岸辺露伴は動かない
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}ジョジョの奇妙な冒険 > ダイヤモンドは砕けない > 岸辺露伴は動かない

岸辺露伴は動かない
ジャンルサスペンス・ホラー
漫画
作者荒木飛呂彦
出版社集英社
掲載誌週刊少年ジャンプほか
レーベルジャンプ・コミックス
発表期間1997年 -
巻数既刊2巻(2018年7月現在)
OVA
原作荒木飛呂彦
監督加藤敏幸
脚本加藤敏幸
キャラクターデザイン石本峻一
音楽菅野祐悟
アニメーション制作david production
発表期間2017年6月28日 - 2020年3月25日
話数全4話
その他Netflixでも配信[1]
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメドラマ
ポータル漫画アニメドラマ

『岸辺露伴は動かない』(きしべろはんはうごかない、Thus spoke Kishibe Rohan)は、荒木飛呂彦による日本の短編漫画シリーズ。およびそれらを収録した短編集。本項では、アニメとテレビドラマについても述べる。
概要

ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物、漫画家の岸辺露伴を中心として展開するスピンオフ作品。タイトルの「動かない」は、「露伴は主人公ではなく、あくまで物語のナビゲーターである」という意味である[2]

第1作『懺悔室』が1997年に発表され、それのみ『死刑執行中脱獄進行中』(1999年刊)に収録されていたが、2008年の第2作『六壁坂』を皮切りにシリーズ化した。2013年にはジャンプ・コミックスとして単行本化され、2018年に単行本第2巻が出てシリーズ化している[3]

掲載誌は一定でなく、これまでに『週刊少年ジャンプ』以外にも複数誌で掲載されている。また、各作品にはエピソードナンバーが冠されているが、発表順や時系列順というわけではない。単行本では、各短編に作者自身が解説をつけている。また収録作品のカラーページは全てモノクロに変更され、タイトル表示の関係で他ページより縮小されている。

荒木飛呂彦によれば、第1作の『懺悔室』を書く際、編集部からは「スピンオフ・外伝は絶対禁止」という条件で執筆依頼を受けており、最初は露伴を登場させずに描いていたが、「狂言回しとしてのキャラクターがいないと話がしっくり来ない」との理由で露伴を登場させることを決めたという[2]。また、この時の禁止令が無ければ露伴のスピンオフ作品は以後書かなかっただろうと述べている[4]

岸辺露伴およびPart4のキャラクターが登場し、単行本の冒頭にはPart4設定基準での露伴のプロフィール(1979年生、1999年に吉良吉影と戦ったなど)が掲載されているが、Part4と諸設定が異なっている場合がある。また、Part4の主人公・東方仗助は一貫して後ろ姿のみの登場となっており、セリフも一切ない。これは「ひとつの作品に主役はふたり並び立てない」という荒木の考えからであることがOVA監督の加藤敏幸によって明かされている[5]。また、荒木は『JOJOVELLER』で当シリーズの世界観について「『ジョジョリオン』と『岸辺露伴は動かない』は隣り合わせの世界」と発言している[6]

内容については岸辺露伴の「取材見聞録」「体験談」「取材先で体験した恐怖のエピソード」などと紹介されており[7]、取材で遭遇した不可思議な現象を露伴がスタンドと機転で切り抜ける、または当該編主人公の体験を露伴が語るというパターンが多い。

2010年には、同様に岸辺露伴をメインとしたスピンオフ長編『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が発表されたが、こちらは2011年にフルカラーの愛蔵版コミックスとして単独で刊行されている。

一部のエピソードは2017年以降にPart4アニメに準じた内容でOVA化されている。詳細はOVAの節を参照。

2020年より12月末にNHK総合テレビにてドラマ化され、2020年と2021年はそれぞれ3夜連続、2022年は2夜連続で、2024年は単発で放送。詳細は#テレビドラマの節を参照。2023年5月にはドラマ版を元にした映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開された。
エピソードリスト

