川崎市交通局
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川崎市交通局
Transportation Bureau, City of Kawasaki

路線バス車両と川崎市電702号車
種類地方公営企業
略称川崎市バス
本社所在地 日本
210-0006
神奈川県川崎市川崎区砂子一丁目8番9号
川崎御幸ビル9階
設立1944年昭和19年)
業種陸運業
事業内容一般旅客自動車運送事業(乗合貸切)、他
代表者川崎市交通局長
外部リンクhttps://www.city.kawasaki.jp/820/
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川崎市交通局(かわさきしこうつうきょく、川崎市バス)は、川崎市地方公営企業の一つ。公営交通として、現在は神奈川県川崎市全域でバス路線を運営する公営バス事業者である。

過去には路面電車川崎市電トロリーバス川崎市営トロリーバスも運営していたが廃止され、現在ではバス事業専業である。また市営地下鉄である川崎縦貫高速鉄道も計画されたが、開業に至らず未成線となっている。

なお、同じ神奈川県内の公営バスである横浜市交通局のバスは「市営バス」と呼ばれることが多いのに対し、川崎市交通局のバスは「市バス」と称され、川崎市公式サイトでも「市バス」の名称で案内されている[1]
概要
市電・トロリーバス・市営地下鉄事業

川崎市電川崎市営トロリーバス川崎縦貫高速鉄道についての詳細は、各項目の記事を参照。
バス事業

南は川崎市川崎区東扇島から北方向は多摩区稲田堤駅周辺まで、北西方向は麻生区柿生駅付近まで、川崎市全域で路線バスを運行している。

なお川崎市外では、横浜市内の高田町バス停を終点とする2つの系統があり、同市港北区都筑区に乗り入れる。さらに、横浜市青葉区たまプラーザ駅にも乗り入れている。なお、横浜市営バスにおいても川崎駅西口(川崎市幸区)に乗り入れる路線がある。

またかつては高速バスも運行しており、川崎駅から東京湾アクアラインを経由して房総半島木更津駅袖ケ浦駅を結ぶ高速バスを、京浜急行バス川崎鶴見臨港バス小湊鉄道バス・日東交通東京ベイサービス共同運行していたが、川崎 - 袖ケ浦線は2002年に廃止、川崎 - 木更津線は2004年に撤退し、高速バス事業からは撤退している。

市バスのイメージキャラクター(ゆるキャラ)として、「かわさきノルフィン」が制定されている。詳細は同項目を参照。

川崎市バス停留所標識

川崎市バス停留所標識(照明付)

共用停留所標識(東急バス)。他社と共用のバス停には赤枠が記され、先頭に表記された事業者が設置している

歴史高津区二子塚公園に保存される川崎市最後のトロリーバス車両。側窓には運行当時の写真も(2021年11月)
市電開業からバス専業へ

川崎市電川崎市営トロリーバス川崎縦貫高速鉄道の歴史については、各項目も参照されたい。また詳しい年表が、川崎市公式サイトの「 ⇒年度別事業概要 (PDF) に記載されているので、そちらも参照されたい。

川崎市の公営交通は太平洋戦争末期に、路面電車である川崎市電の運行からスタートした。戦前の川崎市内の公共交通は南武鉄道および、川崎鶴見臨港バス(おおむね東海道線以南)・東京急行電鉄バス(同じく東海道線以北溝ノ口まで)・南武鉄道(同じく溝ノ口以北)のバス路線が主体となっていた。

だが戦争末期には、川崎駅から臨海部の軍需工場への通勤輸送が、既存のバスやトラックでは限界に達していたため、1944年(昭和19年)10月14日に川崎駅から臨海部の間で、まず市電の運行が開始された。

戦後になり、民営バス各社が運休中であったことから、川崎市は市民の足を確保する目的で市バス運行を計画し、1950年(昭和25年)12月15日に浜町三丁目?新丸子駅前間12.04kmで運行を開始した[2]

1951年、南武鉄道のバスを承継した立川バスより溝口営業所を買収し、4路線(溝口駅 - 溝口 - 蔵敷、溝口 - 高津 - 生田(榎戸) - 矢ノ口 - 調布、高津 - 二子玉川 - 成城学園前駅、登戸 - 生田(榎戸))を譲受。翌1952年このうち3路線を開業して市内全域を運行地域とする。この際、立川バス溝ノ口営業所が営業していた川崎市外の路線(矢ノ口 - 調布、高津 - 成城学園前駅)は譲受が認められず、そのまま廃止された。

また同年には、川崎駅前 - 桜本でトロリーバスの運行を開始している。しかし、モータリゼーションの波や設備更新、経営合理化などの影響から、まず1967年にトロリーバスが、1969年には市電が廃止され、バス専業となった。

その後は先発の臨港バス・東急バス、川崎市内に進出してきた後発の小田急バスと競合しながらも路線網を拡充し、バス路線網は現在に至っている。

なおほかに川崎市内に乗り入れる一般路線を持つバス事業者は、京浜急行バス神奈川中央交通横浜市交通局がある。ただし、京浜急行バスは基本的に川崎区東京都大田区とを結ぶ路線のみで、神奈川中央交通は麻生区の市バス営業エリア外での運行がほとんどである。横浜市交通局は横浜駅 - 川崎駅西口など一部路線が幸区を走行する。

このほか、1960年代の政府答申に基づき、1996年頃より川崎駅 - 新百合ヶ丘駅間の川崎市南北の拠点都市をつなぐ市営地下鉄「川崎縦貫高速鉄道」の整備が議決され、国の事業許可を得て着工に至ったが、2003年の一時的な川崎市の財政悪化を受けて、環境影響調査後の事業続行を中断した。

その後、当初計画で取得した新百合ヶ丘駅 - 元住吉駅の免許を廃止し、新百合ヶ丘駅 - 武蔵小杉駅の計画が進められ、22年で償還可能との試算がなされたが、2012年度で同事業の会計を閉鎖すると、それまで市営地下鉄建設を選挙公約として再選されてきた阿部孝夫市長(当時)が発表した。
民間委託と路線移譲

川崎市交通局は2006年度より、「川崎市バスニュー・ステージプラン」を導入している。これは経営状況を改善するため、勤務条件の見直しや嘱託乗務員の採用などのほか、共同運行路線・競合路線を民間事業者へ移譲し、営業所の管理業務を民間委託することで経費節減を図るものである。

これにより、共同運行している向01系統、競合している溝03系統を東急バスに移譲し、競合により利用者の少ない溝04および溝05小杉線・等々力線の運行区間短縮を行った。

また2007年4月より、上平間営業所を川崎鶴見臨港バス子会社の臨港グリーンバスに管理業務委託した。結果として近年赤字続きであった交通局バス部門も、2005年度はわずかながら黒字に転換するなどの効果が出ている。

この政策はその後も引き続き実施され、2011年4月1日には鷲ヶ峰営業所・井田営業所の一部路線を、新設の菅生営業所(旧・菅生出張所)(現:鷲ヶ峰営業所菅生車庫)へ移管するとともに、神奈川中央交通子会社の相模神奈交バス(現:神奈川中央交通東)へ運行管理を委託した。


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