川崎航空機工業および川崎重工業航空機事業本部がかつて手がけていたバス車体製造事業については「いすゞバス製造」をご覧ください。
川崎重工業航空宇宙システムカンパニー(かわさきじゅうこうぎょうこうくううちゅうシステムカンパニー、英:Kawasaki Heavy Industries Aerospace System Company)は、川崎重工グループの中核会社・川崎重工業の社内カンパニーで、航空宇宙軍事関連製品の製造部門。
ルーツは川崎造船所兵庫工場飛行機科で、大日本帝国陸軍の専属メーカーとして戦闘機などを開発・製造していた川崎航空機工業(かわさきこうくうきこうぎょう。通称:川崎航空機)の後身にあたる。
航空宇宙事業とジェットエンジン事業に分かれ、前者は岐阜工場(岐阜県各務原市)・名古屋第一工場(愛知県弥富市)・名古屋第二工場(愛知県海部郡飛島村)を、後者は明石工場(兵庫県明石市)・西神工場(兵庫県神戸市西区)をそれぞれ生産拠点とする。
2018年4月1日、航空宇宙機体事業を統括していた航空宇宙カンパニーとガスタービン・機械カンパニーの航空エンジン事業を統合し、「航空宇宙システムカンパニー」となった[1]。 沿革(岐阜工場・名古屋第一工場・名古屋第二工場) 沿革(明石工場・西神工場) 岐阜工場・名古屋第一工場・名古屋第二工場では航空機、宇宙関連機器、誘導弾を製造している。製品品目は以下。
工場概要
岐阜工場
開設年月日:1922年9月7日(各務原分工場)
敷地面積:726,000m2
建物面積:291,000m2
製造品目:防衛省・民間機向け航空機
従業員:約4,400人
名古屋第一工場
開設年月日:1992年12月1日
敷地面積:221,000m2
建物面積:10,000m2
製造品目:ボーイング777・ボーイング787
従業員:約550人
名古屋第二工場
開設年月日:1979年12月19日(飛島分工場)
敷地面積:18,000m2
建物面積:6,000m2
製造品目:ボーイング767
従業員:約40人
明石工場
開設年月日:1940年9月25日
敷地面積:550,000m2
建物面積:180,000m2
製造品目:航空機用ジェットエンジン、航空機用舶用ガスタービンエンジン、航空機用トランスミッション
西神工場
開設年月日:1990年3月1日
敷地面積:120,000m2
建物面積:20,000m2
製造品目:航空機用ジェットエンジン・ガスタービン部品
沿革
1918年7月 川崎造船所兵庫工場に飛行機科を設置。
1922年9月7日 飛行機科を兵庫工場から分離し、本社直属の飛行機部および飛行機部各務原分工場を設置。
1927年2月2日 飛行機部を飛行機工場と改称。
1935年 キ10が九五式戦闘機として制式採用。
1937年
4月1日 各務原分工場を各務原工場に昇格。
11月18日 飛行機工場を川崎造船所から分離し、川崎航空機工業を設立。
1939年2月7日 各務原工場を岐阜工場と改称。
1940年 キ48が九九式双発軽爆撃機として制式採用。
1941年12月 キ61試作1号機試験飛行開始。
1942年 キ45改が二式複座戦闘機として制式採用。
1943年 キ61が三式戦闘機として制式採用。
1945年 三式戦闘機「飛燕」の機体に星型空冷エンジンを載せ替えたキ100が五式戦闘機として採用。各務原空襲により岐阜工場壊滅。
1946年5月31日 川崎航空機工業が川崎産業と社名変更。
1950年
3月1日 川崎産業が川崎都城製作所を設立。
5月1日 川崎産業が川崎機械工業と川崎岐阜製作所を設立して解散。
1951年3月31日 川崎都城製作所解散。
1953年9月21日 清算中の川崎都城製作所を川崎航空機工業として存続。
1954年3月15日 川崎岐阜製作所が川崎航空機工業に吸収合併される。
1956年 国産初のジェット練習機T-33が初飛行。
1966年 P-2Jが初飛行。
1969年4月1日 川崎航空機工業が川崎重工業に吸収合併される。
1970年 国内開発されたものでは初のジェット輸送機C-1が初飛行。
1977年 MBB社とBK117の共同開発協定に調印。
1979年
8月10日 BK117試作機が初飛行。
12月19日 飛島分工場を開設。
1985年 XT-4の試験飛行開始。
1986年 測地実験衛星「あじさい」を打ち上げ。
1988年 T-4量産機の引き渡し。
1992年12月1日 名古屋第一工場を開設し、飛島分工場を名古屋第二工場と改称。
1996年 OH-1が初飛行。
2005年 787の開発・量産事業に参画。
2007年 P-1が初飛行。
2016年 C-2量産機の引き渡し。
2018年 777X胴体パネルの初納入。
1940年9月25日 川崎航空機工業明石工場を開設、航空機(機体/エンジン)製造開始。
1942年 陸軍航空技術研究所の委託を受けて「ネ」シリーズ研究・試作に着手。
1943年 ラムジェット「ネ?0」我が国初の飛行試験。
1945年 明石空襲
1946年5月31日 川崎航空機工業が川崎産業と社名変更。
1950年
3月1日 川崎産業が川崎都城製作所を設立。
5月1日 川崎産業が川崎機械工業と川崎岐阜製作所を設立して解散。
1951年3月31日 川崎都城製作所解散。
1953年9月21日 清算中の川崎都城製作所を川崎航空機工業として存続。
1954年
3月15日 川崎機械工業が川崎航空機工業に吸収合併される。
極東米軍のJ33ジェットエンジンオーバーホールを実施。
1956年 国産初のジェット戦闘機T-33が初飛行。
1962年 (英)ロールス・ロイス社との技術提携によるJ80506(T-1Aジェット練習機)のオーバーホール初号機を納入。
1967年 T53型ターボシャフトエンジンの製造・OHを実施。
1969年4月1日 川崎航空機工業が川崎重工業に吸収合併される。
1979年 (英)ロールス・ロイス社との技術提携による艦艇用エンジンオリンパスおよびタインの初号機納入。
1983年 5ヶ国共同によるエアバスA320ファミリー用ターボファンエンジンV2500ターボファンエンジンの開発開始。
1984年 (英)ロールス・ロイス社との技術提携による艦艇用エンジンスペイの初号機納入。
1985年 (米)P&W社とのRSP契約によるPW4000ターボファンエンジン部品の製造開始。
1986年 (米)ライカミング社との技術提携によるT55-K-712(CH-47ヘリコプタ用)初号機を防衛庁に納入。
1986年 (英)ロールス・ロイス社とのRSP契約によるロッキードL-1011 トライスター用RB211/Trentターボファンエンジン部品の製造開始。
1990年3月1日 西神工場を開設。
1996年 CF34ターボファンエンジンの開発開始。
2008年 Trent 1000(ボーイング787用) の運転試験を開始。
2009年 Trent XWB(エアバスA350XWB用) へのRRSP(リスク&レベニューシェアリングパートナー)契約による参画を決定。
2010年 航空機用一定周波数発電装置 T-IDG をP-1 量産機向けに初納入。
2011年 Trent XWBエンジン中圧圧縮機モジュールを初出荷。
エアバス社A320neo用エンジン「PW1100G-JM」の開発・生産に参画。
製品
固定翼機