発表順#タイトル発表ページ数収録OVA化実写化備考
116懺悔室『
週刊少年ジャンプ』1997年30号491巻〇単行本『死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集』にも収録
202六壁坂『ジャンプスクエア』2008年1月号61〇〇
305富豪村『週刊少年ジャンプ』2012年45号46〇〇
406密漁海岸『週刊少年ジャンプ』2013年46号47〇
(2→3)-岸辺露伴グッチへ行く『SPUR』2011年10月号16初出フルカラー
504望月家のお月見『少年ジャンプ+』2014年9月22日配信472巻電書アプリ配信。カラー無
607月曜日 天気-雨『ジャンプスクエア』2016年1月号50雑誌掲載時のタイトルは『月曜日-天気雨』
708D・N・A『別冊マーガレット』2017年9月号50〇雑誌掲載時はエピソード9
809ザ・ラン『週刊少年ジャンプ』2018年13号48〇〇雑誌掲載時はエピソード10
910ホットサマー・マーサ『JOJO magazine』2022 SPRING71未収録〇
1011[8]ドリッピング画法『ウルトラジャンプ』2022年5月号 - 6月号

第1巻収録作品
エピソード#16 懺悔室

週刊少年ジャンプ』1997年30号に、当時連載中のジャンプ作家10名がそれぞれ読切を描く「ジャンプリーダーズカップ」の1つとして掲載された49ページの短編作品。英題は『At a Confessional』。

正確には『岸辺露伴は動かない ?エピソード16:懺悔室?』という単発の読切短編であり、シリーズ化と単行本化に際して再編されたものである。設定上は「原作:岸辺露伴 作画:荒木飛呂彦」となっており、巻末コメントも露伴のキャラクターで書かれていた。

死刑執行中脱獄進行中 荒木飛呂彦短編集』(1999年刊)からの再録である。『死刑執行中脱獄進行中』ではカラーページが収録されているが、『岸辺露伴は動かない』ではカラーではなくなっている。また、再録にあたって露伴の一人称が「わたし」から「ぼく」に変更された箇所がある。

舞台はイタリアのヴェネツィアで、また雑誌掲載時は同『週刊少年ジャンプ』誌上にてイタリアが舞台のPart5連載中、ヴェネツィアでの戦闘の最中でというタイミングであった(長編からはみ出ていたアイデアを短編に使っているのだという)[9]。本作の露伴は特に主人公ではなくナビゲーターであるとされ、スタンド能力は使用しない。
あらすじ
怪我をして連載を中断していた岸辺露伴は、休載期間を使ってイタリアへ旅行に行き、ストーリーの新展開のための取材を行っていた。露伴が取材のため『懺悔室』に入ると、ある一人の男が懺悔に訪れる。露伴は自分が誤って神父の部屋に入っていた事に気づくが、「体験は作品にリアリティを生む」と考えたため男の懺悔に耳を貸すことにした。
登場人物

