嶽本野ばら
嶽本 野ばら
誕生嶽本 稔明(たけもと としあき)
(1968-01-26) 1968年1月26日(56歳)
京都府宇治市
職業小説家
随筆家
言語日本語
国籍 日本
最終学歴大阪芸術大学中退
活動期間1992年 - 現在
ジャンル小説
随筆
絵本作家
文学活動乙女のカリスマ
代表作下妻物語
デビュー作それいぬ――正しい乙女になるために
影響を受けたもの
太宰治、横溝正史、中原淳一、高橋真琴、吉屋信子、澁澤龍彦
公式サイト嶽本野ばらofficial Web Site Hp「ノバラ座」
嶽本 野ばら(たけもと のばら、1968年1月26日 - )は、日本の作家、エッセイスト。
本名:嶽本 稔明(たけもと としあき)[1]。代表作は『下妻物語』など[1]。 京都府宇治市出身。デビュー当時、誕生年は1745年(ロココ朝全盛期)であると自称しており、実年齢は非公開としていた。 幼少時代は読書に否定的な両親のもとで、横溝正史などを隠れて読み育った。 大阪芸術大学芸術学部文芸学科中退後、1987年から美術、音楽、演劇などの活動を行う。 1990年、雑貨店「SHOPへなちょこ」の店長となる。 1992年から1997年まで、関西のフリーペーパー『花形文化通信』にエッセイ「それいぬ――正しい乙女になるために」を連載し熱狂的支持を受けたことがきっかけとなり[2]、1998年『花形文化通信』での連載をまとめたエッセイ集『それいぬ――正しい乙女になるために』(国書刊行会)が単行本化され、以降雑誌などにエッセイを発表して少女たちの支持を集める。 2000年、知り合いの編集者のすすめにより初の書き下ろし小説集『ミシン』(小学館)を執筆し小説家としてデビューし、翌年には『ミシン』に収録された「世界の終わりという名の雑貨店
略歴
2004年、『ロリヰタ。』が三島由紀夫賞候補となる。同年、『下妻物語』が映画化された。
2007年9月2日に大麻取締法違反(所持)の現行犯で逮捕され[2]、同年10月31日に懲役8か月、執行猶予3年の判決を受けた。2010年11月、猶予期間満了。復帰第一作の『タイマ』はこの事件をモチーフにした物語になっている。
2014年、2月に『破産』が舞台化された。
2015年4月23日、麻薬取締法違反の疑いで逮捕[3]。3月上旬、台東区上野の路上で麻薬成分「5F-QUPIC」を含む植物片約2グラムを所持した疑い。同年7月15日に懲役2年6ヶ月、執行猶予5年の判決を受けた。同年8月2日に自身のブログにて、事件の経緯ならびに謝罪を公表している。
2023年、映画『ハピネス』の制作発表。2024年公開予定。 中原淳一、高橋真琴らの少女文化の後継者を自任しており、ロリィタ趣味、怪奇趣味などを織り込んだ作品を発表している。極端な作風から好みの分かれがちな作家であるが、『下妻物語』はこの作家としてはやや異色で軽快なストーリーが広く人気を博した。 吉屋信子の少女小説をはじめとする日本の少女文化に広く精通しており、作品にそれを生かしていることや、太宰治などの文学作品の影響をうまく消化して現代小説に生かしている点は評価されるが、性描写の乱用、破滅的なストーリーが多いことがよく批判される。このことについて作家曰く「魂の双子達が必然に迫られ永遠を求め結合に至ります。」とTwitterで解説を述べていた。
作風
その他
過去に小説家としてデビューする前に1度だけ毎日放送で1992年から1994年までに放送されていた関西ローカルの深夜番組「テレビのツボ」に出演したことがある。“赤・青・黄色の三原色”について、この時、赤-主役、青-クール・キザ、黄色-へタレ・笑われキャラ、というテレビにおけるキャラクタのイメージを色彩によって表現するパターンを展開した。
音楽活動については関西在住時代に現代美術家を目指し個展を開いた時に行われた「嶽本野ばらwith unit noise」、赤星のメンバーに誘われ結成された「ジャーリンカーリン」、「嶽本野ばらとひめゆりの楽隊」、世界で一番音の小さなパンク「死怒靡瀉酢」をしていた。1994年9月に放送された「輝け!ロック爆笑族3」に出演したことがある。2015年からアマリリス改の研究生として参加している。
