島弧
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アラスカ半島(右)から西に向かってアリューシャン列島が延びている

列島(れっとう)とは、列状に連なっている島々のこと。日本では特に日本列島を指す場合もある。
列島の形成
島弧の形成プレート境界(三角線が沈み込み境界)とホットスポット

列島の多くは、プレートの境界域(海溝付近)に形成されており、この種の列島は島弧(とうこ、island arc)または弧状列島(こじょうれっとう)と呼ばれる。日本列島も島弧の一つである[1]。ほとんどの島弧は火山フロントと呼ばれる前線帯に沿って火山を伴う。また、島弧の背面(海溝とは反対側)では地殻が沈み海盆が形成される。

島弧の形成過程はおよそ次のとおりと考えられる。プレートが海溝から沈み込んでいくと、ある一定の深度において含水鉱物雲母角閃石)が圧力のために分解する。その際放出された水が上部のウェッジマントルに付加することによりマントル融点が下がり、マグマが生ずる。マグマは周囲のマントルに比べ軽いのでマントルダイアピルとして上昇し、地殻-マントル境界付近で停止する。このように次々と下部からマグマが近くの下部に底付けされるため地殻は厚くなり、アイソスタシーの原理により海溝に平行した線状の高まりが形成される。この高まり上の所々では、マグマが地表に噴出して火山となる。

このように形成された島弧の多くが弧状をなすのは背面側に背弧海盆が発達しているからであり、背弧海盆を持たない島弧は直線状である。

弧状列島周辺の地下構造

オホーツク海南縁のやや濃い青が千島列島の背弧海盆

ホットスポット海山列の形成ホットスポットによる列島形成

地球上には下部マントル付近から熱い物質が上昇してくるホットスポットがあちこちに見られる。このホットスポットはプレート運動に対して不動であるので、プレートが動いていくにつれ、そのプレート上にホットスポット起源の火山が点々と連なることになる。ハワイ-天皇海山列がその典型であり、途中で折れ曲がりながら直線状に連なっている。ただし、ほとんどの島は海面下に沈んでいるため、列島ではなく海山列と呼ばれる。
その他の列島の形成

その他の列島の形成要因としては、浸食堆積などがある。この場合、形成された島々が偶発的に列状となるため列島と呼称されるのであり、形成要因から見れば諸島と大きな差異はないことになる。
列島の人文的意味

列島は、文字どおり島が列状に連なっているため、島伝いの交通路としての機能を有することがある。また同様に、文化伝播の役割を担うこともある(いわゆる文化回廊)。柳田國男の提唱した「海上の道」は、琉球列島を大陸からの文化回廊として考えた代表的な例である。
主な列島
弧状列島

弧状列島国海溝縁海・海盆プレート沈み込みプレート
アリューシャン列島アメリカアリューシャン海溝ベーリング海北米太平洋
千島列島ロシア日本千島カムチャツカ海溝オホーツク海北米太平洋
日本列島日本日本海溝南海トラフ日本海北米、ユーラシア太平洋、フィリピン海
琉球列島日本琉球海溝東シナ海沖縄トラフ)ユーラシアフィリピン海
フィリピン諸島フィリピンフィリピン海溝南シナ海セレベス海ユーラシアフィリピン海


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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