岸辺 露伴(きしべ ろはん)
声 - 櫻井孝宏本エピソードのナビゲーター。杜王町に住む人気漫画家。ヴェネツィアの教会で懺悔室の取材をしていたところ、罪を犯した男の懺悔を聞くこととなる。
懺悔者 / 若い男
声 - 高橋広樹本エピソードの主人公。前髪を尖らせて後ろを刈り上げにした髪型の男。下働きをしていた24歳の時に浮浪者を自らの非道な行いから死なせてしまっており、その直後浮浪者の霊に「幸福の絶頂を迎えた時に迎えに来る」と言われ、その後様々な幸運に恵まれるも素直に喜ぶことはできなかった。そんなある日、娘(声 - 木野日菜)のかわいい仕草を見て幸せを感じていると「幸福の絶頂」を迎えたとして約束通り浮浪者の霊が迎えに現れる。それに逆恨みだと反論したため、霊から「ポップコーンを街灯より高く投げ、それを口で3回連続でキャッチできたら水に流す」と一度だけチャンスを与えられるが、3回目で失敗し首を刎ねられてしまう。だが、実は殺されたのは自分と同じ顔に整形させた召使いであり、彼自身は整形で召使いになりすまして難を逃れようとしていた。懺悔に訪れたのは身代わりとなった召使いを死なせたことについてであったが、今度は召使いの霊から「娘が幸福の絶頂を迎えた時に迎えに来る」と言われ、さらに不正に気付いた浮浪者の霊からも四六時中付きまとわれることになった。懺悔室では顔が見えないということからの叙述トリックである。幸福の絶頂に命を狙われる設定は、荒木が父や祖父から言われた「普段、人をあざむいて生活していると一番幸福な時にバチがあたるぞ」という諌めの言葉が参考になっており、荒木はこの主人公について「それでもヘコたれない本作の主人公は好き」と述べている[2]
浮浪者の霊
声 - 樫井笙人東洋風の浮浪者の男。餓死寸前の状態で男に食べ物を懇願するも、男から「自分の代わりにトウモロコシの袋を全て運び終えたら」という条件を出され、食べ物を与えられることも無いまま袋を運んでいる最中にその下敷きとなって死亡する。そのとき味わった深い絶望を男にも味わわせるため、男を陰ながら手助けして幸運を与え、その絶頂を迎えた時点で殺害するつもりだった。幸福の絶頂のさなか、男の娘の舌に取り憑いて現れるも、男に逆恨みだと反論され、「ならば運命に決めてもらう」として男に一度だけチャンスを与える。男は3回目で挑戦に失敗したため約束通り男を殺害して天に昇っていったが、殺された男が身代わりだったことを知ると、また騙されないようにと召使いの霊と二人で男を監視するようになった。
広瀬 康一(ひろせ こういち)、虹村 億泰(にじむら おくやす)、山岸 由花子(やまぎし ゆかこ)
声 - 梶裕貴(康一)、高木渉(億泰)、能登麻美子(由花子)Part4の登場人物。OVAのみの登場。OVAオリジナルのプロローグにおいて康一は露伴にイタリア語を話せるようにしてほしいと頼み、彼がイタリアに行くことを知った露伴が自身のイタリアでの体験談として本エピソードを語る。エピローグでは億泰と由花子もいつの間にか同席しており、億泰は悪霊の行動について「悠長なやり方」と感想を述べ、由花子は一生付きまとう霊のやり方を怖がる康一に「もしそうなったら私が追い払ってあげる」とのろけていた。キャラクターデザインにも若干の変更が行われており、康一はParte5でのデザインに合わせて逆立った髪型となり、由花子も制服のデザインが変わり、『エピソード#08 D・N・A』で身に着けていた「由」の形のブローチを付けている[10]。また、直接の登場ではないが仗助も話の前置きでワンシーンのみ後ろ姿が描かれている。
エピソード#02 六壁坂

『ジャンプスクエア』2008年1月号に、創刊記念特別読み切り第2弾として掲載された61ページの短編作品。連載当時のタイトルは『岸辺露伴は動かない ?六壁坂?』であったが、本短編集の刊行時にエピソード2となった。英題は『Mutsu-kabe hill』。

同誌掲載のインタビューで荒木飛呂彦はこの作品について、今作の10年前に描いた『エピソード16:懺悔室』をシリーズとして何作か描きたいと考えており、『ジャンプスクエア』から短編の依頼が来た際、そのアイデアがあったことからこの話になったと説明している。

『六壁坂』(むつかべ ざか)のタイトルについて、荒木は「それにしても、『六壁坂』というネーミングはなぜ『六壁坂』にしたのだろうか?全然記憶が無いんです。スミマセン。本当にヤバイ。」と述べている[11]

2009年10月23日に発売された『ジャンプSQ.M(ジャンプスクエア マスターピース)』Vol.002へ初出時同時掲載のインタビューを再編集したものと共に再掲載された。
あらすじ
露伴は読み切りの打ち合わせにきた漫画編集者の貝森稔に原稿料の前借りを申し出る。妖怪伝説の漫画を描くために取材を行っていたところ、その土地に開発業者がリゾート道路を通そうとしていたため、周囲の山を6つ買って阻止したらリゾート計画で高騰していた地価が暴落、破産したというのだ。あまりの内容に貝森は呆気にとられるが露伴は「ちゃんといたんだから取材の価値は十分にあった」「『六壁坂』の妖怪は今もそこにいる」と続け、彼が取材で訪れた六壁坂村で数年前に起こったある事件と取材時に起きたある出来事を語り出す。
登場人物

