することも可能である[1]

まずは集団型と個人型である[1]。あらかじめ集団を組んで巡礼に赴く型と、個々人がおのおのの発意によって個々に巡礼に赴く型があるのである[1]。聖地は多くが辺鄙(へんぴ)な場所にあるので、交通手段が未発達の時代においては個人で行うのは困難であった[1](つまりその時代、ほとんどが集団型であった)。また、巡礼は長日数におよび金銭的な準備も必要なので、(今日でも)世界中で集団型巡礼はきわめて盛んである[1]。(なお、大勢でにぎやかに行く巡礼と 独りで黙々と行く巡礼では、その巡礼体験(体験の質)が大きく異なっている[1]。)

他の分類として、巡礼の目的や巡拝者の資格に関して「限定型」と「開放型」がある[1]。たとえばイスラームメッカ巡礼は聖典コーランに定められておりイスラム教徒以外の立ち入りは厳しく禁止されており[1]、またたとえば比叡山の回峰行は数十キロメートルの行程に散在する聖所を1日で参拝する荒行であるが、これは天台宗の僧侶の資格がある者にだけ許可されている巡礼である[1]。これに対して、信者であっても観光客であっても受け入れ、特に巡拝者を限定しない巡礼もあり、たとえば四国のお遍路がその一例である[1]

キリスト教イスラム教に見られる一つの聖地を訪れる直線型と、インド東洋で見られる複数の聖地を巡る回国型に分類されている」とも言われる。
ユダヤ教の巡礼

ソロモン神殿が存在していた時代(紀元前9世紀ころ?紀元前586年)では、ユダヤ教徒にとってエルサレムのソロモン神殿が最も重要な聖地であり、三大巡礼祭(英語版)、すなわちペサハ過越)、シャブオット七週の祭り)、スコット(仮庵の祭り)の時、成人男性で巡礼可能な人は皆、その地の同神殿を訪れコルバン(英語版)(供物の一種)をささげることが求められた。嘆きの壁」の前のユダヤ教巡礼者たち

その後、ソロモン神殿は破壊され、それでもその神殿は第二神殿ヘロデ神殿と再建・拡張されたが、紀元70年に再度ローマ帝国軍アグリッパ2世の軍によって破壊された後は(再建が熱心なユダヤ教徒の切なる願いではあるが)再建は果たされておらず、わずかに残されたかつてのヘロデ神殿周囲の(西側の)外壁の一部分(「嘆きの壁」と呼ばれるもの)が、現在のユダヤ教徒の最も重要な巡礼の場所となっている。

現在のユダヤ教では、嘆きの壁以外にも多くの巡礼の地はあり、たとえばマクペラの洞穴(アブラハムなどが埋葬されているとされる場所)、またツァッディークたちの墓(ベツレヘムメロン山、ネティヴォ(英語版) 等々にあるもの)などが巡礼の地となっている。

ユダヤ教の巡礼地(英語版のカテゴリページ。リスト状に列挙されている。)

キリスト教の巡礼

キリスト教は、当初から殉教者を出したが、その墓所に詣でて敬意を表する信者がいた。これをmartyrium マルティリウムと言う。そうした場所は礼拝の場である教会堂と並び、教会(=キリスト教コミュニティ)にとって重要な場所となった。

4世紀にキリスト教が公認されると、キリスト教発祥の地であるパレスチナ、ことにイエス・キリストの生地であるベツレヘム受難の地であるエルサレムの遺構に参拝するために信者が旅をするようになった。また各地の殉教者記念堂も巡礼の対象となった。巡礼者を描いた1500年ころの絵画。(ヒエロニムス・ボッシュ画)巡礼者のシンボルとして用いられているホタテの貝殻。リュックなどにぶら下げる。

キリスト教における巡礼は聖地への礼拝だけでなく、巡礼旅の過程も重要視されている。すなわち聖地への旅の過程において、人々は「神との繋がり」を再認識し信仰を強化するのである。ルイス・ブニュエルの映画『銀河(フランス語版、英語版)』(: "La Voie lactee" / : "The Milky Way"、1969年)は、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼を、「時間と空間を越える神の存在への問いかけの物語」として描いている。

地中海沿岸からヨーロッパ各地に諸聖人の遺骨(聖遺物または不朽体)または十字架ノアの箱舟の跡などの遺物を祭ったとされる教会、聖堂などが多数あり、そのような地への巡礼が行われた。


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