“乙女のカリスマ”として、ロリータファッションの世界を牽引しつづけている。
2009年頃からアニメ作品、同人など、いわゆる二次元文化に傾倒し賛否両論を受けるが、好む作品の傾向は、この作家のかねてからの少女文化、百合、エスへの追求に準じたものである。
執筆について、Mac Proのwordを開き、20文字設定にし、日本人作家では珍しく横書きで執筆をする。
プロットは作らず、綿密な下調べ、現場へ足を運んで取材をしていくうちに頭の中で物語の形ができていくという。
過去には『下妻物語』での現地取材にて土浦のキャバクラへ行き、キャバクラの店員さんにヤンキーはどのルートをバイクで走るのか?とテーブルに地図を広げて取材したり、『ハピネス』では、なかなか許可の下りない火葬場への取材に黒い服と黒いネクタイをして突撃潜入取材を敢行したり、『通り魔』では岐阜の縫製工場を取材し、直接現場へ足を運び取材することを大切にしているとトークショーで語っていた。
近年はどんぐりの実を好み、作者自身の眼鏡のストラップの先にも、作者自身の手芸で作ったどんぐりのアクセサリーを装着したりしていた。どんぐりを使ったアクセサリーを手作りし読者へ頒布したりしていた。手作りがマイブームの時には「イーハトー坊」という名で手作りグッズを頒布していた。
2017年7月25日?30日には、澁澤龍彦没後30年に際し澁澤をリスペクトし作者発案の展覧会「ノバラ座」を京都ライト商會にて開催した。期間中は作者が解説を担当した澁澤龍彦アンソロジー本「極楽鳥とカタツムリ」(河出書房)、作者自ら創作のボタニカルスペシメント(押し花)、コキヤージュ、鉱物などを展示販売、作者が創作した極楽鳥のモニュメントなども展示。29日30日にはトークショーと作者書き下ろし戯曲「鱗姫」を作者の指導の下で参加者が朗読し演じるイベントが行われた。
2017年9月17日?18日には、7月に京都で行われた「ノバラ座」の東京公演「ノバラ座ANNEX」が神保町北沢ビルブックハウスカフェの2階ギャラリーにて行われた。このイベントでは、作家が所蔵しているオーブリー・ビアズリー、J・J・グランヴィル、H・ヴィルビーク・ル・メールの他、ジョンテニエルのアリスの絵など展示。京都での展覧会同様に作者自ら創作のボタニカルスペシメント(押し花)、貝殻、鉱物、マッチなど展示販売された。
2018年1月19日から1月27日まで京都ライト商會にて「ノバラ座?make a book project?」を開催した。このイベントでは、アルフォンス・ミュシャ、高橋真琴のイラスト、作者が創作した極楽鳥のモニュメント、縛られたクマのぬいぐるみの展示の他、作者自ら創作のボタニカルスペシメント、コキヤージュ、鉱物、栞など展示販売。作者執筆の戯曲「劇版鱗姫」全章の販売、CD-ROM販売、直接、戯曲「劇版鱗姫」のレーザープリントアウト販売もされた。26日27日には作者の満50歳の誕生日会が開催された。「make a book project」とは「劇版鱗姫」の校正を校正班有志と校正のやり取り、プリントアウトされた原稿を読者の各々が劇版鱗姫を製本する作業の過程で、主に作者自身は和綴じ製本をすることを推奨していた。27日には麻紐群舞パフォーマンスが披露された。麻紐群舞とは、作者によって参加した読者、会場の空間が麻紐によって縛られていくパフォーマンスのことである。
2018年9月11日?16日まで京都ライト商會にて「ノバラ座 TUNTSU AMOR RADICORUM 中井英夫のために」を開催した。このイベントでは、会場の床に薔薇の造花が敷き詰められた空間がディレクションされ、中井英夫をテーマとした展示が行われた。作者の50歳記念トランプが販売された。他には、ポートレート、貝殻で作られたネックレス、鍵で作られたネックレス、使用済み切手の標本、鉱物、当てものくじが販売された。15日16日には作者のトークショウ、演劇の稽古、50thトランプを用いてババ抜きが行われた。
作品
小説
ミシン(2000年10月・小学館、ISBN 978-4-09-408225-8)
鱗姫(2001年3月・小学館、ISBN 4-391-13030-0)
カフェー小品集(2001年8月・青山出版社、ISBN 978-4-89998-022-3)