川崎重工業株式会社
Kawasaki Heavy Industries, Ltd.
川崎重工業神戸本社が入居する神戸クリスタルタワー
種類株式会社
機関設計監査等委員会設置会社
市場情報東証プライム 7012
川崎重工業株式会社(かわさきじゅうこうぎょう、英: Kawasaki Heavy Industries, Ltd.、略称:KHI)は、東京都港区および兵庫県神戸市中央区に本社を置く重工業メーカー。
オートバイ・航空機・鉄道車両・船舶・軍事ヘリコプターなどの輸送機器、その他機械装置を製造している。
三菱重工業(MHI)・IHI(旧石川島播磨重工業)と共に三大重工企業の一角を成す。日経平均株価の構成銘柄の一つ[1]。 会社の歴史は19世紀の明治時代より始まっており、東京・築地の川崎築地造船所に端を発している。社名の「川崎」は創業者の川崎正蔵の姓が由来であり、本社の所在地が兵庫の川崎(現行地名は東川崎町)であるのはまったくの偶然である。大正時代の第一次世界大戦による造船活況、そして世界大恐慌、昭和時代の第二次世界大戦、戦後の高度成長期と日本の近代史・産業史とともに存続してきた総合重機械企業である。 自衛隊の潜水艦や航空機、ミサイルの製造もおこなう国内有数の防衛産業でもあり、防衛装備受注金額では2015年度の防衛中央調達額で三菱重工業を抜いて日本第1位、世界第28位に位置した。神戸を拠点とする有数の関西系企業でもある。かつては神戸川崎財閥(松方コンツェルン)の主要企業であった経緯から、川崎製鉄(現・JFEスチール)・川崎汽船とも関係がある。本社は神戸市中央区の神戸クリスタルタワーであり、東京都港区海岸に東京本社も設置している。 社是に相当するミッションステートメントには「テクノロジーの頂点へ」と記されており、超高度な技術力の錬磨を推奨する社風を展開する。過去の歴史をさかのぼれば、日本で初めて蒸気機関車や高速鉄道の製造を行うとともに、ライト兄弟の初飛行からわずか15年で航空機工場を設立、戦後はオートバイなどに代表されるコンシューマープロダクツへの進出を成功させている。近年では、航空機の機体・エンジンの両方と、宇宙機器の開発・製造を担う航空宇宙産業としてその名を轟かせている。武器輸出三原則に代わり閣議決定された防衛装備移転三原則に従い、潜水艦や航空機の売り込みを図るなど防衛装備品の海外輸出検討も積極的に行っている。 一方、1969年に世界初の産業用ロボット会社を設立したジョセフ・エンゲルバーガーとの協力でロボットの国産化に成功して以来[2]、重工業では珍しく、日本国内でファナックに次ぐ第2位、世界で第4位のロボット産業として存在感を確立している。この成長著しいロボット産業分野で、日本のロボット生産金額は2018年度に1兆円を超えたが、それら日本のロボットメーカーで構成する日本ロボット工業会会長職を2018年5月にファナックから引き継いでいる。また、IoTやAIに至る第四次産業革命の一端を担う業容の重点化、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)を行っており自社の製造業としての高度知識集約産業化を強力に進めている。さらに、DXのさらに先に位置する産業革命と目されるグリーントランスフォーメーション(GX)の中核的活動である水素社会の確立を見越した水素チェーンのインフラ・輸送機器技術確立にいち早く取り組んでおり特筆に値する。これらの歴史は従来製品の延長だけで満足せず、新たなる分野での「テクノロジーの頂点」を目指す社風の成果とされる。 日立製作所内において設立されている日立返仁会(日立博士会)や日立技術士会と同じく、理工系国家最高資格の技術士、国家最高称号・学位である博士号取得を社内で積極的に推進し、技術士資格取得者から構成する川重技術士会(約140名)や博士号取得者で構成される川重博士会(約120名)を設立している。さらに自社内の社報で技術士・博士号取得者を定期的に公開しており「テクノロジーの頂点へ」という気風を強力に後押ししている。
概要