岸辺 露伴(きしべ ろはん)
声 - 櫻井孝宏 / 演 - 高橋一生スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国の扉)杜王町に住む人気漫画家。27歳。デビュー11年目。作品のリアリティを何よりも重要視しており、妖怪伝説の取材のためだけに山を6つ買い、破産した。借金こそしていないものの財産も家も失い、現在はド・スタールの画集だけを所持して広瀬康一の家に厄介になっている。読み切り作品の打ち合わせの際、貝森に原稿料の前借りを相談し破産に至った経緯と取材時に起こった出来事を語る。
貝森 稔(かいがもり みのる)
声 - 茂木たかまさ漫画編集者。23歳。入社1年目で既婚子供無し。61ページの読み切りの打ち合わせをするために露伴のもとを訪れるが、そこで露伴に原稿料の前借りを相談される。
小林 玉美(こばやし たまみ)、音石 明(おといし あきら)
声 - 鶴岡聡森久保祥太郎露伴にサインをねだりに来た2人組。両名共に『ダイヤモンドは砕けない』に登場している。そちらでは玉美は露伴と面識があるが、本作では初対面のような態度をとっている。なお、テレビドラマ版では本来上述の3名が登場するシーンは『ザ・ラン』の冒頭部分に組み込まれているが、稔の登場シーンは泉京香が兼任、玉美・音石の2名は少年に置き換えられている。
大郷 楠宝子(おおさと なおこ)
声 - 種ア敦美 / 演 - 内田理央六壁坂村で300年続く味噌作りで成功した一族の一人娘。庭師の釜房郡平と関係を持っていたが、大学卒業後に許嫁と結婚することが決まっていたため、郡平に対し手切れ金とともに別れ話を切り出すが、ふとした拍子に郡平を死なせてしまう。しかし、その事実を隠して修一と結婚、子供を一男一女の2人儲ける。取材に訪れた露伴に記憶を読まれ、露伴が釜房郡平の存在を知るきっかけとなった。
釜房 郡平(かまふさ ぐんぺい)
声 - 間島淳司 / 演 - 渡辺大知大郷家で働くバイトの庭師。そこの一人娘、楠宝子と関係を持っていたが別れ話を切り出される。それでも食い下がるが楠宝子に突き飛ばされ、その拍子にゴルフクラブが後頭部に刺さって死亡する。遺体は楠宝子の寝室のクローゼット天井裏に隠され、その後も楠宝子によって管理され続けた。楠宝子の記憶を読み、その存在を知った露伴は「何としても自分の目で見てみたい」と考えるが、直後に楠宝子の娘に取り憑かれそうになったことで彼がどういう存在なのかを理解したため、実際には会うことなく取材を終えた。
高窓 修一(たかまど しゅういち)
声 - 益山武明 / 演 - 中島歩楠宝子の許嫁。楠宝子の大学卒業後に結婚し、大郷家の養子に入る。
大郷 桐子(おおさと きりこ)
声 - 高田憂希 / 演 - 白鳥玉季楠宝子の娘。楠宝子の記憶から釜房郡平の存在を知り、大郷家の周囲を嗅ぎ回っていた露伴に声をかける。その直後につまずいて転び、石に頭をぶつけて死亡するが、露伴は彼女が郡平と楠宝子の間にできた子供で、郡平と同じく自分に取り憑こうとしていることを察知し、身体に刻まれた「人生の体験」が完全に消える前に自分に関する記憶を消し、さらに自分のことに気付かないようにしたことで難を逃れ、取り憑くことに失敗した彼女は一瞬妖怪の本性を見せた後、何事もなかったかのように生き返った。
大郷 櫂(おおさと かい)
演 - 吉田奏佑楠宝子の息子。物語のラストに1コマだけ登場しており、郡平と同じく「SBR」とプリントされたTシャツを身に着け、将来の夢を庭師と語るなど、こちらも郡平との間にできた子供であるかのような描写がなされている。OVAには登場しない。
東方仗助(ひがしかた じょうすけ)、広瀬 康一(ひろせ こういち)、虹村 億泰(にじむら おくやす)、支倉未起隆(はぜくら みきたか)
声 - 梶裕貴(康一)、高木渉(億泰)、加瀬康之(未起隆)『ダイヤモンドは砕けない』の主人公とその友人たち。OVAのみの登場[注 1]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:151 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef